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アジアやアフリカへの理解を深めよう




八戸国際交流協会ニューズレター「りんぐりんぐ」第4号(1999/3/15)より

 昨年11月22日から三日間にわたり、八戸市のラピアで、写真展「アジア・アフリカの子供たち〜21世紀へよりよい地球の担い手たち」(主催:八戸青年会議所、共催:ラピアおよび八戸国際交流協会、撮影:慶長寿彰)が開催された。会場ではアジア・アフリカに関するアンケートも同時に行われた。回答数が多くなく、統計的に意味のある結論は導きにくいものの、八戸地域の人々がアジアやアフリカをどのように見ているのか、興味深いアンケート結果がまとまった。なお、アンケートに協力していただいたのは、9歳から59歳までの40人であった。

 写真展では、バングラデシュ、パキスタン、エチオピア、エリトリア、ジブチという5カ国の写真が展示されたが、回答者の8割がバングラデシュ、パキスタン、エチオピアについては知っていると答えた反面、エリトリアとジブチを知っていると答えた人は、いずれもほんの数人だけであった。これらアジア・アフリカの国を知っていると答えた人も、「国名を知っている程度」、あるいは「貧しいということを知っているだけ」という回答が圧倒的で、アジアやアフリカが「貧困」という一元的なイメージで捕らえられているという実態が明らかになった。

 「世界中で一番行ってみたい国は?」という質問の答えは、やはりアメリカが一位で、二位にはエジプトが入った。アジア・アフリカで行ってみたい国は、中国、エジプト、インドの順で、その理由に遺跡や文化遺産を挙げる人が多く、八戸地域の人々が歴史や文化に造詣が深いことをうかがわせる結果となった。

 「アジア・アフリカの有名人」を聞いた質問では、無回答の人が約半数であったが、挙げられた有名人は多い順に、ロバ(4人)、サンコン(3人)、アベベ(3人)、ガンジー(3人)と続いた。アトランタ五輪の女子マラソンで金メダルを獲得したエチオピアのロバ選手や、テレビでタレントとして活躍するギニア出身のサンコンさんが上位を占めるあたりは、テレビの影響がとても強いことを示唆している。全体的な傾向として、アジアやアフリカのスポーツ選手を挙げた人が最も多く、次いで政治家、芸能人の順であった。

 アジア・アフリカと一口に言ってみても、そこには様々な国、宗教、文化、人種があり、様々な生活様式がある。アジアとアフリカをひとくくりにして語るのも望ましいことではないが、あえて欧米との対比ということで、今回このような写真展とアンケートを試みた。動機のひとつは、欧米偏重の教育、マスコミ報道、国際交流が進む中で、発展途上国と呼ばれるこれらの地域に対する理解がおろそかになっているのではないかという危惧である。ある調査によれば、戦後の日本の小学校の教科書に登場した人物ベスト100の内訳は、エジソンやナイチンゲールなど欧米人が58人、湯川秀樹ら日本人が41人、日本を除くアジア人はガンジーただ一人で、アフリカ人にいたってはゼロである。カリフォルニアの大地震で数百人が犠牲になると大ニュースだが、バングラデシュで台風と洪水により数千人が犠牲になっても、大してマスコミには取り上げられない。こういった歪んだ状況を是正して、少しでもアジアやアフリカに対する理解を深めるには、やはり教育の影響が大きいと言わざるをえない。地域でできることも多いのではないであろうか。とりあえずは、現在白人が大勢を占めている英語指導助手に、アジア人やアフリカ人(あるいはアジア系やアフリカ系)を積極的に採用することから始めてみてはどうであろうか。英語を学ぶ目的のひとつが、国際語の習得にあるとすれば、アメリカ人やイギリス人の話す英語ばかりではなく、アクセントや発音の異なるインド人やケニア人の話す英語にも触れる必要があるのではないだろうか。 (慶長寿彰)



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