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政治・行政





「内閣総理大臣〜その力量と資質の見極め方」

著者・発行舛添要一  角川ONEテーマ21 2002
感動度☆☆実用度☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆
感 想2001年の参議院選挙で比例区トップ当選を果たした自民党・舛添氏の本です。なんか、政治学とリーダーシップ論の教科書のような本でした。でも、この本が一貫して主張しているのは、「小泉首相は無能だからやめろ」ということです。政治は「貴業」であり、政治家は真の「エリート」であるべきだとし、小泉首相や田中前外相などの異常な人気を「テレビ・ポリティクス」の危険な一面だと警告も発しています。彼の言う「国民が自らの政治レベルを上げなければ、日本の政治は低い水準に留まり続ける」というのは、もっともな意見ですが、ちょっと与党の政治家としては無責任な気がしました。巷で言われているようなことばかりで、はっきり言って、この本からはあんまり新しい発見はありませんでした。

最後に、舛添氏の考える「政治指導者に必要な資質」というのを列挙しておきます。
[普遍的要素]
1.ヴィジョン提示力
2.歴史と哲学の素養
3.人心掌握力
4.組織力
5.経験

[今日的要素]
6.危機の認識と危機管理力
7.カリスマ性
8.テレビ・ポリティクス
9.国際性
10.IT適応力



「税金って何だろう」

著者・発行大前研一  ダイアモンド社 1996
感動度☆☆☆実用度☆☆☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆
感 想やっぱり大前研一の政策はいいですね。KAZUさんがのめり込むのも分かるような気がします。この本には「哲学のない税制が日本をダメにする」という副題がついていて、諸外国と比べながら日本の税制の問題点を鋭く指摘しています。大前流・税制改革の試案も載っていて、勉強になりました。「日本は、いわゆる税金は安いが、社会保障費、財投や国債などのツケ、見えない税金である物価が高い。こういうものを全てひっくるめて税金と見なすべき」とか、「日本の消費税は5%で、他の先進国より低いという議論があるが、物価が40%も高いので、消費税と物価をセットで考えるべき」というのは、生活者の視点から全く同感です。そう言えば、オーストラリアの消費税であるGSTは確か10%ですが、物価が安いために重税感が全くありません。「国と地方の財源と権限を明確にし、国が集めて地方にバラマクより、地方が集めて国に上納するべし」というのも僕の意見と同じです。各自治体が税収を上げるアイデアを競い、健全な財政運営を行う努力をすることによって、地方の活力や行政能力の向上が生まれるのだと思います。最後になりますが、透明で効率的かつ効果的な税金の使い方をしてくれれば、少しくらい税金が高くてもいいんですよ。でも、外交機密費のように不透明な使われ方をしたり、莫大なODAが汚職の温床になっていたり、全く経済効果がなく維持管理費で財政を圧迫するだけのハコモノやインフラが建設されたり、という垂れ流し的な税金の使い方が、今の日本に蔓延っていると言わざるを得ません。税金の集め方と税金の使い方の両方を、抜本的に改革するしかないと思います。ねえ小泉さん、そう思いませんか。



「住民投票」

著者・発行今井 一  岩波新書 2000
感動度☆☆☆実用度☆☆☆☆
娯楽度☆☆☆ファッション度☆☆☆☆
感 想住民投票は大好きなテーマです。日本も、もっともっと住民投票をやればいいと本気で思っています。この本は、巻町、沖縄県、御嵩町、名護市、徳島市などで今まで実施された住民投票を振り返り、これからの住民投票のあり方を提言しています。「観客民主主義を超えて」という副題がついていて、政治家や官僚に任せっきりではなく、「市民自らが観客席からグラウンドに降りてプレーしなければいけない」と、筆者は呼びかけています。まったくその通り。住民投票を実施した自治体の市民は、総じて「よく学び、よく考え、よく話し合った」そうで、投票案件について真剣に勉強したり、民主主義について真面目に考えたりするそうです。正にこういう点にこそ、住民投票をやる意義があるのかもしれません。

