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国際機関への就職に関するQ&A
(2004/04)


2003年の7月からゲストブックに寄せられた「国際機関への就職」に関する質問と、それに対する自分なりの答えを、こちらにまとめて記録に残すことにしました。私の知識と経験の範囲内で最善の答えをしているつもりですが、私の答えが100%正しいという保証はありませんのでご了承ください。これを読んでまだ質問がある人や、国際機関勤務の経験者などでコメントやさらなるアドバイスがある方は、是非ゲストブックへご記入ください。


経済開発に関する専門書の探し方
Q: 今私は自分で本を読んだり、セミナーに行ったりして、将来的にジェンダーと教育を経済開発と結びつけて勉強して行こうと思っています。本屋に行ってみたりするのですが、専門書は難しく、かといって開発に関する入門書では物足りないといった感じで、なかなかいい本が見つかりません。ジェンダー、教育開発について、開発経済学、経済開発論などにリンクしている本で、自学しやすいものがあれば教えてください。(マナ)

A: マナさん、こんにちは。開発に関する本を探しているのだったら、世銀の出版物がお薦めです。オンラインで購入できるので、以下のサイトを見てください。そのサイトの検索窓に「gender」「education」などのキーワードを入力すれば、必ず学びたい分野の資料が見つかるはずです。僕も世銀に入る前は、世銀の出版物を買い込んで勉強していました。それではまた。(慶長)
http://publications.worldbank.org/ecommerce/

Q: 早速検索しました。見たい資料がたくさん出てきました!細かい質問になってしまい、申し訳ないですが、出版物をオンライン以外で買えるところはあるのでしょうか?ぜひ実際に中身を見てみたいと思うので!(マナ)

A: マナさん、ワシントンまで来れば、世銀のブック・ストアーで買えますよ。あとは、東京の本郷にある「イースタン・ブック・サービス」が代理店になっていますが、あんまり在庫はないかもしれません。一応、「イースタン・ブック・サービス」のサイトを以下にリンクしておきますので、参考にしてください。(慶長)
http://www.svt-ebs.co.jp/allframes.html

国際公務員になるにあたって健康面の重要性など
Q: 初めまして。私は、現在「てんかん」という病気にかかっており、年に2〜3回発作が起きて、「最近ではもしかしたら自分は国際公務員には向いていないのではないか」と思うようになってきたのです。発作自体は、薬を定期的に朝・晩2回ずつ服用することで抑えられる程度のものです。しかし、半ば虚弱体質のような状態で、どこの勤務地になるかわからない国際機関で働くことを考えると不安でしょうがないのです(もちろん、転勤がいやだとか、そういう意味で言っているのではありません)。国際機関で勤務する上で、「健康面」はどの程度重要視されるのでしょうか?また、発作が起こるような体では国際公務員にはなれないのでしょうか?その2点について、どうかよろしくアドバイスしていただきますよう、お願いします。(いさお)

A: いさおさん、初めまして。「国際公務員として、どういう職種に就きたいのか」にもよりますが、健康はやっぱり大事ですよ。特に途上国の開発に関わりたいのなら、さらに健康面の重要さは増すでしょう。頻繁な長時間のフライト、医療機関が整っていない途上国での長期滞在などは、健康でないと難しいかもしれません。でも、これはあくまで一般論です。僕は医学が専門ではないので、はっきり言って、いさおさんの病気が国際公務員になれない程のものなのかは分かりません。

 またまた一般論ですが、僕は人間の能力というものは、知力・気力・体力を合わせた総合力だと思っています。病気のため体力面で多少劣っていても、世界に貢献したいという人一倍の気概(気力)があり、語学力と専門性(知力)が誰よりも優れていれば、健康面のマイナスを補うのも不可能じゃないはずです。そう思って、まずはトライしてみる。結果はどうあれ、その努力は無駄にならないはずです。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

