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国際機関への就職に関するQ&A
(2004/01)


2003年の7月からゲストブックに寄せられた「国際機関への就職」に関する質問と、それに対する自分なりの答えを、こちらにまとめて記録に残すことにしました。私の知識と経験の範囲内で最善の答えをしているつもりですが、私の答えが100%正しいという保証はありませんのでご了承ください。これを読んでまだ質問がある人や、国際機関勤務の経験者などでコメントやさらなるアドバイスがある方は、是非ゲストブックへご記入ください。


YPPの年齢制限と空席公募ポスト、コネと実力
Q: はじめまして。現在、大学院に通っております。日本のゼネコンを経て、協力隊、UNVとfieldばかりを回ってきました。学歴の必要性を感じ、大学院に戻ったのですが・・・年齢が34歳となってしまいました。土木系なので、WBまたはADBを目指していたのですが、YPPには遅すぎるようです。こうなるとvacancyのところにただただapplyしていくしかないのでしょうか・・・競争率の高さなどを考えるとしり込みするばかりです。またコンサルやinternshipから入り込んでいく方法など何か情報がありましたらお願いいたします。(土井)

A: 土井さん、はじめまして。インターンやコンサルタントからすぐ正規職員になるのは、かなり難しいと思います。やはり、土井さんの場合、空席公募に応募するのが、一番いいのではないかと思います。空席公募は職種が限定されているので、YPPより倍率も低いし競争も少ないはずです。ですから、自分の専門に合う空席があれば、そちらの方が入りやすいと思いますよ。しり込みせずに、ポジティブに行きましょう。職歴も充分なようですので、現在通っておられる大学院を修了すればチャンスは増えるでしょう。それでは今後ともよろしくお願いします。(慶長)

Q: お返事ありがとうございます。いろんなvacancyにapplyしましたが、音沙汰なしでもう2年がたちました。国連で「postの空きができたところに入り込む。売り込む。」というのを習いましたが、なかなか”コネと実力”そして”運”がないとPレベルには入れないことを実感しました。今年JPOにapplyしますが、年齢のとおり今年がラストチャンスです。空席公募のほとんどは大体公募前から決定済みという話や、ある職員のレベルを上げるためにわざわざ作ったpostなどの噂を耳にするので悲観的になっておりました。YPPから入って、がんばって残っていく方法が一番と思ったのですが、残念ながら年齢制限。もっと早くに動いていれば・・・と後悔しています。とりあえず、常に空席情報や知り合いからの情報に聞き耳を立てます。今後もいろいろとご指導いただくとは思いますが、よろしくお願いします。(土井)

A: 土井さん、慶長さん、こんにちは。空席ポストへの応募についてですが、私のいる組織(国連系です)ではただ応募しただけで採用される可能性はゼロに近いと思います。基本的に決定権がある人間が知らない人間はエントリーレベル(YPスキームに類するもの)以外は採用しないので。これは私の観察ですので、他の機関では異なる可能性があることを付記しておきます。

 遠慮深い日本人には難しいことかもしれませんが、学位・職歴が揃っていて、かつ語学も仕事を遂行し得る自信があるのであれば、「押し売り」をしてみることをお勧めしたいです。「押し売り」はもちろん程度の問題で、やり過ぎもいけないと思いますが。どの国際機関も部署内の決定権で雇える部内コンサルタントの予算は大抵あると思いますし、日本政府代表部(または理事室)がそのような予算を持っている場合もあると思います。就職というよりは、そのような予算をぶんどって仕事をしてやる、という意気込みが必要なのかな、とも思うことがあります。予算が絡みますから、やはり「知った人間を採りたい」というのが採用側の本音でもあるでしょう。ですから、関心がある部署の職員には世界各地で開かれているワークショップに参加したり、彼ら彼女らの知的関心をくすぐるようなペーパーを送ってみたりして「知られる」努力も必要だとも思うわけです。

 「押し売り」は失敗するとドアが完全に閉まってしまう可能性もあります。そのような事態に陥らない工夫(的外れなコメントをしたり、ペーパーを送り付けたりしない調査や準備:エントリーレベルには許容があるのでしょうが、キャリア採用になると「的外れ」は致命的な可能性もあります)も必要でしょう。あくまでも一意見として。失礼しました。(まとはふ)

Q: すみません、更に横レスで失礼します。土井さん、Vacancyに応募するのは私と同じ状況です(私はもう39才ですが)。国連での就職には、コネも必要である、というのは良く聞きます。まとはふさん、上記ワークショップや、彼、彼女ら(採用のキーパーソン)、に関する情報収集について、何か情報はお持ちでしょうか(ワークショップを紹介しているURLなど)?(和田勝則)

A: 和田さん、こんにちは。ワークショップと書きましたが、「ミーティング」「セミナー」という方が良かったかもしれません。Outputの質が違いますので。基本的に「invitation only」のものでありますので、一括した情報は公開されていないと思います。しかし、事業計画の一部に組み込まれている場合には、情報公開されているケースも多いです。興味のある各国際機関のHPをサーチしてみることをお勧めします。また、国連系では「Expert Group Meeting」という言い方もありますので、これでHPを検索してみてください。過去にどのようなものがどこであったか(場合によっては出席者まで)情報が公開されているケースもあります。

 一つ気をつけて頂きたいのは、これで採用のキーパーソンに接触できるとは限らないことです。運良く聴講が許されたとしても(基本的に「invitation only」であることが多いことを忘れなく)、です。ただ、興味がある機関のスタッフと接触すること、名刺を貰うこと、そして催し物に関連した事項について関心があり、フォローしているという事実を見せることでも、国際機関側に自分を売り込むきっかけになるでしょうし、またこのような作業をすることは国際機関側の人材需要を見定めるのに良い勉強になると思います。再度失礼しました。(まとはふ)