しかしながら日本では、市民が一定数の署名を集めて住民投票を直接請求しても、自治体の議会により否定されることが実に多いのです。どうして、日本の議会というのはこうも民意を反映していないのでしょうか。住民投票は、そもそも「議会の欠陥を是正するため」にあるのに、その実施を議会に諮ること自体に矛盾を感じます。幸い、「署名の数に応じては、議会の議決を経ずに住民投票が実施でき」たり、「得票数の多さによっては、住民投票の結果に拘束力を持たせる」といった法制化の動きがあるそうです。これに期待しましょう。

住民投票に関して、ひとつだけ気になるのは、投票の単位をどうするかという問題です。その自治体のみの予算支出を伴う施設立地などの可否を決める住民投票は、自治体単位でいいと思います。ただ、国の施設あるいは民間の施設、特に、その施設の被害と恩恵が一自治体を超える場合は、立地する自治体でのみ住民投票を行うのは少し問題があります。あるいは、ひとつの自治体の行政区域を超えて、もっと広い地域の財産となっている自然環境を守れというような住民投票もあるでしょう。これはかなり難しい問題ですが、この本の中では全く考察されていません。現実的には、今のところ自治体単位でやるしかないんでしょうね。



「大前研一 敗戦記」

著者・発行大前研一  文藝春秋 1995
感動度☆☆☆実用度☆☆☆☆
娯楽度☆☆☆☆ファッション度☆☆☆
感 想大前さんの本を読んだのは超久しぶりでした。「大前フリーク」のKAZUさんに、「東京都知事選落選後の本はありますか」と貸してもらったのがこの本です。95年の都知事選と続く参議院選敗北の記録が詰まっています。もうかなり前の話ですが、はっきり言って面白かった。都知事選に青島幸男や岩国哲人などいわゆる無党派候補が乱立し、それを一本化しようとした裏話は傑作でした。特に、メリルリンチの副社長だったという岩国さんの経歴問題をあばくあたりは、さすがですね。おそらく、僕が東京都民だったら、大前さんか岩国さんのどちらかに投票していたでしょうが、これを読んだ後は断然大前さんですね。選挙に負けて人間味も増したようです。「急がば回れ」と題した最終章は、何か数年前の自分のことのようで、親近感が沸きました。今後とも、大前研一に注目してみたいと思います。



「図解・行政改革のしくみ」

著者・発行並河信乃  東洋経済 1997
感動度☆☆☆実用度☆☆☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆
感 想数ある「行革」ものの中でもお薦めなのがこの一冊です。図と解説で、「霞ヶ関改革」から「地方分権」までを非常にわかりやすく論じています。並河さんの論調は、私の意見とほとんど同じです。うん、そうだ、そうだ、と思わずアンダーラインをたくさん引きながら読んでしまいました。「意欲のある自治体にだけでも自治決定権を与えるべき」とか、「中央省庁からの出向者が自治体職員の人材育成を阻んでいる」とかは、私が常々主張していることです。「真の行政改革」を目指す人には必携のバイブルと言っても過言ではないでしょう。



「知事」

著者・発行橋本大二郎  平凡社新書 2001
感動度☆☆実用度☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆
感 想「知事には行政手腕などいらない」という帯に引かれて買った高知県知事の本です。はっきり言って、私には期待はずれでした。内容が無難過ぎます。このくらいじゃないと、一般受けしないんでしょうか。私はもう少し過激な自治体改革論の方が好きなのですが。本の中に、「自治省から高知県庁へ出向の小宮課長」というのが出てきます。これって、私の後輩のあのサウスポーの小宮君ですかねえ?誰か知っている人がいたら教えてください。確か私の後輩の名前は「小宮大一郎」。高知県知事の名前はご存知「大二郎」。もしかして、「大○郎」つながりで橋本知事に引っ張られたのでしょうか。



「加治隆介の議」(1)〜(10)