Q: 私の質問に的確なアドバイスをしていただき、ありがとうございます。私は在学中にゼミで国際環境法を専攻したこともあり、国際環境法を整備・発展させる意味でUNEPを志望しています。しかし、途上国の貧困と環境汚染の防止をするための資金援助にも興味があり、世界銀行のような開発金融機関にも興味を持っています。このGUESTBOOKの中でも、「国際公務員になるには大学院での専攻と職歴が一致してなければだめだ」と言われていますが、UNEPで国際環境法の整備・発展、そして世界銀行で資金援助の仕事をするには、どのようなキャリアを積んでおく必要があるでしょうか?現在は、民間企業に勤務しているものの、接客・販売という畑違いの仕事をしているため、そろそろ転職も考えている頃です。何度もすみませんが、よろしくお願いします。(いさお)

A: いさおさん、申し訳ありませんが、UNEPのことも環境法のこともあんまりよく知りません。世銀で僕のまわりで地球環境に関わる仕事をしている人は、ほとんどがどこかの大学で研究をしていた学者か、どこかの国の環境省で政策的な仕事をしていた人が多いような気がします。ちなみに僕の家の向かいに住んでいるGEF(地球環境ファシリティー)の人は、イタリア人の学者です。

 僕も環境に関わる仕事をしていますが、水道やゴミ問題、インフラ整備の際の環境アセスなど、途上国の都市環境問題を担当しています。僕自身は昔は日本の市役所で似たようなことをやっていました。あんまり参考にならなくてすみません。(慶長)

JPOと職務経験、国連とNGOなど
Q: はじめまして。私は現在、大学4年生で弁護士を目指して勉強をしているところなのですが、将来は弁護士で終わるのではなく、国際公務員になりたいと思っています。しかし、いままで留学の経験もなく語学力にも自信が無いため、早めに留学し、語学を身につけJPOを目指すのがいいのか、それともこのまま勉強を続け、弁護士になってからJPOを目指すのがいいのかで悩んでいます。(正直、勉強に行き詰ってきているというのもありますが…。)本などで勉強してみたところ、JPOになるにもある程度の職務経験が必要と書かれていましたが、私の場合、法律関係の国際公務員になるよりも世界中のたくさんの人達に会って、文化を知り、言葉を知り、その上で誰かの助けになれたらいいな、と思っています。そのためどの国連の機関が自分にあっているのかがまだわかっていません。こういう場合、逆に国連ではなく、NGOなどのほうがいいのでしょうか?アドバイスお願いします!(tom)

A: tomさん、はじめまして。でも、ちょっと答えにくい質問で困っています。「世界中のたくさんの人達に会って、文化を知り、言葉を知り、その上で誰かの助けになる」ためには、国連なのかNGOなのかと聞かれても、どちらでもないような気もするし、どちらでもいいような気もします。どういう分野でどういうふうに「誰かの助け」になりたいのか、もう少し考えてみてください。

 それから、語学を先に身につけるのか、先に資格を取るのがいいのかというのは、順序はどっちが先でもいいのではないかと思います。ただ、JPOなり国際機関なりに応募する時点では、「語学も専門性」も両方とも備わっている必要があるのだと思います。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

Q: ごめんなさい、変な質問して…。そうですね、やっぱりどうやったら、何をしたら「誰かの助け」になれるのかをもっと具体的に考えてみたいと思います。 あと、もうひとつ質問お願いします!JPOに応募するときに必要な職務経験というのは、自分が将来就きたい専門職に関係している仕事のほうがいいですか?もしそうだとしたら、そのような仕事を探せるサイトや本などご存知でしたら教えてください。(tom)

A: tomさん、「JPOに応募するときに必要な職務経験というのは、自分が将来就きたい専門職に関係している仕事のほうがいいですか?」という質問ですが、自分が就きたい専門職に関する職歴がないとまずダメでしょう。各国際機関によって様々な職種があるので、各機関のウェブサイトで公募広告を見て、どういう職種にはどういう経歴の人が望まれているのかを研究してみてください。では。(慶長)

国連改革に関する仕事
Q: >思えば、「不朽の自由」とは少し生意気な言葉ですね。地球上の誰かの犠牲の上に成り立つ自由なんて、ほしくありません。少しくらい不自由でも、皆で「不朽の平和」を目指そうよ。

