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旅行記・海外関係(2)





「無境界家族(ファミリー)」 [NEW]

著者・発行森巣 博  集英社文庫 2000
感動度☆☆実用度☆☆
娯楽度☆☆☆ファッション度☆☆☆
感 想ブリスベンでクィーンズランド大学のKAZUさんにいただいた本です。著者はオーストラリアに拠点をおくプロのギャンブラーで、学者としての超多忙なイギリス人妻と、15歳で大学に通い始めた天才息子を持つ。どうしてこの著者がこんなに凄い学者と結婚できたのかは、この本を読めば読むほど謎です。著者はオーストラリアの教育制度とかジェンダーに関しては結構いい事を言っていますが、でもはっきり言って不思議な本でした。学術書や古典からの引用があったかと思うと、次の行では下品な下ネタになったり、教育論から文化論へ、経済からジェンダー、そして家族の話からばくちの話へと話題がぶっ飛びすぎる。著者としては、どれも不可欠なストーリーなのでしょうが、僕としては少々読みにくかったです。

ところで、この本に面白いクイズが載っていました。「父親と息子が乗っていた車が交通事故に遭い、父親は死亡し、息子は頭部を強打して脳神経外科の手術ができる大病院に運ばれた。この病院には、幸いにして同じような手術を何度も経験し、この分野の権威と呼ばれる著名な脳外科医がいた。一刻を争う緊急事態で、即時に脳切開手術の準備が整えられ、この脳外科医が手術室に入った。ところが患者を見た途端にこの脳外科医は取り乱し、『この患者は私の息子である。だから私には手術ができない』と言った。」さて、この脳外科医と患者の関係は如何に?答が分かった人はゲストブックにでも書いて下さい。でも、この本を読んだことのある人は黙っててね。



「すっぴんスチュワーデス 教えてあげる!」

著者・発行静月透子  祥伝社黄金文庫 2000
感動度実用度☆☆☆
娯楽度☆☆☆ファッション度☆☆☆
感 想現在宿泊中のコロンボ・ヒルトンホテルには、日本人の宿泊客が残していった本を集めたミニ図書館があります。そこから借りて読んだのがこの本です。国内線スチュワーデスの著者が、スチュワーデスの笑顔の裏にある本音を軽快に語っています。ちょっとくだらないんだけど、まあ許しましょう。「スチュワーデスへの上手な名刺の渡し方」なんていうのも書いてあって、今度是非とも実践してみたいです。それからスチュワーデスさんは、ボタン付けや染み抜きもやってくれるんだそうですよ。こっちも頼んでみようか。

この本を読んで、やっぱりスチュワーデスさんって、子供連れの乗客や、うるさい人やオバタリアンやサービス中に席を立つ人が嫌いなんだってよ〜く分かりました。でも、日本のスチュワーデスさん達の偉いところは、いつも笑顔を忘れず、「嫌だ」という態度を見せないところですよね。どこかの国のスチュワーデスさん達も見習ってほしいです。



「馬を食べる日本人 犬を食べる韓国人」

著者・発行鄭 銀淑  ふたばらいふ新書 1999
感動度☆☆☆実用度☆☆☆☆
娯楽度☆☆☆☆ファッション度☆☆☆☆
感 想この本は、日本に留学した経験を持つ韓国人著者による、日本と韓国の比較文化論です。読みやすくて結構お薦めです。トピックの選び方や文章の感じが、僕の「ブリスベン通信」や「ワシントン通信」に似ていて、親近感を覚えました。

題名にあるように、「日本人からみたら犬を食べる韓国人は驚きだけど、韓国人にとっては馬を食べる日本人の方がよっぽど信じ難い」とか、「同じ漢字を使っていても『愛人』や『処女』の意味は日韓で異なる」とか、「韓国の大学には『キムチ学科』がある」とか、「韓国には苗字の種類が少なく、五人に一人が『金(キム)』さんだ」とか、「韓国では接待で飲み過ぎて健康を害した場合にも労災が適用される」とか、「韓国にはメガネをかけた芸能人が多いので、メガネ産業が発展している」とか、面白くて肩のこらない話題が多いです。そういえば、この間訪れたソウルで見つけた観光パンフレットに、やたらにメガネ屋さんの紹介が多かったのは、そういう訳だったんですね。この本を読み終えて、ますます韓国のことが知りたくなりました。馬を食べたことのある人もない人も、犬を食べたことのある人もない人も、この本でお隣韓国の様々な生活文化を覗いてみませんか。