著者・発行弘兼憲史  講談社漫画文庫 2000
感動度☆☆☆☆実用度☆☆☆
娯楽度☆☆☆☆ファッション度☆☆☆☆
感 想ほとんど漫画を読まない私が、ある人に薦められて、急きょアマゾンコム・ジャパンで全10巻買い(送料がめちゃくちゃ高かった)、5日くらいで一気に読破しました。この政治漫画、永田町の若手政治家の間でかなり流行っているそうですよ。結構面白かったけど、時代背景がちょっと古いような気がしました。「議」とは、主人公・加治隆介の出身地の鹿児島では「理屈」という意味だそうで、「地元への利益誘導は一切しない」、「国会議員の仕事は外交、防衛、経済、教育、福祉だ」、という理屈を貫く異色政治家・加治隆介が、初当選してから総理になるまでの軌跡が描かれています。永田町界隈では、この漫画のドラマ化を目指す議員の会まであるそうです。それにしても、この漫画に登場する政治家のほとんど全てに愛人がいるんですが、実際に政治家の愛人って多いんでしょうか?



「立候補者をみきわめる公開討論会の開き方」

著者・発行小田全宏  毎日新聞社 2000
感動度☆☆☆☆実用度☆☆☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆☆
感 想2000年の秋、ワシントンで大統領選に向けたブッシュとゴアの討論会を見ていて、日本にもこういう候補者同士の討論会が根付かないものかなあと、漠然と思っていました。ブッシュとゴアの討論会は、形式を変えて3回行われ(コーディネーターとの一問一答形式、ディベート形式、客席の一般国民との対話形式)、その都度全米に生中継されました。その後、アマゾン・ジャパンでたまたま見つけたのがこの本です。さっそく取り寄せて読んでみると、何と日本でも「リンカーン・フォーラム」というNGOが公開討論会を推進していて、全国で既に何百回も行われていると言うではありませんか。読み終えてすぐ、本に載っていたウェッブサイトにアクセスし、さらに最近の情報を知って唖然。なんと我が青森県だけが全国で唯一、公開討論会未開催だし開催の予定も全くないというのです。これは何とかしようと思い、リンカーン・フォーラムにEメールを出し、その後も連絡を取り合い、今年の3月、東京に事務局長の内田さんを訪ねました。ワシントンに戻ってから、地元八戸の人たちに片っ端からEメールを送り、秋の八戸市長選での公開討論会の開催を呼びかけました。ということが、全てこの一冊の本に出会ったことから始まったのです。この本は、討論会開催に必要なあらゆるノウハウがぎっしり詰まっています。実用度満点の完璧なマニュアル本と言えるでしょう。



「大臣」

著者・発行菅直人  岩波新書 1998
感動度☆☆☆実用度☆☆☆☆
娯楽度☆☆☆ファッション度☆☆☆
感 想日本の閣議が、事務次官会議の単なる追認機関に過ぎないということを暴露した貴重な本です。国会議員が正式に政府の見解を質す「質問趣意書」というものの存在も、私はこの本で初めて知りました。菅直人は好きな政治家のひとりです。少なくともあそこの党首よりは、全然いいですよね。菅さん、例の件で質問趣意書出してくださいよ。



「亡国の徒に問う」

著者・発行石原慎太郎  文春文庫 1999
感動度☆☆☆実用度☆☆☆☆
娯楽度☆☆ファッション度☆☆☆☆
感 想良くも悪くも、日本には珍しく強力なリーダーシップを発揮する「裕次郎の兄」の本です。過激な極論も多いですが、正論も多い辛口の評論集です。「地球は生きのびられるか」という章では、エベレストで大量の酸素ボンベの殻を見たり、地球の死点のような太平洋の水域で、大きな黒いビニールの覆いを鯨と見間違ったりといった石原氏自身の経験から、地球の未来を憂いています。ただ、尖閣諸島などの問題や、戦争責任などの歴史認識では、ちょっと私の考えと隔たりがあります。


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