Q: 和田様、コネなしでvacancyに応募し受かった人間もいます。ただ、1名しか知りません・・・彼の場合、その地域に精通し、その地域言語も話せ、開発関係のdegreeおよびexperience(10年)もありました。そんな彼でも何度もインタビューまで行きながらpostが取れませんでした。今回のpostも1年前に応募し、半年後に面接となりました。周りではUNVや現地採用からpromotionしていく人もいますが、なかなかPレベルに入る人は少ないと思います。PKOにいたときはUNVが常にPレベルを争っておりました。それにcontractのextensionやpromotionなどは「駆け引き」が必要で家族の要る方には綱渡りかもしれません。地道にapplyするしかないですかね。。。お互いがんばりましょう。(土井)

A: 私の周りにはコネなして職員になった方がいっぱいいますよ(もちろんPレベルで)。ちなみに、私もそれなりに人脈作りをしましたが、採用の決め手となった「コネ」はありませんでした。慶長さんもおっしゃっていますが、実力さえあればコネなんて関係ありません。是非頑張ってください。なおご参考までに、私は以前コネも採用に関係あると書いたことがありますが、少なくとも私の知っている範囲内でコネが関係あるのはトップレベルあるいはそれに近い人事の場合がほとんどだと思います。たとえば、事務局長の就任時に自分の部下を引き連れて来て、要所に自分の腹心を配置することはよく行われるようです。(toffee)

NPOなどでのインターンについて
Q: 今日は、慶長さんにお尋ねしてよいものかわかりませんが、インターンシップ制度について、常識的なことを聞きたくて、書き込みさせていただきました。今は今年の夏の間にできるインターンかボランティアがないものか、と主に日本のNPOなどを中心に探しています。単なるアルバイトを探すときにも言えるかもしれませんが、複数の場所に同時に応募してよいものなのでしょうか。応募した後、もし採用通知をくれたところを断らなければいけない場合、どう断っていいのでしょうか。一度断ったら、別の年にまた応募するとき、影響するものでしょうか。

 もうひとつ、団体によってはインターン制度や短期の受付をサイト内で言及していないところもありますが、自由に問い合わせのできるメールアドレスを公開している場合、そうゆう制度がないか、問い合わせていいのでしょうか。(春澄)

A: 春澄さん、こんにちは。インターンシップに関しては、複数の団体に応募するのもOKだし、募集していない組織に対しても自由に問い合わせていいと思いますよ。採用を断わる場合も、なるべく早く誠意をもって対応すれば問題はないはずです。一度断わったら別の年の採用に影響するかどうかは、何とも言えませんね。それぞれの組織の採用担当者の方針次第でしょう。

 僕の友人で、「どうしてもアフリカで経験を積みたい」と、アフリカ各国の政府宛てに手紙を書いて自分を売り込み、ある東アフリカの国の農業省で一年間ボランティアとして働いたツワモノがいます。その人はその後、ある国連の専門機関に就職しました。「意志あるところに道ができる」という好例だと思います。春澄さんも、いいインターンシップの場が見つかるよう、頑張ってください。(慶長)

応募書類や履歴書の書き方、コネは必要か?
Q: はじめまして。このサイトを訪れ、皆さんのコメントを見て、夢は捨てずに一度きりの人生なのだから好きなことをやらないとと改めて思ったところです。簡単に自己紹介いたしますと、私は、日本の大学院で国際環境法を学んだ後、現在東南アジアで公務員として仕事をしております。学生時代から、UNEP等の国際機関で働いてみたいという夢があり、必要なキャリアを少しずつ身に着けるよう努力しております。去年からイギリスの大学でドクターコースに入り、ディスタンスラーニングで国際関係学の勉強をはじめました。

 今年で、公務員になってから5年目ですのでそろそろ国際機関の空席ポストに応募しようと思っています。UNEP、FAO、WFP、ILOのプロジェクトオフィサー、政策分析等のポストを狙っています。履歴書を今書いているのですが、何か気をつけたほうがいいことなどアドバイスがありましたら、ぜひ教えてください。また、上記の機関に関して何かご存知なことがあればお教えください。長くなり、申し訳ありません。(チョコレート)

A: チョコレートさん、はじめまして。「履歴書を書く際に気をつけることは何か」という質問ですが、ちょっと漠然とした質問のため、あまりいい答えが思いつきません。あえてひとつ挙げるとすると、履歴書を見て「この人は何の専門家なのか」ということが一目で分かるような書き方がいいでしょう。要するに、学歴と職歴が線で繋がるのが望ましいです。専門と関係の無い職歴はあえて伏せたりというメリハリも必要かもしれません。

 それから、「UNEP、FAO、WFP、ILOについて何か知っていることがあれば教えて下さい」ということですが、これまた質問内容が漠然としすぎていて、「それぞれの機関のウェブサイトをご覧ください」としか答えようがありません。具体的な質問には具体的な答えができますが、漠然とした質問には漠然とした答えしかできないのです。そこのところをご理解ください。それでは、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

Q: 慶長さん、お返事ありがとうございます。それでは具体的に聞かせていただきます。
1.ILOの幹部候補生養成制度に興味があるのですが、去年は募集がなかったようです。今年は募集があるのでしょうか、もし何かご存知でしたら教えてください。
2.UNEP、WFP等の応募用紙を書いたのですが、決まった項目以外に、アピールするところといったら、著書、市民活動等の活動、そのほか海外居住歴くらいだと思うのですが、ここでほかの人との差がつくのでしょうか?
3.私は、国際機関に局長クラスの知り合いなどはいないし、コネになりそうな人はいません。私の入りたい、UNEP、ILO、FAO、WFP、OECDは、コネがないと入れないと一般的に言われているところなのでしょうか?もしご存知でしたら教えてください。(チョコレート)

