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国際機関への就職に関するQ&A
(2003/10)


2003年の7月からゲストブックに寄せられた「国際機関への就職」に関する質問と、それに対する自分なりの答えを、こちらにまとめて記録に残すことにしました。私の知識と経験の範囲内で最善の答えをしているつもりですが、私の答えが100%正しいという保証はありませんのでご了承ください。これを読んでまだ質問がある人や、国際機関勤務の経験者などでコメントやさらなるアドバイスがある方は、是非ゲストブックへご記入ください。


JPO選考試験の面接について
Q: JPOの面接のことを書きますとお約束してながら遅く なってしまってごめんなさい。もう今年の面接は終わってしまったかしら。。。10/13にイスラマバードに着いて、やっぱり時間の流れ方がゆっくりだし余裕があるので、日本にいた時は何でだか分からないけど慌しかったなあと思っています。東京ってそういうところ、ありますよね。

 さて、本題。私が面接したのは1年前のことなので、記憶もあやふやなのですが、3人面接官がいて、最初の15分〜20分くらい日本語、10分くらい英語、最後にまた日本語で少し話して全体で30分くらいでした。聞かれたことで印象に残っているのは、下記の3つです。

 面接の前に渡すシートに記入してある「今まで他の国際機関を受けたか」、という質問に「IFADの公募で、ショートリストまで残って電話面接をした」旨記載していたら、その面接の内容を聞かれました。現在の職場で何が嫌かと聞かれて「官僚的なところ」と答えたら、「IFADも官僚的なんだよ」、と苦笑されたことを話したらそれはそうだ、と全員笑っていました。

 これは英語でだった気がしますが、自分の欠点について聞かれたときに「短気で怒りっぽいところ」といったら、「全然そんなふうに見えない、ずっとニコニコしているし」と言われました。確かにずっとニコニコしながら面接を受けていた気がします。良いか悪いかは分からないけど、まあ余裕があるようには見えたみたいですね。

 ひとつ、そんな質問はこれから5年かかっても答えられるかわかんないよ、という「開発」の根本的な難しさに関する質問を受けました。具体的なことは忘れてしまったけど、大学院(Development Management)で学んだことの話をしているうちに、それを実現する上で何が難しいと思うか、 と聞かれて何か答えたら、ではどうしたら良いか、と聞かれたのです。まあ、少し沈黙して考えて、上手く纏められなくてもとりあえず答えた、という感じです。

 だらだらと書いてしまいましたが、やはり基本的なことをしっかり答えられるよう準備して、あとは堂々と振舞えば良いのでは。基本的なこととは、自分が希望する機関のこと、そこで何をやりたいか、大学院で学んだこと、これまでの仕事で学んだこと、自分の長所・短所、国際機関ならではのチームワークに関すること、自分の専門分野における最近の動向や難しさや自分なりの考察、などといった感じです。それでは、また。(たかす)

A: たかすさん、ありがとうございます。イスラマバードに赴任したんですね。身体に気をつけて頑張って下さい。今後ともJPOの情報をリアルタイムで現地からお願いします。

 さて、たかすさんの書き込みを拝見し、「JPOの面接がかなり改善されたなあ」というのが率直な感想です。僕が受けた10年ほど前は日本語だけの面接で、「結婚しても国際機関での仕事を続けますか」とか「両親は賛成していますか」とか、全くトンチンカンな質問ばかりでした。あの当時、外務省にはJPOを選ぶ能力が全くありませんでした。あれ以降、僕らは事あるごとに「JPO選考の面接官には、国際機関の経験者を充てるべき」と主張してきました。そうなったんでしょうか?

 参考までに、世銀のYPP(ヤング・プロフェッショナル・プログラム)の面接で僕が聞かれた質問を二つだけ以下に揚げておきます。これ以外にも専門的なことをビシバシ聞かれました。
「グループによる意志決定と個人による意志決定では、どちらが優れているか?」
「国際機関に日本人が増えないのは何故か?」

世銀(世界銀行)のYPP(ヤング・プロフェッショナル・プログラム)について
Q: 慶長さん、こんにちは。2ヶ月ほど前に世界銀行のYPPについてメールをさせていただいたDC在住のあいです。9月から全く連絡がなかったので、もう駄目なんだろうと思っていたら昨日「書類選考をパスしたから以下の書類を送るように」というメールが届きました!それでできればお会いしてアドバイス等聞けたら、と思ったのですが、なんとブータンにいらっしゃるんですね!日記を読んでいると本当に充実した時を過ごされているようでうらやましいです。書類を見ていると、やはり開発に関する分野の経験を記入する所が殆どでめげていますが、今更仕方がないのでがんばって書類を完成させたいと思います。それでは(あい)

