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国際機関への就職に関するQ&A
(2004/08)


2003年の7月からゲストブックに寄せられた「国際機関への就職」に関する質問と、それに対する自分なりの答えを、こちらにまとめて記録に残すことにしました。私の知識と経験の範囲内で最善の答えをしているつもりですが、私の答えが100%正しいという保証はありませんのでご了承ください。これを読んでまだ質問がある人や、国際機関勤務の経験者などでコメントやさらなるアドバイスがある方は、是非ゲストブックへご記入ください。


精神医学と国際機関、勤務地と語学について
Q: 慶長さんはじめまして。何度かサイトを拝見させて頂いてましたが、今回が初めての書き込みになります高校2年のさしゃです。現在私は精神医学を学んで国際機関で働きたいと考えています。中学生の頃から世界で働きたいと思っており、興味を抱いていた心理学・精神医学と国際関係学、両方を学びたいのですが、日本の大学では厳しいようです。また私は文系コースなので、進路についてなにかと学校や親に反対されることが多い毎日です。国際機関では精神医学の知識が生かせる職場はあるのでしょうか?私は災害や戦争で心に傷を負った人々のケアができたらいいなと思っているのですが。お忙しいと思いますが、どうぞよろしくお願いします。(さしゃ)

A: さしゃさん、はじめまして。WHOのtoffeeと申します。早速ですがお問い合わせの精神医学に関してですが、WHOにmental healthを担当する部署がありますので、こちらをご覧になってみてください。
http://www.who.int/mental_health/en/

また、2001年度版のWorld Health Reportのテーマはmental healthです。以下のリンクからPDFでダウンロード可能です。
http://www.who.int/whr2001/2001/main/en/pdf/index.htm

なお、どちらも日本語ではありませんので読むのが大変かもしれませんが、英語の勉強と思って読んでみてください。上記のWHOの部署はどちらかというと日常生活におけるmental healthの向上に取り組んでいるようですので、特殊な状況下(戦争や災害)でのmental healthにどこまで踏み込んでいるかは私には分かりません。ご参考までに、難民におけるmental healthでしたら、IOMやUNHCRでも取り組んでいるのではないかと思います。以下のホームページをご覧になってみたらいかがでしょう。(toffee)
http://www.iom.int/
http://www.unhcr.or.jp/ (こちらは日本語)

Q: あと2つ質問してもよろしいでしょうか?mental healthを仕事としたとき、実際に働く現場は大都市が中心でしょうか?それとも途上国でしょうか?mental healthの分野で英語以外に必要な外国語をご存じでしたら教えて下さい。私は学校の授業でスペイン語をとっていますが、まだまだ不十分です。それでは、よろしくお願いします。(さしゃ)

A: ご質問の勤務地ですが、WHOにおけるmental healthに限っていうとどちらかというと本部(スイス・ジュネーブ)が多いかもしれませんね。と言いますのが、国レベル、地域レベルにもオフィスがありますが、それぞれにmental healthの専門家を配置しているとは聞いたことがありません。。。確証はありませんが。ということで、おそらくWHOにおけるmental healthの専門家は本部に勤務して必要に応じて世界中を飛び回っているのではないかと思います。なお、IOMやUNHCRでしたら現場で働くことが多いと思いますので、これら機関でしたら途上国での勤務が中心と思います。

 語学に関しては、mental health分野ならではの語学は。。。存じません。ごめんなさい。ただ、一般的に国連公用語(英、仏、露、中、アラビア、スペインの6ヶ国語)のうち二つ以上(たとえば英語とスペイン語)できるとmental healthに限らず国連では通用すると思います。では。(toffee)

JPO試験とTOEFL、JPOのその後
Q:  JPO試験目指してTOEFLを受験しています。近年合格の方、250点超えの後は、一体何点まで目指せば良いか教えて下さい。外務省国際人事センターによれば、今まで選抜に際し、英語力を重視しすぎたため、JPO2年間終了後に国際機関に残れる人材が政府の期待するよりも少なかったため、途上国経験や専門性重視に変えるとのこと。それでも最低足切りラインというのはあるのだと思います。それは本当に260点程度なのでしょうか。御覧の方々の中に、もしも「TOEFLは低かったけどJPO合格したぞ」という方がいらしたら、点数と、TOEFLを補うその方のセールスポイントは何だったのか教えていただけないでしょうか。(fujisawa)