A: チョコレートさん、僕の知りうる範囲でお答えします。
1については、僕は個々の国際機関の具体的な採用状況や人事情報は感知していません。各機関の公募採用の情報は必ず各機関のウェブサイトに前もって載るはずですので、そちらを参考にしてください。僕は一機関の一職員にすぎず、ましてや人事担当でも何でもありません。このウェブサイトは単なる趣味でやっていますので、その点をご理解ください。

 2については、各機関の応募用紙についてもあまり知識がありませんが、チョコレートさんの取り上げた「著書、市民活動、海外居住歴」というのを見て、これで「差がつかないはずがない」と思いますよ。募集職種に関連する専門的な著作がたくさんあれば、大いにアピールできるでしょう。また、専門分野で市民活動をし、しかもそれが途上国に実際に住んでの活動であれば、そういった活動歴が多ければ多いほど採用担当者の目を引くのは確実でしょう。「差がつくのでしょうか」ではなく、「差をつけるような」経験を積んでください。

 3については、やはり個々の機関の情報はよく分かりません。ただ言えることは、空席公募のポストに関しては、公募である以上コネの入る余地はないはずです。実力次第だと思ってください。コンサルタントや一部出資国のひもつきポストはともあれ、正規職員のポストであれば必ずmerit-basedだと僕は信じています。そうでなければ採用担当者の不正でしょう。ただ、公募が出ても、あらかじめ内部の最有力候補者が決まっている場合は多いです。そういう場合でも、その内部候補者と外部からの応募者の比較検討は必ず行われるはずです。国際機関の業務に通じているのも「merit」のうちですので、そういう内部候補者が強いのは仕方のないことです。

 まずはコネのことなど考えずに、「コネではなく実力で入ってやる」という気概を持ってください。それでは。(慶長)

職業経験、臨時職員でも職歴とみなされるか
Q: はじめまして。現在、IT通信系のエンジニアとして働いております。ネットサーフィンしていたら辿り着き、同じ考えもった方々がいらっしゃったので興味深く読ませて頂いています。私自身も現在、国際公務員として働く事を考えているのですが、これからの自分のキャリアとして、NGO勤務としての経験を考えるか、2年半のキャリアに上乗せして、もっと自身の職業技術を磨く事を 考えるかで悩んでおります。

 もし、NGOで専門分野での職業経験をつめるなら、英語実務の経験や、自分の中でのより具体的な国際公務員に対する目標が見えるのではないかと思ってはいるのですが、海外の大学院で学ぶ事も視野に入れると金銭面での不安もあり、と色々と考えております。JPOを考えるのであれば、やはりNGOでの経験を優先させた方が良いのでしょうか?また、現在、もっと語学力を磨くため、正社員として働いていない状態です。臨時職員というかアルバイトとしての経験は、職務経験として考えられるのでしょうか?(Tomo)

A: Tomoさん、はじめまして。「JPOを受ける際にNGOでの経験は評価されるか」という問いですが、それが国際的なNGOで、勤務地が途上国であれば、おそらく答えはYESでしょう。ただ、日本で働き続けたって、専門的なスキルを磨き続けることは可能ですので、どちらが有利だとは一概には言えないでしょう。それぞれの選択肢のコストやベネフィット、リスクなどを考慮して、ご自分で慎重に判断してください。

 「臨時職員としての経験が職務経験として考慮されるか」という質問に対する僕なりの答えは、仕事の内容次第だと思います。臨時職員とか正社員とかいうステータスより、仕事の内容が大事なのであって、その仕事内容が応募職種に合致するのであれば、当然ながら勤務経験としてカウントされると思いますよ。あとは履歴書や面接の場で、自分のスキルをいかにアピールできるかにかかってきます。ただ、フルタイムで働いていない場合は、その分、勤務年数をディスカウントされるかもしれません。それでは、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

実務経験を積んだ後の大学院
Q: 慶長様、はじめまして。某国立大医学部保健学科看護学専攻4年の弥生と申します。4月から大学病院にて看護師として勤務予定でして、実務経験を積んだ後に公衆衛生大学院などに進学したいと考えております。将来的には国連関係機関等で働ければ、と思いつつもまずは実務として実力を養いながら、謙虚に、かつ向上心を忘れずに勉強に励もうと思っております。

 2月下旬には看護師国家試験、保健師国家試験、助産師国家試験、と3つの 国家試験をパスしなければいけないので勉強に追われ、体力的にも精神的にもつらい日々ですが、慶長様のサイトを拝見させていただき元気が出てきました。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。(弥生)

A: 弥生さん、はじめまして。僕のサイトで元気を出していただいたそうで、とても嬉しいです。僕もそうでしたが、実務経験を積んだ後で大学院に行くというのは、とてもいい計画だと思います。そうすると、何よりも専門分野の実務を知っているだけに、大学院での授業が楽ですし、より実践的な学問の習得ができるでしょう。まずは目前に迫った三つの国家試験に集中してください。合格の知らせをお待ちしています。こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

世銀のインターンシップと途上国の水問題
Q: 初めてお邪魔します、大学3年の学生です。工学部で衛生工学を学んでいます。浄水の技術を学んで、より多くの人々に安全な水へのアクセスを可能にしていくことを人生の目標にと考えています。