 コラムに書かれていた慶長さんの前文(?)です。この言葉にとても感動しました。あなたのような考えの人ばかりなら地球は平和で溢れていたでしょう。高校時代、私はフィリピンに行きました。発展途上国の現状が国際公務員になりたいと思わせる最大の要因でした。ところが、同時多発テロが発生し米国が報復戦争をする事になってしまった時、私はこう思いました。国連がしっかりしていれば起こらなかったのではないか。テロもイラク戦争も。平和な世界、誰もが安心して笑顔で人間らしく暮らせる世界に変える為には国連から変わらなければならない、と。安全保障理事会の在り方。国際的な犯罪、人道的な犯罪の更なる認知。一国のTOPが、ブッシュ大統領や金正日のように国際的な犯罪、人道的な犯罪を犯した場合の法的処置。国連が自ら変えていかねばならないところはこの他にももっともっとあるはずです。私は国連職員になったら国連の変えねばならない所、変えた方が平和や国際社会の利益になる所を調査し、実行しようと決めています。ですが色々調べてみても国連自体を調査し、変えていくような機関、部署は見当たりません。私の勉強不足でしょうが、やはりここは思い切って聞いてみようと思い書き込みをさせて頂きました。まずあるのかどうか。あるならばそれは何という所なのか。教えて下さい。長々と申し訳ありませんでした。(non)

A: nonさん、初めまして。僕の言葉に感動してくれてありがとうございます。国連の問題点に関する調査・研究なら、国際機関というよりも大学やシンクタンクなどがやっている場合が多いでしょう。

 ただ、国連とは世界の加盟国政府で成り立っている機関です。だから、国連を実際に変える機関など存在せず、国連を改革する唯一の方法は、加盟国政府を改革することでしょう。特に現状では、アメリカや日本など大口拠出国の政府の影響力が大きいと言わざるを得ません。要するに、我々日本人にできることは、自分の選挙区や利権のことしか考えていない政治家を落選させ、長期的な地球規模の視点を持った人材を日本の国会に送り込むことではないでしょうか。それこそが、国連改革への確かな一歩になるかもしれませんよ。それでは今後ともよろしくお願いします。(慶長)

国連通訳者への険しき道
Q: はじめまして!質問したいことがあっていろんなHP飛び回ってて、やっとここに漂着しました。私は20歳学生です。正確には今年9月からアメリカの大学に4年間留学する予定です。国際公務員にかなりあこがれています(憧れ、っていうとなんか弱いですが切実です)英語を習い始めたころから漠然と思っていました。そこで質問なんですけど、日本人が国連で通訳の仕事をするのはやはり不可能なんでしょうか。私は言語にもずっと興味があって、国連の事務局とかでバリバリ通訳の仕事をしたい!と思っていました。ところが、その通訳に求められる条件に「国連公用語のどれかひとつを母国語とする人」という事実を発見してしまいました。・・・今ほど日本人であることを残念に思った時はないです。ただでさえ高度な会議通訳、まして国連レベルの場にもなるといろんな言語が飛び交い、どれかを母国語としてなければやっていけないんだろうなぁとある意味納得ですが、それにしても結構ショックです。これはやっぱり本当なんでしょうか?やはり私が国連で通訳者になる道は前提からして閉ざされているのでしょうか?(みかん)

A: みかんさん、はじめまして。その「国連公用語のどれかを母国語とする人」という条件はどこに書いてあったのでしょうか。僕が見たところ、国連通訳の応募条件は微妙に違いましたよ。国連のサイトによると、「国連公用語の少なくともひとつがperfectであること。さらにもうふたつがexcellentであること」だそうです。例えばスペイン語の通訳になりたいなら、スペイン語が完璧で、英語とフランス語がエクセレントでなければならないということのようです。日本語は国連公用語ではないので、三つの他言語をほぼ完璧にマスターしなければなりません。とても険しき道のようです。では。(慶長)

地方自治と国際公務員
Q: はじめまして。現在大学3年で法学部に在籍しているものです。地方自治の専門家として国際公務員になりたいと考えていますが、学部を卒業して、そのまま大学院に進学するのは諸事情により難しいので、まず公務員として働こうと思っているのですが、どのような職種を選択すべきか迷っています。現状では、総務省や、都道府県庁、市町村役所を考えているのですが、どうでしょうか?(クレスホ)