A: 随分前の質問なのでfujisawaさんが見るか疑問ですが、TOEFLで2002年度にJPOに合格したのでご返事します。私は最終的に提出した点数が273点でした。でも別に260点じゃだめだとかってことは無いと思いますよ。時間と意欲とさらにスコアが延ばせる自信があるなら受ければいいし、ないならそこまでだし、何点まで目指せばいいかなんて答えはないと思います。途上国経験、専門性、職歴、国連に向いているような人かどうか、国連に残って働いていける図太さがあるか、とかのほうが大事でしょうね。

 それにしても、JPO終了後に国際機関に「残れる」人材が期待より少なかったのが英語力を重視しすぎたためかどうかは現役JPOとしてはちょっと疑問です。「残れる」人材が少ないから残っていないのか、JPOをやってみたところ「残りたい」と思う人材が少ないのか、考えているんでしょうかね〜。余談でした。(たかす)

Q: たかす様、TOEFLについてはよくわかりました! 273点!! すばらしいです。現JPOさんからのお返事で、非常に参考になりました。「『残りたい』と思う人材が少ないのか、考えているんでしょうかね〜。」の主語は、外務省国際人事センターでしょうか。自分が聞いた話は、国際人事センターとパイプのある、国連で何年も勤められたえら〜い先生(笑)に、最近の動向として伺ったものなのです。たかすさんのお考えでは、外務省の期待はさておき、JPOの仕事が期待外れだったため、国連に残る気持ちを失う現&元JPOが多いということでしょうか? まあ、JPOに受かってもいない自分が心配することではないのですが、ちょっと気になりましたので書き込みました。(fujisawa)

A: いろいろ思うところはありますが、個人的なことはさておき、受け入れ側の国連機関が必ずしも日本政府やJPO本人達と同じような考えをもっている、あるいは同じような意識で受け入れているとは限らない、ということはここでお伝えしておこうと思います。私が居るUNDPのJPO(日本に限らずJPO制度に参加している全ての国からのJPO)の「生存率」は現在十数パーセントだそうです。(本部での研修の際に聞きました。)数年かけて25%まであげることを目標としているそうですが、これは人事部もしくはJPO Service Centreレベルの話で、カントリーオフィスの人たちからはJPOはインターンに近い単なるfree labor、もしくはJPOにとってのlearning experienceだ、と思って扱われることも多いです。友人がいるUNFPAは研修の際に生存可能性は0%と言われたそうです。また、例えば絶対UNHCRに行きたいと思っていてJPOに受かってもUNHCRには行けなかった同期もいます。(HCRは最近とてもcompetitiveだそうです。)ということで、国連のある機関で働きたいと思ったら、JPOだけでなくいろんな道を探ること、なぜそこで働きたいのか、自分は本当に何がやりたくて何ができるのか、JPOに受かってもある特定の機関で必ず働けると言う保証や、2年後の保証はなにもない(例え自分がどんなに働きたいと思っていても)、などなど、しっかり考えたほうがいいかもしれません。(たかす)

ユネスコと世界遺産
Q: 進路のことで迷っている高校二年生です。もともと美術が好きで、TVなどで世界遺産の美しさを見るたびに、『世界遺産に関する仕事をしたい』と思ってきました。UNESCOでは、具体的にどのような仕事をするのでしょうか? また、どのような学部の修士号が必要なのでしょうか?? よろしくお願いします。(沙音)

A: はじめまして!慶長さんのHPによくお邪魔してるものです。UNESCOの主な業務としては、日本では遺跡保護や世界遺産とかの活動として知られていますが、実際はUNESCO(国連教育科学文化機関)と言われてるとおり、教育・文化・科学・コミュニケーションなどの分野で様々なプロジェクトを行っています。一言に世界遺産に関する仕事と言っても文化遺産保護や修復・文化や自然遺産周辺の地域の開発・遺産を世界の人に知らすための広報・自然遺産の環境保護など、様々なものがあるので沙音さんが世界遺産に関してどういうのをやってみたいかで、その分野に進むのが一番いいかと思います。

 また、ユネスコに関しては、『ユネスコ事務局長奮闘記』松浦晃一郎 (講談社)で、詳しく書いてあるので、一度読んでみてはどうでしょうか?それでは、頑張って下さいね!(吉川)