 国連職員になるためにああしたらよい、こうしなくてはならないという情報はたくさん飛び交っていて(もちろん有用なものもたくさんあるのでしょうが)こちらのHPにたどり着くまでにもうずいぶんと途方に暮れてしまっていました。けれど、慶長さんを始め、みなさんの真摯なレスにまことに勝手ながら私も元気をいただきました。さしあたっては、大学で知識と技術を深めていき、修士課程で国連のインターンシップに応募しようと考えています。ところで、インターンシップは応募者のうちどれくらいが許可をもらえるものなのでしょうか?もし、おわかりの方がいらっしゃいましたらお教えください。(ひろ)

A: ひろさん、初めまして。衛生工学は僕の専門のひとつでもあります。将来は、途上国の水問題解決のために是非頑張ってください。

 「国連機関のインターンシップは、応募者のうちどれくらいが採用されるか」という質問ですが、僕が勤めている世界銀行の場合に限ってお答えします。世銀では毎年、夏と冬にインターンシップを募集しますが、夏への応募者数が全世界から約5千人で、冬への応募者数は2千人から3千人です。このうち採用されるのが年間で150人から200人くらいだそうです。かなり狭き門ですが、トライしてみてください。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

Q: 慶長さん、お返事ありがとうございました!倍率を考えると確かに狭き門ではありますが、それをひとつの励みにして、自分に磨きをかけるべく日々努力していこうと思います。

 水問題は途上国のみならず、場合によっては日本のような開発の進んだ国においても重要性を増しているように思います。大学の授業では主に国内の問題を取り上げているため、ぜひ世界のフィールドで活躍なさっている慶長さんにお伺いしたいことがあります。水の供給や水系伝染病などの対策として途上国で必要とされている技術や知識はどのようなものなのでしょうか?たとえば、日本からの援助に関しては、浄水処理システムを設置しても稼動続けるだけのお金がなくて結局うまくいかなかったということも聞きます。現状を反映した、機能しうる対策を講じていくとしたら、膜による(現在はまだ高価な)浄水技術を研究したりするよりも、いかに施設を管理し効率的に稼動させていくかなどのマネージメントを学ぶほうが世界に貢献できるのでしょうか?(ひろ)

A: ひろさん、水供給に限ったことではありませんが、途上国では安価で維持管理が容易な技術を提供することが不可欠です。僕がやっているスリランカ農村部の水プロジェクトでは、未処理の井戸水に頼ることが多いです。そういうシンプルなシステムだって、途上国の村で料金を徴収し維持管理をしていくことは大変なことです。ブータンの都市部のプロジェクトでは、水源の水質にもよりますが、砂ろ過と塩素殺菌だけの浄水を行う場合がほとんどです。援助プロジェクトが終わったあとに、途上国の人々が自分達だけで維持管理(資金的、技術的)できるシステムを構築する必要があるのです。そうでなければ、援助への依存は終わりません。

 ひろさんがおっしゃるように、途上国への水道分野の援助はマネージメントに関するものが大きな割合を占めます。技術面だけでなく、貧困層に配慮した望ましい水道料金の体系や、課金・徴収システムの構築、水道公社の組織改革や強化などといったマネージメントや政策面での勉強もしておいた方がいいですよ。以下に参考になるページをリンクしていますので、よかったら見てください。それでは。(慶長)
http://www.keicho.com/global/iwa.html

地域医療、リハビリテーション、留学と語学
Q: 僕は国内の専門学校で理学療法学を専攻するものです。以前から国際問題には興味があり、学校卒業後は大学院進学を目指し、自分の資格や医療・保健といった視点から発展途上国などに貢献できたら(医療を普及させるといった事で)と思っています。そこで、質問なのですが大学院での専攻を「地域医療」にしようと考えているのですが、やはり慶長さんがおっしゃられているように公衆衛生や統計、医療経済などといった事も視野の中に入れておくべきでしょうか?(YOSHI)

A: WHO職員のtoffeeです。Yoshiさんのご質問の「地域医療」に関してですが、地域医療(地域保健とも言いますよね、英語ではcommunity health)の大学院では、公衆衛生はもちろん統計も医療経済も勉強できるはずです。少なくとも、私の知人で大学院でcommunity healthを専攻された方は、医療政策や医療経済、統計などを幅広く学んでいらっしゃいました。したがって、あまり細かい分野を気になさらず大学院選びをされたらどうかと思います。また、もしめぼしい大学院が見つかったら、webでシラバスを公開している大学院も多いので、ご覧になったら如何でしょう。あとご存知だとは思いますが、途上国への医療分野での貢献でしたら、大学院に進学されなくとも理学療法士の資格で充分できると思います。(toffee)

Q: toffeeさんお返事ありがとうございました。実は高校時代に米国の大学への進学を親に反対され、現在の学校を選択するという経緯がありました。高校入学当時から親には何度も「医療という手段をもって国際機関に入り国際貢献がしたい」といった事を伝えてきました。しかし、自分の考えがそれでも漠然としていたせいか結局身を結びませんでした。そして、この日本で今後の高齢化社会の事を考え望まれるであろう「リハビリテーション」の世界へと足を踏み入れ今年で4年となりますが、どうしてもその時の思いが捨て切れませんでした。なので、身近なところでは2年間英会話スクールに通い、アルバイトでためた資金で在学期間中に3ヵ月程カナダに留学し、語学力を磨くといった事を行ってきました。しかし、時間の経過と学校での長期の病院実習などを経ているうちに語学力も低下し、語学に対しては現在のところ自信がありません。今、考えている事はtoffeeさんがおっしゃられたようにめぼしい大学院を見つけ、無事に合格出来たら修士をとるまでの期間の中で米英圏で留学が出来たらなと思っています。

