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子育て・教育(1)





「バイリンガルの子供たち」 [NEW]

著者・発行唐須教光 丸善ライブラリー 1993
感動度☆☆☆実用度☆☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆☆
感 想この本には、バイリンガルとして育てられた筆者の子供たちの記録が書かれています。それと共に日米の教育の違いや、日本の高等教育を国際化するための大胆な提言も載っていて、大変興味深かったです。筆者は社会言語学者で、アメリカの大学で何年かを過ごした後、日本に戻っても子供たちを日本の学校には行かせず、インターナショナル・スクールに通わせました。「日本よりアメリカの方がいい大学があるのに、外国にあるからという理由だけで行かない手はない」、「世界中どこでも好きなところで生きていったらよい」と、大学もアメリカの大学へ送り出しました。僕自身もアメリカで子育てをしていて、こういった考えにはとても共感できる部分が多いです。

その他に印象に残った言葉を以下にちょっと記録しておきます。
「アイデンティティーというのは一つでなくてはならないということはなくて、日本人でありながら、平和を愛する地球人であるということもありうる」
「義務教育の『義務』は国が国民に対して負うている義務であって、国民が国に対して負うているのではない」
「学問は芸術と同様、その本質において国境を持たない」
「外の世界に飛び出して『他流試合』をして自分をより鍛えよう」
「日本文化をも英語で語れる人たちがどんどん出てくることによって、他の国の人々との相互理解が確実に推進される」



「行儀よくしろ。」

著者・発行清水義範 ちくま新書 2003
感動度☆☆実用度☆☆☆☆
娯楽度☆☆☆ファッション度☆☆☆
感 想ちょっと変わった教育論でしたが、なかなか納得できる部分も多かったです。筆者は、最近よく言われている「日本の児童生徒の学力低下は、大した問題じゃない」という。学力は知力の一部であり、本当に問題にすべきなのは、様々な能力を総合した知力の方であると訴えています。これには全く同感です。さらに筆者は、オリンピックでどういう応援をするかとか、道を聞かれたらどう答えるかとか、困っている人をどう助けるかとか、そういう生活習慣の美や、正しい日本語や日本文化の継承を可能にするのが教育の役目だと言っています。これを一言で表現すると、「行儀よくしろ」となるのだそうです。かつて日本人は、どこへ行っても本当に行儀がよかったのだと思います。最近は、お行儀の悪くなった日本人が増えたのでしょう。「行儀よくしろ」と、僕も自分で自分に時々言い聞かせようと思います。



「育てたように子は育つ」

著者・発行相田みつを・佐々木正美  小学館 1999
感動度☆☆☆☆実用度☆☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆☆
感 想初めて相田みつをの詩を見つけたのは、大学時代です。東京は文京区の小さな居酒屋の壁に、相田みつをの詩が書かれた色紙がかかっていました。それ以来、彼の詩をいろんな場所で見つけるたびに、何とも不思議な思いをしました。心が温かくなるのに、でも何となくせつないような、そんな気持ちです。

この本は、主に「子育て」に関する相田みつをの20の詩と、その解説からなっています。解説を寄せているのは、児童精神科医の佐々木先生という方です。「トマトはトマトのままでいいんだ。メロンになろうとしなくても」という最初に出てくる詩は、SMAPの「世界に一つだけの花」と通じるものがあります。この本を読んで、子育てに関する心構えだけでなく、何か人生の心構えを教わったような気持ちになりました。だから、子供がいる人にもいない人にもお薦めです。



「家族の絆」

著者・発行鈴木光司  角川文庫 1998
感動度☆☆実用度☆☆☆
娯楽度☆☆☆ファッション度☆☆☆
感 想コロンボのヒルトンホテルにあるミニ図書館で借りた本です。作家の鈴木光司氏が、自らの体験を基に「子育て論」を語っています。鈴木氏は作家として売れる前、教師の奥さんに養ってもらっていたため、子育てはもっぱら彼の役目だったそうです。その経験から、父親ももっと子育てをするべきだと訴えます。日本の家庭は一般的に母性が強すぎて父性が弱すぎるのだそうです。このバランスの悪さが、子供の精神的発育にとってよくないということです。「キレる」こどもが増えているのも、小さい頃に親の愛情が足りなかったせいだとも言っています。出張ばかりで家にいない僕にとって、この本にはいろいろ考えさせられることも多かったです。僕も少しは鈴木氏を見習って、もっと娘達との触れ合いを大切にしたいと思います。

ちなみにこの鈴木氏は、「兼業主夫作家」とか「文壇最強の子育てパパ」などと呼ばれ、政府の諮問機関である「少子化への対応を推進する国民会議」の委員も務めたそうです。



「オーストラリアの小学校に子どもたちが飛び込んだ」

著者・発行柳沢有紀夫  スリーエーネットワーク 2002
感動度☆☆☆実用度☆☆☆
娯楽度☆☆☆☆ファッション度☆☆☆☆
感 想僕の住んでいたブリスベンに移住した柳沢さんの本です(とは言っても面識はないのですが)。「子連れ移住のトホホとワハハ!」という副題が付いています。英語が話せずにオーストラリアにやって来て、小学校に入学し、かなり苦労をしながらも、たくましく成長していく著者の子供たちの様子を軽快な文章で綴っています。受けを狙い過ぎてチョット軽すぎるところもあるけど、かなり楽しめます。著者は、子供たちと過ごす時間を大切にするために、オーストラリアに移住したそうです。その経緯を記した「フルタイム・パパ」という後書きには、ホロリとさせられます。自分も将来、柳沢さんのように物書きをして「フルタイム・パパ」になりたいなあと思う今日この頃です。

さて、この本のもうひとつの読みどころは、日本とオーストラリアの教育の違いについて、さりげなく指摘している点です。そういう文章を、以下にちょっと抜粋しておきます。
「成績表とは先生からの評価を一方的に承る『通達』ではなく、先生と親が子どもの学力について共通認識を得るための『叩き台』なのである。」
「(子どもに対して)できるだけ否定形は使わないように。」
「一年生でアルファベットの書き方と発音の仕方を教えることは、州政府のカリキュラムで決められているが、『どうやって覚えさせるか』は先生方の腕の見せ所なのである。」
「オーストラリア人がプレゼンテーションがうまいのは、幼稚園のときから、自分の言いたいことを人に効果的に伝える方法を実践的に学ぶから。」
「日本では、覚えた『結果』が重要である。一方オーストラリアでは『過程』が重要である。」
「ホームワークとは、『子どもがホームで行うワーク』という意味ではありません。『子どもの未来のためにホーム全体がワークすること』という意味です。」



「宇多田ヒカルの作り方」

著者・発行竹村光繁  宝島社新書 1999
感動度☆☆実用度☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆☆☆
感 想題名にひかれて買ってしまった本です。何も自分の娘を、宇多田ヒカルのようにしようとは思ってませんが、私は自分に「絶対音感」があると思っている(カラオケでオリジナル・キーじゃないと、妙に気持ち悪い)ので、娘たちも「絶対音感」があるはずです。読み物としては、専門的な音楽の話が多く、いまいち楽しめませんでした。ただ、宇多田ヒカルを作り出すには、「バカ親ではなく、親バカであり続けること」というエピローグは、なるほどと納得させるものがあります。「親と子供で楽しく過ごす時間だけは、CDが何百万枚売れたとしても、二度とやり直すことができない」という最後の一文は、何かとても含蓄がありました。


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