A: 沙音さん、返信が遅れて申し訳ありませんでした。吉川さんの言うとおりで、世界遺産と一口に言っても実に様々な仕事があります。以前見たユネスコの公募では、学歴要件は「歴史学、芸術、社会学、国際関係学、建築学、都市工学、環境保全学、考古学などで最低修士号を保有すること」となっていました。どういう切り口で世界遺産と関わりたいのか、じっくり考えてみてください。それによって、求められる学歴が違ってきます。

 ユネスコの世界遺産関係の仕事に関しては、過去にも同じような質問があったので、「サイト内検索」から世界遺産というキーワードで探してみてください。その際、「キャッシュ」をクリックすればキーワードがハイライトされます。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

インターポールについて
Q: 私は現在東京の国立大学1年生で国際文科系の学部に所属しています。実は、昔からインターポールに非常に興味がありまして、ご専門ではないようですができる限りでいいので質問に答えていただけると嬉しいです。失礼を承知で箇条書きにさせていただきます。

1.日本人がなれるものなのか。また国家公務員一種を取って警視庁に入った ほうが良いのか。
2.現地採用はどういう形で行なわれるのか。
3.自分は大学卒業後アメリカの大学院で犯罪心理学を勉強したいと思っていますがどうでしょうか。
4.プロファイリングぐらいしか具体的な仕事は知らないのですがICPOで のほかにめぼしい仕事はないか。
5.現地採用になるためには実力もさながら学歴も必要ですか。僕の姉は東京の4年代卒業後オックスフォード大学院に入学しました。できれば僕もそこをと思っているのですが学歴は関係ないのでしょうか。世界的に高い評価を貰っている大学のほうが良いのでしょうか?(悩み多き人)

A: 悩み多き人さん、初めまして。早速質問に手短にお答えしますが、率直に言って、以下にリンクしたインターポールのサイトを熟読されることをお勧めします。

1.過去に日本人がインターポールの職員になっている例があるのだから、日本人でも入れるのでしょう。でも、インターポールに限らず「日本人が誰もいなくても、自分が第一号になってやる」くらいの意気込みがないと難しいですよ。インターポールの日本人は、日本の警察庁からの派遣が多いというのは聞いたことがあります。
2.現地採用という言葉をどういう意味で使っているのかよく分かりませんが、正規職員としての採用は基本的に公募でしょう。
3.「犯罪心理学でどうでしょうか?」と聞かれても、「いいんじゃないですか。保証はできませんけど」としか答えられません。インターポールのサイトを見てどういう職種があり、どういう経歴が求められるのか、じっくり研究してください。
4.インターポールのサイトで研究してください。
5.どこの国際機関に入るのにも、学歴は大いに関係あるでしょう。「世界的に高い評価を受けている大学の方がいいかどうか」は、おそらくイエスでしょう。ただ、どこで学ぶかよりも、何をどう学ぶかの方が重要だと僕自身は思っています。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)
http://www.interpol.int/

世銀の雇用形態とホームリーブ
Q: 慶長さん、毎回質問にご回答くださいましてありがとうございます。世界銀行では長期契約はなくなる方向とのことなのですが、長期契約というのは何年間契約のことなのでしょうか。また世界銀行の契約期間はポストによって異なると思いますが、どのくらいが普通なのでしょうか。それから、くどくなって申し訳ございませんが、国連では2年から3年に1度、国連が費用負担をして、休暇のための帰国ができるようなのですが、世界銀行では世界銀行の費用負担で休暇のための帰国ができないのでしょうか。ご回答いただけましたら幸いです。(かき氷)

A: かき氷さん、長期契約と日本語で言うと誤解を招くかもしれませんが、僕が知る限りでは「permanent」の契約がなくなり、「open-end」か「fixed-term」になったと理解しています。「fixed-term」というのは、2年とか3年とかの期限付き雇用契約で、更新される場合もあります。「permanent」と「open-end」がどう違うのかは、僕もあんまり気にもしていないのでよく知りません。ごめんなさい。

 これから新たに世銀に入るのでしたら、世銀の費用持ちで自国へ休暇で帰れる(ホーム・リーブ)という制度はなくなりました。その代わり、international recruitment で採用された人には、採用時に一括で採用手当てが支給されるはずです。以前に比べたら、世銀の「fringe benefit」はかなり縮小されてきていますが、待遇に惹かれてくる来る人よりも、使命感に燃えて来る人を採用した方がいいと思いませんか?(慶長)