 そこで、質問なのですが国際公務員として採用されるには「大学院留学」が重要であると書かれた本を見かけたのですが、それはやはり必要なのでしょうか?また、日本で四苦八苦しながらも語学力を磨き国連職員になられた方はいっらっしゃるのでしょうか?大学院に入学した際には、働きながら修士課程を取得できればと思っておりますが、若干留学にかかる費用の事が心配だったものでお聞きしました。(YOSHI)

A: 留学と語学に関するご質問についてですが、私のまわりでも日本国内でのみ学位をとられて国際機関にお勤めの方は何人もいらっしゃいます。個人的には充分な専門性と経験、さらに語学力があれば、どこで勉強しようと国際機関への就職は可能だと思います。ただし、留学の経験は国際機関への就職の近道だとも思います。留学経験は語学力の証明にもなりますし、海外での在住経験は異なった環境・文化への適応性ありと判断してもらえると思います。また有名大学院出身であればコネになることもありますし、専門性も評価してもらえる可能性もあります。しかしながら、これらは留学しなくともご自身の資格や経験からだけでも十分に得る事ができますし、なによりもどこで学んだかではなく専門性と経験が国際機関就職には重要だと思いますので、留学はあくまで「近道」であって「必須」ではないと思います。ま、これはあくまで私個人の意見ですので、慶長さんや皆さんはどうお考えでしょうか?

 なお、国際機関就職に必要な語学力に関しても、日本国内でほぼ習得可能だと思います。たとえば、海外の大学院に出願するさいにはTOEFLのスコア提出などかなりの語学力が要求されるのはご存じだと思いますが、このために多くの方が国内で必要な語学力をつけてスコアを取ってから留学していると思います。私も帰国子女でもなんでもない根っからの日本生まれ日本育ちですし語学留学なんてする金銭的・時間的余裕はありませんでしたから、国内で相当のお金と時間を使って語学力のアップを努めて必要なスコアを取得してから留学しました。これは留学だけではなく国際機関への就職でも全く同じだと思います。個人的には留学できるレベルの英語力があれば、少なくとも語学力が理由で国際機関への応募で門前払いをくらうことはないと思います。

 また、海外留学に対する奨学金や助成がいろいろとあるのはご存知ですか?もちろん年齢制限などの条件が奨学金ごとに細かく決められていますし選考にパスしないといけませんが、もし主に費用の問題で留学を躊躇されているのであればoptionの一つとして調べられたら如何でしょうか。

 最後に、修士課程に所属して留学をしたいと書かれていますが、これは交換留学をイメージされていますか?公衆衛生関連の大学院でこういった交換留学を行っている大学院ってあるのでしょうか。。?少なくとも私は知りませんし、なんとなくですが在籍している大学院も留学先の大学院も中途半端になりそうな気がします。差し出がましいかもしれませんが、大学院進学を検討されるのでしたら大学院で学ぶ目的は何か、あるいは何をどこで学びたいのか十分に検討されてから、ご自身にとってベストの場所に進学されるのが良いのではと思います。(toffee)

A:  YOSHIさん、はじめまして。理学療法士(Physiotherapist)は私が前に住んでいたイギリスでは医師にかなり近いプロフェッショナルのイメージがあります。途上国はもちろん一部先進国でも医療従事者不足が話題となっていますので、お持ちの資格を海外で生かせる可能性は大きいと思います。

 国連を始めとする国際機関、援助機関でも、障害を持つ人への保健・社会政策は大きな問題となっています。勉強なさっている地域リハビリテーションも「CBR」(Community-Based Rehabilitation)という略語で国際機関や援助機関の、主に社会政策支援プログラムに含まれています。高齢者にとどまらず、autismの人々、戦争や紛争が原因の障害者等、広い範囲の人々を含む問題でもあります。ご健闘ください。(まとはふ)

平和関係の仕事をするには何学部?
Q: はじめまして、圭です。私は現在高校2年生で、将来は平和関係の仕事をしたいと思っています。例えば、紛争解決などの仕事をしたいと思っています。それならと思い、興味のあった国際関係学科に進学しようと思いましたが、経済的な理由により、進学は不可能なので次に興味のあった法学部を目指そうと考えていますが、この学部にいっても平和関係の仕事はできるのでしょうか?最初のところに、どこの学部が有利かと聞くのはおかしいとかかれていたので、こんな質問をするのは気が引けるのですが、もしよければお答えください。(圭)

A: 圭さん、初めまして。漠然と「紛争解決・平和関係の仕事」と言っても、実に様々な機関に様々な職種があります。僕は、国際機関のほとんど全ての仕事が直接的あるいは間接的に平和を構築する仕事だと思っています。世界銀行で僕がやっている途上国の「国づくり」のお手伝いもそうです。途上国の開発や教育の普及などを進めるのも、紛争が起こらないような国づくりということで、その国を安定させて平和に繋げるという見方もできます。さらに、紛争解決後の復興の仕事や、紛争後の難民帰還の手助けや、核査察だって何だって平和関係です。考えようによっては、環境保護だって平和関係の仕事です。もっと具体的に何を専門にどういう分野で平和に貢献したいのかを、突き詰めてみてください。逆に言えば、何学部に入ったって平和関係の仕事はできると思いますよ。それでは、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