A: クレスホさん、はじめまして。クレスホさんが言うように、日本で公務員として働いてから大学院に行き、国際公務員を目指すというのは理想的なパターンですよ(僕と全く同じですから)。

 国家公務員のことはよく知りませんが、日本の地方公務員の場合、「職種」というのは選べない場合が多いんじゃないかと思います。「一般行政職」というジェネラリストとして入ると、本人の専門とは関係なくいろんな部署をまわされて、事務職や窓口業務をやらされる可能性が大きいかもしれません。そうなると、ほとんど国際公務員を目指す際の職歴としてアピールできないでしょう。

 僕の場合ラッキーだったのは、都市工学を専攻し、故郷の市役所にいた時もずうっと都市問題を担当する部署で働いていたので、うまく学歴と職歴がつながったのです。どういう分野の公務員になるにしても、自分の専門性を高めるような部署に長くいられるかどうかが鍵になると思います。理解のある首長がいたり、先進的な自治体ではそういうことも可能かもしれません。

 これからの時代、地方自治の専門家は、国際機関でますます求められるのではないかと僕は思っています。それは、途上国住民の生活水準を向上させるためには、途上国の自治体の役割が非常に大きいからです。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

国際機関の採用と国籍
Q: CLUB JPOのサイトで以下のことを知りました。国際機関の採用には国籍が関係しています。空席に対する試験にも「以下の国籍を持つものはこの試験を受けることができる」と但し書きが付いていますし、国籍ゆえにその人が候補から除外、ということは実際行われているのです。>何故国籍が関係しているのでしょうか・・?(恵子)

A: 恵子さん、おそらくそれは、こういうことでしょう。国連などでは、加盟国の拠出金の割合に応じて、大体の望ましい職員数というのがあるのです。例えば、A国は国連の全経費の10%を負担しているのに、国連職員数全体に占めるA国出身者の割合は3%しかいないとします。これは明らかにunder-representedなので、国連はA国出身の職員を増やそうとするでしょう。同様に、over-representedな国の職員は減らそうとするので、その国の出身者は公募試験から除外されるということもあり得るのでしょう。

 また、最近は職員の男女比率にも同じようなことがあって、現在は男性が多いので、これからは女性を増やそうという傾向も少なからずあるでしょう。だから、今一番有利なのは、日本人の女性ですよ。頑張ってください。(慶長)

A: 恵子さん、慶長さん、こんにちは。どの国際機関もその職員が一部の加盟国出身者に偏らないようにする原則がありますが、「国籍枠」なるものが存在する国際機関も知っている限りありません(シニアレベルで事実上存在する場合はありますが)。恵子さんが書かれた事例は国連事務局の国連競争試験のことだと思うのですが、それはむしろ例外的存在で、またそれは「空席に対する国籍枠の存在」ともちょっと異なるのです。国連機関でも事務局以外の機関(国連総会から独立した予算決定ができる機関)では採用段階で国籍指定さえもありません(「望ましい職員数」は国連事務局にしか存在しない概念です)。

 国連競争試験で国籍指定があるのは、慶長さんが書かれたように「under-representedである国からの職員採用を促進する」ことを目的としていて、その根拠は総会決定です。いわば全世界の合意の元であると思ってよろしいです。なぜそのような制度的発展をみたか、というと、国連事務局が加盟国による自発的拠出金で運営されるものでなく、強制的に割り当てられる分担金で運営されている背景もあります。つまり、財政負担を割り当てるのであるのなら、相応のrepresentationも割り当ててしかるべきだ、というわけです。

 しかし、実際に国籍枠を作って人事管理をすることは不可能です(「日本人枠」の存在を未だに信じている方が多いみたいですが。。。)そこで、entry-level professionalをunder- and un-representedな加盟国から積極採用することにより職員の出身国バランスを改善を狙った人事政策として、国連競争試験があるわけです。(まとはふ)