地球環境を守る仕事は理系? 文系? 何学部?
Q: あたしは今高校一年生なのですが、将来,地球環境を保護する職業につきたいと思っているんです。地球の環境を守りたいんです。国連の『UNEP』は地域規模じゃなくて国際的に活動出来ると思うのであたしは積極的に世界規模で地球保護の活動したいんです。今はまだ知識が不足で、全然ですが、これからたくさん勉強してそれに入れるために努力したいと思ってるんです。でもまずどのような大学にはいれば良いかとか、理数と文系どちらを選ぶとかそんな事が全然わからないんですよ。英語はまず話せる様にはらなくてはダメだと思うんですが・・・。UNEPに入るためにはどのような大学に入って何を学べば良いのでしょうか?教えてえくださィッ!!!(アキ)

A: アキさん、初めまして。早速ですが、UNEPにはいろいろな部署があり、いろいろな専門家が働いています。アキさんは具体的にUNEPでどういうことがやりたいのでしょうか?それによって、求められる学歴が変わってきます。逆に言えば、理系でも文系でも可能性はあるのです。辞書を引きながらでも以下のUNEPのウェブサイトを見て研究するか、図書館などで地球環境問題について勉強してみてください。その中から、どういうことがやりたいのか、あせらずじっくり考えてみてください。あるいは、インターネットで「環境」と名の付く学部のある大学を検索してみて、カリキュラムを精査し、それによって自分がやりたいところに行くのもひとつの方法かもしれません。では、頑張ってください。(慶長)
http://www.unep.org/

世銀の保健衛生部門の職員の経歴
Q: 世銀での保健衛生プロジェクト部署への移動を考えています。医療系NGOやWHOとは異なるバックグラウンドが求められると想像しています。世銀日本語版ホームページには、職員のCVがちょっぴり載っていますが、もっと詳しく知る方法はありませんか。慶長さんに答えていただくために、欲しい答えの例を挙げますと、「public health & MBAのdual degree」であるとか、「もともとはeconomyだが、医療系NGOで実績がある」とか、そういったことなんです。うまく伝わりましたでしょうか。(tsuda)

A: 横入り失礼いたします。WHO職員のtoffeeと申します。私も世銀におけるhealth関連の活動には並々ならぬ関心を持っており、機会があればHNPのポジションにapplyしたいと思っています。ただし、少なくとも私のように外部から"open position"を見ると、tsudaさんがおっしゃっているようなqualificationや職務経験よりも、その分野で如何に「専門家」と呼べるか(あるいは呼んでもらえるか)にかかっているように思います。ということで、私はまだまだ世銀職員になるには未熟ですので、日々精進して世銀にapplyできるくらいになりたいと思っています。tsudaさんは文面から判断すると世銀にすでにお勤めで内部での異動を検討されているご様子ですので、私のような外部の人間よりもチャンスが多いのでしょうね。うらやましい限りです。私も頑張らねば。。。

 ご参考までに、私の知っている世銀の医療系の専門家(ある程度シニア)の方のqualificationは、health economicsのPhDを持っている方、医師でpublic healthのdegreeを持っている方、labour economicsのPhDを持っている方、などです。ちなみにコンサルタントや若手職員でしたらまたちょっと違うのかもしれませんね。(toffee)

A:  tsudaさん、返事が遅れてすみません。toffeeさん、いつも有難うございます。僕の知っている世銀の保健・医療関係の専門家は、ほとんどがドクターですね。例を少し挙げると、Epidemiologyの博士号を持ちアメリカ政府の疾病対策センターの勤務経験のある人、Health Systemsの博士号を持ち自国の厚生省で勤務経験のある人、Health Policy & Managementの博士号を持つ人、医師(MD)の資格とPublic Healthの修士号を持つ人などです。参考になりましたでしょうか。(慶長)

教育開発と専門性
Q: はじめまして。私は欧米の大学院で開発教育を学ぶつもりのものです。将来はUNICEFやUNESCO等の機関で働きたいと考えています。そこで質問なのですが、やはり大学院では開発教育の中でも例えばinformal educationや初等教育、成人教育、WIDといったひとつの分野や地域における専門性を高めることが上記機関へ入るために必要になってくるのですか?これから大学院を決定するに当たり是非参考にさせてください。それでは今後ともよろしくお願い致します。(りま)