社会学専攻、働きながら修士、イギリスのNGO
Q: はじめまして。イギリスのリバプールで社会学を学んでいるものです。いつも楽しく慶長さんのホームページを拝見しています。私は今年31になりますので、遅咲きの大学生なのですが、今後やはり国際協力関係の仕事につきたいと考えています。今年うまくいけば卒業ですが、そのあと日本に帰り働きながら修士も取りたいと思っています。問題はどんな職につくと有利かということです。今は学部ですのでいろいろな分野を学んでいますが、特にGlobalisation、Immigration, Health, Inequality in society全般にはとても興味を覚えます。これらは修士でさらに勉強できると思うのですが、金銭的に厳しいので、それプラス、どんな職に就いたらよいか迷っています。単に修士に集中するために仕事は英会話講師(留学前のしごとです。)や通訳翻訳で生活をまかなっていくか、それともきちんとどこかの団体でキャリアになるような仕事に就ければつくか?そうなればどんな就職先がよいでしょうか?長くなってすみません。(まりこ)

A: リバプールのまりこさん、初めまして。働きながら修士を目指すとは大変そうですが、頑張ってください。でも、最近はどんどんそういうことが可能になっているんでしょうね。

 「どんな職に就けばいいか」ということですが、社会学を活かして将来国際機関を目指すなら、開発関係のNGOか、あるいはODAを受託しているようなコンサルタント会社がいいかもしれません。日本に帰るなら、当然JICAやJBICなどの日本政府の援助機関でもいいでしょう。英会話講師や通訳の場合は、国連で通訳をやるのでなければ、あんまり職歴として評価されないのではないかと思います。また、全くドメスティックな仕事についたとしても、自分の専門分野に関連があればチャンスはありますよ。僕の場合、日本の市役所に勤務していたことが、世銀就職の際かなり評価されましたから。要するに、自分は何を売り物にするのか。その「売り」に極力こだわってみてください。それでは今後ともよろしくお願いします。(慶長)

Q: とても参考になりました。ちなみにイギリスに残るとしたらやはり同じような就職先がよいですよね。どこかご存知ですか?また国際機関で社会学関係の部署にお勤めの方がいらっしゃればアドバイスをお願いしたいと思います。あともうひとつ質問。英語のほかにフランス語やスペイン語はできた方が仕事の面で便利でしょうか?よくウェブサイトにある論文などでフランス語のものを見かけるのですが、いつも理解できればなと思ってしまうんです。では、来週試験なのでこの辺で。ちなみにSociology of HealthとPolitical Sociologyの試験です。(まりこ)

A: まりこさん、イギリスの開発関係のNGOでは、有名なところで「OXFAM」や「CARE International」などがあります。もっとたくさんありますので、インターネットで検索してみてください。

 「英語の他にフランス語かスペイン語ができた方が有利か」という質問ですが、そりゃあ、できないよりはできた方が絶対に有利です。特に西アフリカなどの仕事にはフランス語は不可欠ですし、中南米の仕事にはスペイン語は不可欠です。国際機関ではこれらの言葉ができると、選択肢がぐうっと広がります。僕は英語しかできないので、今まで東アフリカと南アジアを担当しました。それでは。(慶長)

国づくりのお手伝い、留学先は欧米か途上国か?
Q: 初めまして、今国内の大学に通っている緒方洵也と申します。今大学二年で観光学を専攻しています。今年の四月から大学三年生になり、就職も意識しなくてはならない時期になりました。観光学とはあまり関係ないのですが、高校時代から世界史に興味を持ち、今でも時事問題に非常に関心があり、将来は何かの形で世界に貢献できる仕事に就きたいと思っています。しかし世界に貢献できる仕事といっても抽象的で、業種・業態によってその数はさまざまだと思います。その中で、最近ニュースでも話題になっている“イラク問題”や“北朝鮮問題”さらには、今ではほとんど関心を持たれなくなった“アフガニスタン問題”・発展途上国に関する問題など、一時期は新聞やテレビなどのメディアによって大きく取り上げられるが、ある新しいトピックが出てくると、何事もなかったように忘れられてしまいがちな時事問題に非常に関心を持っています。その理由として、今の自衛隊問題・国の政治のあり方、日本政府の諸外国(イラク問題・アフガニスタン問題など)に対する援助の仕方に対して疑問を持ち、どうして支援を受ける国の国民の立場に立って考えることができないのか?という疑問を持ったからです。”国がやらないなら自分がやってやろう”その思いで自分のやりたいことが実現できそうな職業をさがしていたところ、民間のボランティア団体・国連機関に目が留まりました。

 国連機関に関していろいろ調べてみたところ、国連機関といってもたくさんあり、さらに個々の機関の中でも様々な仕事があることが分かり、素人目から見るのにも限界があると思い、こちらのゲストブックの方にメールをしました。具体的に自分のやりたいと思っていることとは、イラクやアフガニスタンをはじめとした、政治的・経済的に不安定な国において、政治的・経済的に安定する基盤として必要不可欠な、また人間として生きるうえで必要最低限必要なモノ(水・食・住など)を確保する手助け(灌漑設備や道路設備など)をすることです。これらに関連する国連機関また、その国連機関の職員になるために今から準備・勉強しておかなければならないこと、留学に関してどの分野を専攻すべきか・留学といっても欧米方面に行くか、東南アジア・南アジア・中東などのいわゆる発展途上国(欧米の視点から見て)に行った方がいいのか等の質問についてお答えいただけたら嬉しいです。長々と書いてしまい、読みづらい文章ですみません。では失礼します。(緒方)

A: 緒方さん、初めまして。緒方さんがやりたいと言っていることは、ひと言で言えば「国づくりのお手伝い」ですね。それは、正に今僕らが世界銀行でやっていることです。手前味噌ですが、世銀を目指してはいかがでしょうか。

 さて、「国際機関の職員になるために、今から準備・勉強しておかなければならないこと」は、単純に言えば英語と専門性を磨くことでしょう。「留学に関してどの分野を専攻すべきか」という質問に対しては、自分がやりたい分野を専攻してくださいとしか答えようがありません。国際機関には様々な職種があり、その分野の専門家を採用しますので、まずはいろんな国に行ったり、いろんな体験をしたり、いろんな人の話を聞いたりして、自分のやりたいことを明確に決めた方がいいと思います。