A: あいさん、お久し振りです。世銀のYPPで一次の書類選考を突破したんですね。おめでとうございます。次はさらに詳しい書類審査ですね。それをパスしたら面接です。僕は昨日ブータンからワシントンDCに帰ってきました。来週以降であれば時間がとれると思いますよ。是非お会いしましょう。詳しくはEメールにて連絡して下さい。

 参考までに、YPPで世銀に入った日本人職員のプロフィールを以下にリンクしておきました。僕も載っていますので、よかったら見てください。では。(慶長)
http://www.worldbank.or.jp/06career/01recruit/ypp_jpn.html

国際公務員になるには専門職が有利ですか? 難民保護に関する国際法
Q: 慶長さん、どうも!聞きたいことがあってレスしました。yahooで国際公務員を検索しているときに、「日本人は専門職の方が採用されやすいので、専門職につきたいなら理科系を目指した方がよい」と書いてあるのを発見しました。以前、慶長さんに質問した際に「難民に関する国際法上の仕事をしたいなら、法学部」と教えていただきましたので、それを担任の先生に言ったら「じゃあ、文系だ」といわれたんです。文系(法学部)に進んでも採用される可能性はあるんでしょうか??

 それと、「難民に関する人権や国際法上の仕事」って具体的にはどんな仕事ですか??教えていただいた他の仕事と見比べてみて、私の希望に結構当てはまるものがこの仕事だったんですけども。というわけで、よろしくお願いしますm(_ _)m(Beat Girl)

A: Beat Girlさん、ブータンへ出張していたため返信が遅れたことをお詫びします。さて、国際公務員に関しては「日本人は専門職の方が採用されやすい」のではなく、「専門職でなければ採用されない」と思った方がいいでしょう。その際、文系か理系かは全く関係ありません。文系、理系にかかわらず(音楽や体育、文学などの一部の専門を除く)世界に通用するプロフェッショナルになれば、国際公務員への道は開かれるはずです。

 UNHCRにおける「難民に関する国際法上の仕事」とは、僕が知る限り以下がのようなものがあると思います。まず、「1951年難民の地位に関する条約」や「1967年難民の地位に関する議定書」など難民に関する国際法や条約の見直し、そして、これらへの各国の加入・批准の促進を行います。さらに、必要に応じて新しい難民条約や議定書の策定もするでしょう。その他、難民発生国や難民受け入れ国などの難民保護や難民認定に関する法律を調査・検討して、これらの改正や新たな法律の制定を働きかけたりもするでしょう。また、こういった条約や法律が機能するために、各国政府やNGOを強化したり、その国の司法制度改革への助言なども行っているはずです。参考までにUNHCRのウェブサイトを以下にリンクしておきますので、じっくり読んでどんな仕事があるか調べてみてください。では頑張ってください。(慶長)
http://www.unhcr.or.jp/

マスコミと国家公務員でどちらが有利? 国際公務員と外務省
Q: こんにちは、現在社会学を専攻している大学三年生です。将来国際公務員になりたいのですが、経済的に大学を卒業してすぐストレートに大学院へ行く余裕がありません。奨学金がもらえるほどの成績もなく、私自身一度就職して稼ぎながらもう一度自分の興味や目的をはっきりさせて、大学院へ進学しようと考えています。就職先としては、マスコミ関係か国家公務員を考えています。どちらにしても外交・国際関係に携わりたいのですが、大学院へ通うことや国際公務員として働くことのためにはどちらが有利なのでしょうか?公務員なら外務省か防衛庁に興味があるのですが、国際公務員の採用はどうしても外務省を通しますよね。外務省を退職して国連という選択はどのように受け取られるのかが、心配なのですが。何かアドバイスいただけたら嬉しいです。(みか)

A: みかさん、初めまして。書き込みありがとうございます。「働きながら自分の興味や目的をはっきりさせる」というからには、かなりの長期戦を覚悟しておいた方がいいですよ。国際公務員になるためには、最低でも修士号とそれに関連する職歴が必要となります。そうなってくると、大学院の学費を稼ぐために働いた職歴は、よっぽど大学院の専攻と一致しない限りは専門の職歴とみなされないかもしれません。だから、修士を取った後、国際公務員にトライする前に再びどこかで職歴を積む必用が生じるかもしれません。そうならないためには、今から国際公務員として何を専門にどういうことがしたいのか、という目的をはっきりさせて、それを可能にする職歴と学歴を追い求めた方がいいのではないでしょうか。

 「国際公務員になるために、マスコミと国家公務員とでどちらが有利か」という質問には、残念ながら答えようがありません。みかさんが、国際公務員として何をしたいのかが分からなければ、マスコミや公務員としての職歴がどう活きてくるのかが分からないからです。国際公務員として広報の仕事に携わりたいのなら、マスコミでの経験も使えるかもしれませんけど。

 それから、「国際公務員の採用は外務省を通さなければならない」というのは大きな誤解です。外務省を通すものは、おそらくJPO(見習職員)試験だけでしょう。それ以外は、全くいかなる政府とも関係なく、国際機関が独自に採用試験を行っています。