A: りまさん、初めまして。教育開発は全くの専門外ですので、できれば誰かそのセクターの専門家にお答えいただきたいです。ただ、おっしゃられている様ないくつかのサブ・セクターのうち、ひとつは「これが自分の売り」というのを持っていた方が強いと個人的には思います。それが、自分が国際機関でやりたいことに直結していれば、なお更いいと思います。結局は、「国際機関に入るために専門を選ぶ」のではなく、「自分のやりたい専門を実践するために国際機関に入る」のですから。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

世界の子供たちに音楽を教えたい
Q: はじめまして!高1のりんごと申します。さっき、「国際公務員」で検索していたらココにたどり着きました!慶長さんなら私の悩みを解決していただけるのでは!?とHPを拝見させていただいて勝手に思い、早速書き込みさせていただきました。まだ国際関係の職業に就きたいと思っているにも関わらず、知識不足です・・・なので、これから質問する事はとても当たり前な事なのかもしれませんが、アドバイスお願いします。

 私は将来、UNICEFで発展途上国の子供達を救いたいと思っています!!!特に子供達の教育をしたいと思っています。そこで私は音楽が好きなので音楽の楽しさを教えたいなぁと思っているんです。様々な辛い体験をしてきた子供達に音楽の楽しさを改めて知ってもらいたいんです!勉強を教えるのも大事ですが、子供達の心のケアも大事だと思うんです。音楽には人の心を癒す力があります。なので、私は子供達の心の傷を癒してあげたいです・・・。それと日本等から送られてきた楽器(使い古しのピアニカやリコーダーetc)の普及に務めたいんです。このように音楽を教える事ってできるのでしょうか?昔から国際舞台で働きたい反面、大好きな音楽も生かせる職業に就いてみたいと思っていたんです。そしたらTVで日本からたくさんの楽器が発展途上国の人達に送られていました。その頃から音楽を教えたいと思ったんです!この場合、大学で何学部を専攻すれば良いのでしょうか?国際関係学等ですか?今のところ語学関係の学部がたくさんある大学を志望していますが、音楽系の事を学ぶべきでしょうか?

 あと、現在両親があまり賛成的ではありません・・・。国際関係の仕事に就く事は賛成なのですが、国際ボランティアや国際公務員については大学院まで進学しなければいけないので金銭的な事、なれる確立が低い事、勤務地や収入等が不安定な事等から心配しているのだと思います。なので、やる気はあっても両親に賛成してもらわないと金銭的な事を中心に迷惑をかけたくないという気持ちがとても強くなり、不安です・・・。何かアドバイスがあればして頂けると嬉しいです。まだまだ未熟な私ですが、宜しくお願いします。(りんご)

A: りんごさん、初めまして。あなたは素晴らしい考えをお持ちです。僕も常々、音楽やスポーツ、文化交流などが世界平和や地球の未来に果たす役割は大きいものがあると思っていました。

 ただ、途上国で実際に子供たちに音楽を教えたり、楽器の普及に直接関わるのは、国際公務員ではないような気がします。国際公務員は、途上国の教育政策を支援して、実際の途上国の教育環境を整えるという地味な役回りが多いと思います。実際に音楽を途上国の子供たちに教えたいのなら、音楽の先生として、青年海外協力隊かJICAの専門家として途上国へ派遣されるのが近道かもしれません。民間団体のNGOなどにも、国際ボランティアとして音楽関係の仕事があるかもしれません。このサイトの「メジャー・デビュー」のコーナーに、JICAの専門家として途上国で音楽を教えたことのある根城有子さんのメッセージもありますので、参考にしてください。それでは今後ともよろしくお願いします。(慶長)

Q: 返事が遅くなってスミマセン・・・慶長サン、素晴らしいアドバイスありがとうございます!私の密かな(笑)夢を素晴らしいなんて言ってくださって本当に嬉しかったです。やっぱり、私がしたい仕事は青年海外協力隊やJICAetcなんですね!そこで以前から気になっていたのですが、青年海外協力隊とはあくまでもボランティアできちんとした職業ではないんですよね?違いますか・・・?JICAについては後でこのサイトのメジャーデビューを拝見させていただきますが、NGOや民間団体etcもあくまでもボランティアなんでしょうか?安定した給料etcは支給されますか?今だにその事についても疑問を持っています。 (りんご)