 「留学に際して欧米に行くか、途上国に行くか」という問いに対するヒントは、国際機関で働く職員の大部分は欧米の大学院を出ているということかもしれません。でも、僕の周りにはタイのアジア工科大学や、フィリピンの開発大学院(だったかな?)を出た人もいますよ。職歴に関しては、これはもう何らかの途上国での経験が不可欠だと思います。一般的なパターンとしては、「留学は欧米、職業体験は途上国で」、というのが多い例だと思います。でも、強い意志と熱意があれば、多少パターンから外れていても大いにチャンスはあるはずです。それでは、今の気持ちを持ち続けて頑張ってください。今後ともよろしくお願いします。(慶長)

米軍基地で学ぶ、IT関連の専門職への転職
Q: はじめまして、Club JPOのemailでメッセージを拝見しました。慶長さんの経緯は私のそれと少し似ているので、興味を持ち、このWeb Pageも拝見し投稿しています。似ているといっても米軍基地(座間キャンプ)に居た点だけで、私はまだ国連での職を得ていませんが・・・(大違い)。

 私は、IT関連(Information Systems Officer等)の職を狙っています。私の場合、国連に行きたいと思った時にはすでに妻と子ども、更に家のローンも抱えていたので、JPOや海外協力隊等の経緯を通るわけにも行かず、それでも経験をつむ目的で転職をしてきました。座間キャンプでは、英語、アメリカ環境(日本ではない環境)、キャンプ内の大学でComputer Scienceのコースを勉強、コンピュータのシステム管理技術等を学びました。その後更に、転職して今はロンドンにいます。国際感覚を養い、チーフエンジニアの経験をつみつつあります。これらの経験をP-11フォームに書くなどして、あちこちのOrganization vacancyに応募していますがまだまだ・・・。このような境遇(?)の方、あるいはお話等がありましたら、伺いたいと思います。宜しくお願いします。(和田)

A: 和田勝則さん、はじめまして。和田さんも米軍基地内で学んだのですね。これも何かの縁ですので、今後ともよろしくお願いします。さて、僕にとってIT関連は専門外ですが、ニューヨークの国連本部でIT関係の仕事をしている方を知っています。ご存知かもしれませんが、以下のサイトを見てみてください。それではまた。(慶長)
http://minorimasako.at.infoseek.co.jp/

開発援助は西洋的価値観による異文化への干渉か?
Q: 慶長さん、スリランカのお話、水の管理などについて、文書ではなく、子供による劇で知識を広める、ってすごいと思いました。でも、日本だって、何かのキャンペンのとき、テレビのCM使ったりしますから、それが実践的な広報なんですね。「衛生」より「衛星」の話がありましたが、テレビ放送などのある程度近代的技術が普及している地域で、衛生状況が悪い。これは、住んでる人の「知識のなさ」が原因だったら、慶長さんのような方による活動が必要でしょうが、もし、住んでる人の「意思、文化」であった場合、どうするのか、と思いました。異文化の地域への西洋的干渉に個人的に興味があったので、考えてしまいました。アフリカやアジアなどの西洋文化のない国が、西洋的政治の思想を拒むことはありますが、このスリランカの村のような住人がこのような他国からの干渉を拒否することってあるんですか?!特に閉鎖した村だと、外からやってきた人を受け入れない、というか、外国人恐怖症かもしれませんし。突拍子のない質問だったら、ごめんなさい。(春澄)

A: 春澄さん、「異文化への西洋的価値観による干渉」というとても難しい問題提起をいただきました。確かに、援助案件によっては、西洋に限らず「援助する側」の論理の押し付けもあり得るでしょう。「トイレを使わないのは文化なのか、それとも無知や貧困が原因なのか?」というのは、ひたすらその土地の住民と向き合って判断するしかないのかもしれません。同じような問題で、アフリカの一部の国で行われている「女性器の切除」や、タリバン支配時の「女子への教育の禁止」などに反対するのは、西洋的価値観による伝統文化の否定なのか、あるいは基本的人権の保護なのか?どうでしょう?僕はこういった基本的人権に関わる部分は、多くの場合、西洋も東洋もその他の地域も関係ないと思っています。

 それと、プロジェクトのデザインが援助供給側の論理にならないよう、僕らは住民からの要求に基づくプロジェクト構築(demand-driven)を進めています。これは、プロジェクトのメニューを住民に示し、そのメニューの中から途上国の住民達が自分で欲しいメニューを選べるやり方です。スリランカでは、トイレは住民要求度がかなり高いです。当然、トイレのデザインも洋式ではなく、住民達が決めます。要するに僕らのプロジェクトは、外からの押し付けや干渉ではなく、内からの開発を促す媒介の役割を果たせるように努めているつもりです。それではまた。(慶長)

ユネスコの世界遺産関係の仕事
Q: はじめまして。私は中3で高校受験を控えているものです。将来、世界遺産関係の仕事に就きたいと思っているので、ユネスコで働きたいと思っています。そこで質問なんですが、ユネスコで世界遺産関係の職員になるには大学でどのような学科を専攻したらよいのでしょうか?やっぱり考古学なんでしょうか?宜しくお願いします。(葵)

A: 葵さん、はじめまして。ユネスコについてはあまり詳しくないので、ちょっとユネスコのウェブサイトを見てきました。ちょうど現在、世界遺産関係の求人広告がいくつか出ており、その広告によると求められる学歴は次のようになっていました。「歴史学、芸術、社会学、国際関係学、建築学、都市工学、環境保全学、考古学などで最低修士号を保有すること。」