世銀のエコノミストと経済学の博士号、民間企業への就職と国際公務員
Q: 私は将来は、一国の中でいかに貧富の格差を起こさないあるいは広げないように同時に経済開発を達成していけるか、ということに関わりたいと思っていて、また貧富の格差の原因でもあり結果でもある教育の問題にも興味があります。そういうわけで、院では専攻を変えようと思っていまして、私も教育と経済開発を絡めて考えていけないだろうかと思い、開発経済を専攻にしようかと思いつつも教育学とも迷いがあります。また、開発学というのも幅広く開発問題を見ていけるようなのですが、あれは専門性にかけるのでしょうか?今は本なども読みつつ考えているところなのですが、一つ質問があります。世銀のエコノミストなどの人の話を読むと、彼らは皆博士まで取っているようなのですが、開発経済を専攻にすると博士まで取らないと国際機関に入るのは厳しいのでしょうか?こういうので決めるのはおかしいと思うのですが、参考までに。それから、開発経済を修士で取って国連に入った人が具体的にどのような仕事をしているのかいまいちイメージがわかないのですが、具体的にどんな関わり方をしているのでしょうか?

 それから、話は変わるのですが、実は今就職活動をしています。本当は援助の現場でしばらく働いてから院に行きたいと思っていました。けれども、援助機関というのもそうそうないもので、普通の一般企業も回っているのですが、いつもこれが本当に将来につながるのか疑問に思ってしまいます。就活をしながらも、就職するか院に進学するか迷う日々です。専門と職歴は一貫性がないとダメだというのもよくわかるのですが、実際に教育と経済開発という視点と絡む仕事場というのがわからないのです。一般企業でも役に立つものでしょうか?それとも院に進学すべきだと思われますか?(あい)

A: あいさん、初めまして。僕はエコノミストでもないし、開発経済についても詳しくないので、残念ながらあいさんの質問には的確に答えられないと思います。ただ、世銀のエコノミストは、やはり博士号を持っている人が多いですね。修士だけで入っても、数年働いたあとに休職して博士号を取るために大学に戻る人も結構います。

 それから、将来は途上国の教育や経済開発に関わりたいという気持ちが強いのであれば、日本の民間企業での経験はあんまり活かされないでしょうね(職種にもよりますが)。むしろ、NGOなどに就職して実際の途上国での活動に携わるチャンスをうかがった方がいいかもしれません。少なくとも、早めに途上国の現場で経験を積める仕事を探したほうがいいでしょう。それでは今後ともよろしくお願いします。(慶長)

A: 私もあいさんのように悩んだ経験があります。大学3年の時に開発援助の現状というものに初めて接して絶望的になり、大卒後民間会社に就職したものですが、あいさんが今抱かれているような根源的な問題意識が頭から離れなく、退職と大学院留学を経て国連機関にたどり着きました。

 ミクロとマクロのすりあわせ、というのでしょうか、大きな問題意識をミクロ的行動(就活であれ、仕事であれ、援助の現場でさえも)とすりあわせることは誰にとっても難しいものだと思います。「なにをしたら?」「こんなはずじゃなかった」「ではどうすれば?」。。。問題意識に敏感な人ほど悩むでしょう。その時に大事なことは、「自分の位置」を見失わないことだとよく思います。社会のどこで自分が節になっているのか?どこで歯車になっているのか?。。。実際に国連機関の職員となっても、目に見える貢献ができる仕事は少ないです。人事総務系の仕事にせよ、プログラム管理系の仕事にせよ、地味なデスクワークが多いのです(PhDを持っていようがいまいが)。が、裏方としての国連機関の職員も、表からは見えない歯車となって働いているわけです。

 広く問題意識を磨くためにも、民間企業への就職は悪くない選択だと思います。東南アジアに進出している中小部品メーカー、途上国から農産物を「開発輸入」する大手スーパー、途上国の「え?こんなところにまで」やってくる商社関係者。民間企業と開発援助の接点は意外と近いものです。教育問題の一部は雇用問題とつながってますし、雇用問題の一部は日系企業等の直接投資とつながるわけですし。また、物事をオーガナイズする力や自分に与えられた小さなタスクのマネージメントということは民間企業で結構鍛えられますし、これは開発援助の仕事をする場合も役に立ちます。

 とあれ、就職にしろ、大学院進学にしろどのようなオプションを選ぶにしろ、問題意識を失わなければきっと道は開けます。ご健闘ください。(まとはふ)