A: はじめまして。大学の教育学部で音楽学を専攻している尚と申します。Google検索でたまたまこのホームページに行き当たったのですが、気になる書き込み及び記事があったので、書き込みさせていただきたく存じます。場違いでしたらごめんなさい。

 りんごさんは、将来発展途上国で音楽を教えたいとの事。発展途上国の子ども達の心のケアに寄与したいという気持ちはわかりますし、私も音楽には心を癒す力があると思っています。ただ、気になるのは、そこで教えられる「音楽」がどういったものか、と言うことです。発展途上国と一口に言っても、様々な文化圏の国々があります。それぞれの文化圏、それぞれの地域が、それぞれ違う文化・音楽を持っています。たとえば日本国内を見ても、沖縄民謡や各地民謡では、それぞれ地域によって違うリズム感・音律・音程感をもってますよね。(最近は「音楽教育」によって平均律で各地民謡を歌っている人もたくさん居ますが。)わかりづらければ、インドやアラブの音楽を聴いてみてください。絶対音感なんて持っていない人でも、ドレミでは言い表せない音を聞き取れるはずです。

 例えば、そうした西洋音楽とはまったく別の音感を持った地域(元来は日本もそうなのですが)に、他文化圏の音楽教師が音楽を教えに行ったら、子ども達は彼らから何を教わるのでしょう?ピアニカやリコーダーは、何をもたらすのでしょう?もちろん、おとな達に歌や音楽を教わる余裕などない子ども達も、世界中にたくさんいるでしょう。そうした子ども達に、音楽の楽しさを伝える事は有意義だと思います。ただ、もし将来りんごさん(あるいは他のすべての人)が音楽を「教える」立場に立った時、自分が教える「音楽」がどういうものなのかを、しっかりと考えて欲しいと思います。りんごさん、自分のやりたい事、自分の(可能性も含めて)できる事を見極めて、頑張ってください。それと同時に、いっぱい寄り道して、様々な事に視野を広げていってください。人生に回り道なんてないんですから。もし自分の進路において両親にあまり金銭的負担をかけたくないというなら、奨学金をとるなりバイトで貯金するなり、解決法はいろいろあると思います。(尚)

A: りんごさん、ボランティアやNGOが安定しているかどうかは、個々の組織や団体によるでしょう。でも、国際公務員だって全然安定していませんよ。これからの世界、何をやっていても安定は実力で掴むしかないのです。メジャー・リーグのように、成績が悪くなればいつ解雇されるか分からない不安定な世界でも、イチローや松井のように実力でチャンスを掴んでいます。

 それから、青年海外協力隊やJICAの専門家は数年間だけの一時的な任務である場合が多いので、そこからどう発展させていくかはやはり自分次第でしょう。参考までに、最近ある会議で知り合ったバイオリニストの五嶋みどりさんがやっているNPOのサイトを以下にリンクしています。彼女は日米の学校を訪問して、子供たち向けに「レクチャー・コンサート」をやっています。こういう活動を途上国に広げていくのは意味のあることだと思いますので、りんごさんも、将来こういうことをやってみてください。(慶長)
http://www.gotomidori.com/foundation/

A: 尚さん、初めまして。貴重な問題提起をありがとうございます。尚さんのおっしゃることは、非常によく分かります。音楽に限らず、他国で仕事をする際はその国の文化に対する理解と尊敬の念を忘れないようにしたいものです。

 ただ、そうは言っても、そういう違いをきちんと理解したうえで他国に外国の音楽や楽器を教えることも意味のあることだと思っています。日本がクラッシックやピアノやバイオリンを西洋のものだと排除しないように、特に音楽やスポーツは国境を越えやすいのではないでしょうか。うちの娘もアメリカ人の先生にピアノを習っています。あるいは、インドネシアのガムラン音楽などは、日本人にも人気があり、日本人の研究家や演奏家がいるらしいですよね。そういうのもアリでしょ。要するに、大事なのは誰が何を教えるかではなく、「教える姿勢と教え方そのもの」なんだと思いますよ。(慶長)