 どうですか。実に多様ですね。おそらく、どういう種類の遺産保存(歴史的建築物、自然遺産、宗教的建造物、形のない文化的遺産などなど)に、どのような切り口で関わりたいのかによって求められる専門知識が異なるからでしょう。逆に言えば、これらのうちどの学部に進んでも、文化や遺跡という分野を追求すればチャンスがあるということだと思います。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

ユニセフで子供の支援
Q: 僕は19才になる浪人生です。ある日ニュースを見ていたら、アナウンサーの良く通る声で「実の父親が3歳になる子供を首を絞めて殺害しました。」と流れていました。僕は涙がでました。同じ空の下、同じ空気を吸い、同じ地球に立っている、弱い存在である子供すら守れないと言う現実に。自分自身の力のなさに。涙が出ました。悔しくて悔しくて涙が出ました。僕は頭も良くないし、素行だっていい方ではありません。こんな僕には子供一人守ることはできないのでしょうか?子供一人くらい笑顔にすることはできないでしょうか?僕はこの時思ったのです。手の届く範囲、見ることのできる範囲、考えられる範囲、救いたいと。教えてください。どうすればユニセフに入れますか?どのような学部に行けば子供たちを救えるのですか?そのために必要などんな努力もする覚悟です。(矢野)

A: 矢野さん、はじめまして。ユニセフは、水と衛生、教育、医療・保健、栄養改善など様々な分野で世界の子供をとりまく状況を改善しようと奮闘しています。これらの分野によって、求められる学歴や職歴も様々です。ですから、「どの学部に行けばユニセフに入れるのか」というような質問には、残念ながら答えようがありません。それでは、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

難民支援のための実務経験、英語学習、ロスター制度など
Q: 僕は、現在高2で最近将来の事について考える時、簡単にはなれないとは承知ですが国際公務員というものに興味が出てきました。特に、難民支援などに興味があります。そこで質問なのですが、専門分野での数年の実務経験がいると書かれていましたが、難民支援などの関係で国際公務員になりたいと思うと、どこでどのような実務経験がいるのでしょうか?また、慶長さんは大学で都市工学を学ばれたという事でしたが、それでは、いつ英語をしっかり学ばれたのですか?あと、どのくらいの年数学ばれたかも教えていただけると参考になります。あと、試験を受けるまでには、よどみなく英語が喋られるぐらいでないといけないのでしょうか?たくさん質問をして申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

 すみません。もう一つお聞きしたい事を忘れていました。外務省のHPでロスター登録制度というものを見たのですが、将来ああいうものに登録する事は、国際公務員への近道というか、そういうものになるのでしょうか?たびたび申し訳ありません。(ひろ)

A: ひろさん、初めまして。難民支援というとUNHCRですよね。UNHCRのウェブサイトによると、UNHCRの日本人職員はUNHCRに入る前に、国連ボランティアや難民支援NGOなどで働いていたようです。下方にリンクしておいたので、研究してみてください。

 英語に関しては、僕は大学院までは、日本の普通の学校で行われる英語教育しか受けたことがありませんでした。大学院では米軍基地内で学び、それと並行して英会話学校やアルクの教材などを利用して2年間独学しました。「よどみなく喋れる」に越したことはありませんが、大事なのは「いかに話すか」より「何を話すか」だと思います。そういう意味では、専門知識や教養をきちんと身につけ、そして、まず日本語で議論ができないことには始まらないと思います。

 外務省のロスター制度については、あまり詳しく知りません。おそらくそこに登録しておけば、自分の専門に合うような国際機関のポストが空席になった時に、外務省が教えてくれるのではないでしょうか。そこから先の実際の採用に関しては、外務省とは無関係のはずです。それでは頑張ってください。今後ともよろしくお願いします。(慶長)
http://www.unhcr.or.jp/ref_unhcr/staff/index.html

Q: どうも丁寧にお教えくださってありがとうございます。あと、もう少しご質問があります。実は、先ほどは難民支援に興味があると申しましたが、それと同じくらい僕は歴史というものに興味があります。それで、実はUNHCRの事も知りたいんですがユネスコについても少し知りたい事があります。それは、ユネスコは世界遺産の保存などが役割ですよね。っという事は、実務経験というと県立の博物館で学芸員をするというものも含まれるのでしょうか?自分でもどちらの道に進みたいか決めかねております。あと、歴史なら文学部と分かっているのですが、難民支援というとどういう学科に行けば良いのでしょうか?あと、慶長さんは世界銀行で働いておられるという事ですが、それ以外の国連の機関で働いてみたいとか興味を持たれた事はありませんでしょうか?色々とご質問が多くて申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願い致します。(ひろ)

A: ひろさん、正直に申し上げて「県立の博物館で学芸員をすることが、実務経験としてユネスコに認められるか」というのは、ちょっとよく分かりません。ただ、それだけではかなり弱いでしょうね。何らかの国際的な経験が必要だと思います。あと、「難民支援をするためにはどういう学科で学べばいいか」という質問にも、残念ながら答えようがありません。「難民支援」とひと口に言っても、様々な業務があります。もっと具体的に何がしたいのかが分からなければ、何を学べばいいかのアドバイスはできません。もう一度、上にリンクしたUNHCRのサイトと、下にリンクした僕の文章を読んでみてください。

 それから、僕は世界銀行以外の国際機関でも働いてみたいと思ったことはあります。僕は、都市問題、環境問題、地方自治などを専門にしているので、地球規模でそういう問題を扱っている機関には、今でも興味があります。それでは。(慶長)
http://www.keicho.com/majordebut/olympic.html




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( http://www.keicho.com )