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第7章 インドネシア語のすすめ




7.インドネシア語のすすめ

 インドネシアに来ると、「ティダアパアパ」という言葉をよく耳にする。何か失敗をしたり、相手に迷惑をかけたと思って謝ると、笑顔と共に「ティダアパアパ」が返ってくる。あえて日本語に訳すとすると、「どうってことない」とか、「気にしない」ということになろうか。インドネシア人の寛大で楽天的な気質をとてもよく表している言葉である。あくせくしている日本人なら血相を変えて怒鳴られそうなことも、この国では「ティダアパアパ」と水に流してくれる。無頓着だとか暢気すぎるという御批判もあろうが、私は人間的な暖かさを感じるこの言葉が大好きである。東京で日本語を学ぶ中国系インドネシア人のワシーは、「日本人はロボットのようだ」と言ったが、いつも時間に追われてカリカリしている我々日本人も、たまには人間らしく「ティダアパアパ」と肩の力を抜きたいものである。この「ティダアパアパ」は、タイの「マイペンライ」や韓国の「ゲンチャナヨ」にも通じるところがあろう。

 インドネシア語は、インドネシア人に言わせると世界で最も簡単な言語のひとつである。なるほど時制も、格変化もなく、単語の意味さえ覚えれば、それをつなぎ合わせることによってコミュニケーションができてしまう。オランウータンは「オラン」が「人」、「ウータン」が「森」というインドネシア語(マレー語)で、「森の人」の意味であるというのはあまりにも有名である。ちなみに「オランジャパン」で「日本人」という意味になる。インドネシア語は、世界でも有数の人口を誇るインドネシア共和国の国語であり、マレー語ともほとんど同じであることから、マレーシア、シンガポール、ブルネイでも通じる。これはもう、アジアのみならず世界の主要言語のひとつであると言うことができるのではないか。

 現在、世界の国際語は紛れもなく英語である。これはなにも英語が特別に優秀な言葉だからでも、学びやすい言語だからでもない。かつてイギリスが大英帝国の威勢を世界中に振るい、今アメリカが世界一の強国であることと無関係ではない。地球上で一番多くの人に使われている言葉は、疑いもなく中国語であるし、国際語を目指して考案されたエスペラント語という言葉もある。しかし私は、是非インドネシア語を国際語にしていただきたい。それは、国際語の条件は、できるだけ簡単に習得できることだと思うからである。アルファベットで綴られるので、欧米でも受け入れられやすいことであろう。せめて、ドイツ語、フランス語が幅を利かせている大学の第二外国語で、インドネシア語が選択できるようになってもいいのではないであろうか。(第7章終わり)

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