国際機関の空席ポストへ応募してから採用まで
Q: 先日ジュネーブの国連ヨーロッパ本部のパレ・ナシオンで行われている観光客用のツアーに参加してきました。西洋人、アジア人、アラブ人、黒人が当然のように一緒に仕事をしていて、国籍を感じさせない現場を見てますます国際機関で働きたい思いが強くなりました。今回は、質問があって投稿したのですが、空席ポストに応募してから面接の連絡、面接および筆記試験、合否通知、赴任と言う流れがあると思うのですが、そのタイムフレームワークについて教えていただきたいと思いメールしました。それぞれの国際機関で異なるのはわかっておりますが、一例でもご存知でしたらお教えください。(チョコレート)

A: 空席ポストに応募してから赴任までの流れは、おっしゃる通りポストの種類、ポスト補充の緊急度、応募者の数、各機関の人事手続き上の決まりなどによって様々でしょう。ですから僕が世銀に入ったときの一例を紹介します。僕は1993年の10月に、世銀の「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」に日本から応募しました。書類専攻とエッセイ審査を経て、1994年の2月にバンコックでの面接に呼ばれました。最終合格を知らされたのは、1994年の4月です。ワシントンに赴任したのが1994年の9月ですから、応募から赴任まではほぼ一年がかりだったことになります。一般に、国際機関の空席ポストで全世界からの公募の場合は、応募から赴任まで最低でも半年はかかるのではないでしょうか。参考にしていただければ幸いです。ではまた。(慶長)

地方公務員から国際公務員へ
Q: はじめまして。31歳の市役所職員です。学生時代から国際関係に興味があり、法学部政治学科を選びましたが、卒業時の英語力不足、また外交官試験にも受からず、経済的にも大学院進学が困難だったため、地元の市役所に勤務して今にいたります。就職してからは、生活保護のケースワーカーや、庁舎の施設管理、議会対応、市の平和事業などを担当してきました。最近、地域を生かすための自治体の役割の重さを感じるようになり、行政組織の効率的な運営などをもっと勉強しようと夜間大学院への進学を考えるようになりました。

 こういった状況のなか、自分の関心が組織運営ならば、国際機関での就職も考えることができるのでは、と昔の夢を思い出しました。そこでお伺いしたいのは次の点です。
1 国際組織は良くも悪くも欧米式運営の気がしますが、私は留学経験はなく、外国人と働いた経験もありません。そして国内の大学院卒となると、仕事をしていく上で不利を感じることはあるでしょうか?
2 組織運営(人事・予算管理・会議調整)をしたいので、特定の国際機関までは希望を絞ってはいないのですが、専攻するのは公共政策・政治学・MBAのどれがいいのでしょうか?
3 さすがに10年勤務すると「安定した終身雇用の地方公務員」といううまみ(?)に甘えている気分もするのですが、国際公務員の仕事は、常に生き馬の目を射抜くようなストレスフルなものなのでしょうか?転職された際に、ギャップはありましたか?以上、お手数ですが、参考までに御意見いただけると幸いです。(かおる)

A: かおるさん、初めまして。三つの質問に手短に答えさせていただきます。

1.「仕事をしていく上で、留学経験や外国人と働いた経験がないのは不利か」というのは、個人次第でしょう。日本にいても、異文化に対する寛容の心を持ち、語学力と専門性が身についていれば、就職してから不利になるようなことはないと思います。ただ、自分の専門分野に関して何らかの国際的な経験がないと、採用は難しいかもしれません。
2.国際機関の組織運営に関わりたいのなら、Master of Public Administration(MPA)か、MBAがいいのではないでしょうか。
3.「国際公務員の仕事はストレスフルか」というのも、個人次第ですよ。何に対してストレスを感じるかは、人によって違うでしょうから。僕が転職した時にストレスを一番感じたのは、やはり英語と人間関係でしょうか。仕事自体にはストレスをあまり感じませんでした。個人の責任は重いですが、それをストレスとせず、むしろやりがいと感じています。日本の市役所で、権威だけの上級官庁や、無能な上司や政策を理解できない地方議員を相手にしていた方がストレスはありましたね。ここだけの話ですが。(慶長)




Local & Global〜地方公務員から転身した国際公務員のサイト
( http://www.keicho.com )