「イラクの小さな橋を渡って」

著者・発行池澤夏樹(文)・本橋成一(写真)  光文社 2003
感動度☆☆☆☆実用度☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆
感 想「もしも戦争になった時、どういう人々の上に爆弾が降るのか、そこが知りたかった」という作家・池澤氏が、昨年の秋にイラクを訪れた際の写真つきリポートです。メディアが伝えない普通のイラクの人々に焦点を当てていて、好感が持てます。彼が現地で知り合った普通のイラク人は、実に明るく、そしておそろしく親切だったそうです。

戦争が始まった今、この本に写っているイラクの人々は果たして大丈夫だろうか。この写真のこの子は、今どうしているのだろうか。彼らがこの戦争を生き延びてほしい、と願わずにはいられません。池澤氏は、「イラクは民主主義国家ではないが、それはまずもってイラク国民の問題であり、他国が武力を使ってまで是正すべきことではない」と書いています。ブッシュは「イラク国民を解放する」とか、「イラクに民主主義をもたらす」とか言っていますが、本当にそんなことは可能なのでしょうか。外から強制された西洋型民主主義が果たしてイラクで機能するのでしょうか。民主主義は、それを求める内からの改革がなければ根付かないような気がします。

池澤氏はあとがきで、「この戦争を止められなかったら、次の戦争も止められないだろう。国際政治を動かすのは、議論ではなく武力ばかりになるだろう。」と述べています。武力ではなく、議論で。武器ではなく、言葉で。国際社会は、もう一度この戦争をやめさせる努力をするべきではないでしょうか。ブッシュにも小泉にも読ませたい一冊です。



「知らないと損するエアライン<超>利用術」

著者・発行杉浦一機  平凡社新書 2001
感動度実用度☆☆☆☆
娯楽度ファッション度☆☆☆
感 想格安チケットのしくみ、機体の安全性、エアラインのサービス、マイレッジの使い方などなど、飛行機に乗る人は知っておいた方がお得な情報満載です。ただ、ここ10年ほど毎年地球を何周もしている僕にとっては、あんまり新しい情報はありませんでした。自分の一番の関心事は、やっぱり安全性です。過去の事故率や、機体の年齢、運航と整備の基準といったデータを基にした、世界のエアライン477社の「安全度ランキング」というのがあるんだそうです。それによると、安全のベスト3はエア・カナダ、アンセット・オーストラリア(去年倒産)、カンタスだそうで、全日空は12位、JALは18位となっています。反対に一番危険なのはエア・グルジアで、ワースト20のうち旧ソ連地域のエアラインが10社を占めているということです。アジアのワースト3は大韓航空、中華航空、ガルーダ・インドネシアだそうで、僕は以前しばしば「ガルーダ」に乗っていましたが、危ない目に遭ったことはありません。この本によると、乗客にできる安全対策は、(1)非常口の近くに座席を指定してもらうこと、(2)シートベルトを常に腰の低い位置で締めておくこと、(3)防煙頭巾を用意しておくことくらいだそうです。

さて、ある経済誌がまとめたサービス面で人気の高いエアラインは、ベスト3がJAL、全日空、シンガポール航空だそうです。ワースト3は、ノースウェスト、ユナイテッド、アエロフロートということです。僕の個人的意見を言わせてもらえば、ベストは全日空かシンガポール航空ですね。タイ航空やキャセイ・パシフィックなども、まあまあです。あと国際線はありませんが、オーストラリアのヴァージン・ブルー航空もいいですね。JALでは何度かイヤなことがあったので、いまだにその悪い印象が残っています。カンタスも最悪でした。一回でもイヤなことがあると、そのエアラインはもう利用したくないなあと思ってしまいます。僕は、アメリカのエアラインもできるだけ避けるようにしています。サービスは最悪だし、機内食はまずいし、そして何よりもテロの標的になる恐れがあるからです。とは言っても、目的地によっては選択肢がない場合もあります。乗りたくなくても、パキスタン航空やビーマン・バングラデシュ航空に乗らなければならない時もあるわけで、そういう時は腹をくくって、ひたすら無事に着陸することを祈るしかありません。


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