感 想 | この本には、バイリンガルとして育てられた筆者の子供たちの記録が書かれています。それと共に日米の教育の違いや、日本の高等教育を国際化するための大胆な提言も載っていて、大変興味深かったです。筆者は社会言語学者で、アメリカの大学で何年かを過ごした後、日本に戻っても子供たちを日本の学校には行かせず、インターナショナル・スクールに通わせました。「日本よりアメリカの方がいい大学があるのに、外国にあるからという理由だけで行かない手はない」、「世界中どこでも好きなところで生きていったらよい」と、大学もアメリカの大学へ送り出しました。僕自身もアメリカで子育てをしていて、こういった考えにはとても共感できる部分が多いです。
その他に印象に残った言葉を以下にちょっと記録しておきます。 「アイデンティティーというのは一つでなくてはならないということはなくて、日本人でありながら、平和を愛する地球人であるということもありうる」 「義務教育の『義務』は国が国民に対して負うている義務であって、国民が国に対して負うているのではない」 「学問は芸術と同様、その本質において国境を持たない」 「外の世界に飛び出して『他流試合』をして自分をより鍛えよう」 「日本文化をも英語で語れる人たちがどんどん出てくることによって、他の国の人々との相互理解が確実に推進される」 |