 最後になりますが、「外務省を退職して国連という選択はどのように受け取られるかが心配」ということですが、ちょっと質問の主旨が分かりません。外務省に文句を言われるということでしょうか?とにかく、誰にどう受け取られようと、自分の人生なのですから、自分のやりたいことを追及することをおすすめします。それでは、頑張ってください。今後ともよろしくお願いします。(慶長)

UNHCRの緒方貞子さん
Q: 早速のアドバイスありがとうございました!!1つの国際機関だけでもたくさんの仕事があるんですね。私が知らなかった仕事もたくさんありました。それで、もう1つ質問があるんです。UNHCRの緒方貞子さんはどのような分野の仕事をしているのですか?私がUNHCRに興味を持ったのが、中学の時に公民で緒方さんの存在を知った時だったんです。その時、私は緒方さんのように現地で活動してみたいと思ったんです(もちろん、現地を訪問するだけではないというのは分かりますが)というわけで、再びよろしくお願いします。(Beat Girl)

A: Beat Girlさん、再びありがとうございます。緒方貞子さんは、難民高等弁務官としてUNHCRのトップだったわけですから、前回述べたようなUNHCRの様々な活動に対して最終的な責任を負う立場にいたのです。組織のトップですから、UNHCRの中長期的な方向性を決めたり、組織の重要な意志決定をリードしたり、重要ポストの人事案件に関わったり、ファンド・レイジングのためにUNHCRをPRする前面に出たり、難民受け入れ国や難民を出している国の首脳と政治的な交渉をしたり、難民支援のために協力が必要な他の国際機関などと調整をしたりしていたでしょう。こういう重要な仕事は、当然現場を知らなければできないので、多くの難民キャンプなどを訪れて、実際の難民と触れ合うこともしていたはずです。緒方貞子さんに関しては、いくつか本が出ていますので、是非そちらを一読されることをお薦めします。ちなみに、「慶長の本棚」のページにも一冊あります。それでは、将来、緒方貞子さんのように、第二の日本人難民高等弁務官になってください。応援します。(慶長)

A: はじめまして♪慶長さんの所に居候(?)させてもらっている吉川です。(笑)緒方さん関係の本は「慶長の本棚」にある『緒方貞子という生き方(KKベストセラーズ)』とか、最近になって緒方さん著書の『私の仕事(草思社)』が最近では手に入りやすいです。前者では緒方さんの半生がよくわかります。後者は緒方さんの考えがよくわかってどちらともおもしろいので読んでみてはどうでしょうか?僕も将来は世界銀行やUNICEFで働きたいと思ってるんで一緒に頑張りましょう!!(吉川 遼)

国際公務員になるには何学部で学べばいいか、UNHCRに入るには?
Q: 初めて投稿します。私は普通高校に通う1年生です。私は以前から国際公務員に興味があり、特にUNHCRに入りたいと思っています。しかし、国際公務員になるには大学のどの学部で学べばいいのか、どうすればUNHCRに入れるのかという情報が調べても詳しいものが見つからないので困っています。もう少しすると、文理選択の時期になってしまうので、早く学ぶ方面をしっかりと決めて、目標の大学を決めたいのです。というわけで、慶長さん、アドバイスをよろしくお願いします。(Beat Girl)

A: Beat Girlさん、初めまして。書き込みありがとうございました。早速ですが、「国際公務員になるためには、どの学部で学べばいいか」という質問の答は、「あなた次第」というしかありません。例えば、UNHCRの難民支援を例にしても、様々な分野の仕事があります。難民を医療・保健面で支援したいなら医学部、難民の人権や難民に関する国際法上の仕事がしたいなら法学部、難民のうち女性難民保護に関する仕事を専門にしたいなら社会学やジェンダー学、難民の栄養改善や食糧支援をしたいなら栄養学、UNHCRで人事や予算管理に従事したいなら国際行政学などなどといった具合です。ちなみにこの僕も、以前UNHCRからモザンビークとリベリアのポストをオファーされたことがあり、職種はいずれも難民帰還地の住環境を整備する担当官でした。僕は都市工学を学び、都市計画や住環境整備の仕事をしていたことがあるので、そういうポストが来たのでしょう。

 要するに、何学部を選ぶかは、あなたが国際機関で何を専門にしてどういうことがしたいのかによって決まるのです。逆に言えば、どんな職種であれ、世界に通用する専門家になりさえすれば、国際機関の方からお呼びがかかりますよ。将来UNHCRで何がしたいのか、今からじっくり考えてください。明確な目標を決める、とはそういうことです。長くなりますので、この件は近いうちにもう少し詳しくこのサイトに書こうと思っています。参考までに、以下にUNHCRの日本語サイトをリンクしておきました。では頑張ってください。今後ともよろしくお願いします。(慶長)
http://www.unhcr.or.jp/




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( http://www.keicho.com )