A: お返事遅くなってしまいました。私が思っている事が伝わりきらなかったと思うので、もう少し書かせていただきたいと思います。構成力がないので、また長くなってしまうかもしれませんが…。

 「音楽やスポーツは国境を越えやすい」と、私も思います。それは、感情を直接動かすものであったり、身体運動であったりするからです。西洋音楽が世界中に広まっている理由には、欧米の直接的・間接的支配によって西洋音楽を中心とした音楽教育制度が世界各地に広まった、という以外にも、記譜がわかりやすい、音楽理論が確立している、1度・5度を基礎にしている、など様々理由があると思います。特にメディアが発達した国々では、西洋音楽を耳にする機会が多いことが、世界中で西洋音楽が受け入れられる最も大きな理由でしょう。どこの国の人が西洋音楽を教えても、ガムランを教えても、私はいっこうに構わないと思います。(日本人研究者の研究と日本企業の出資によって、それまで戦争によって廃れつつあった「伝統音楽」が復興した例もあります。)

 先日はりんごさんに自分で考えて欲しいと思ったので、問題提起するだけに留めましたが、私の意見をあえて言うなら、西洋音楽を教える時間と資金があったら、その分現地の音楽を教えて欲しい、ということです。西洋音楽を教えることが、現地の音楽を教えることの「じゃま」になってしまう可能性だって十分あるのですから。音感は、幼少期にどのような音楽を多く耳にしたかで決まる部分が大きいと思います。日本人の教師が「ボランティア」で「発展途上国」に行く費用があれば、現地の人間をそれこそ何人も教師として雇えるのではないでしょうか?もし彼らが自分達の音楽を教えられるのなら、それにこしたことはない、と私は思います。なにしろ、各地域ごとの音感は、外国人がぽっと行って習得できるようなものではないでしょうから(音楽教育のノウハウを持たない現地の教師に、その方法を教えるというなら、それは意味があることでしょう)。西洋音楽を排除しろ、とは言いませんが、日本でも日本の音楽を小学校で扱う動きがある事は、非常に有意義だと思います。(まだ、音楽教師の育成がそれについていっていませんが、日本古来の音感で教えられれば、さらに良いでしょう。)毒皿で言うなら、音楽教育で使っているピアニカ、音程悪すぎます。「吹いて弾いて」という動作は子どもの発達に有効かも知れませんが、私には、あれで音楽教育をしているとは到底思えません…。

 最後にもうひとつ、五嶋みどりさんは西洋人(端的な言い方でごめんなさい)にも「認められた」西洋音楽のエキスパートです。特にレクチャー・コンサートをするようになって以来、彼女の音楽には人の心に強く訴えかける何かがあるように感じます。(おそらくそれは、文化や音楽のジャンルを超えた何かだと思います。)彼女は、教育するのではなく、心を揺さぶる何かを子ども達に伝えられる、だから私は五嶋さんの活動を高く評価しています。私の考えはある意味極論だと思います。ですが、そういう問題点について気づきもしない人がたくさんいると思うので、これを機会に一緒に考えていただければ、と思います。読み返すとだいぶ話があちこち飛んでいますが…ごめんなさい。(尚)

インターポールへの道
Q: 僕は、将来インターポールに入って世界をまたにかけ犯罪捜査をしたいと思っています。今僕は高校3年生なのですがそういった捜査など直接最前線に出れる部署はどういうので、それをするためには日本で何(何学部)を学び、どのように就職すればよいのでしょうか。大学入試までもう残り少ないので出来れば具体的にそして早めに返事を書いていただけるとありがたいです。(だいち)

A: だいちさん、初めまして。僕はインターポールについてはあんまりよく知らないんですよ。でもインターポールのウェブサイトで見る限りでは、直接犯罪捜査をするのは、主な業務じゃないみたいですよ。それよりも、インターポールの役割は、世界の国々の警察を情報面、技術面から支援したり、国際犯罪に関していろんな国の警察組織をコーディネートすることみたいです。

 とにかく、まず辞書を引きながらでもいいですから、一番下にリンクしたインターポールのウェブサイトを隅々まで読んでみてください。特に、「Recruitment」のページは、いくつかの公募が出ていて参考になりますよ。その公募によれば、ほとんどのポストで、望ましい学歴要件は「Law, Public Policy, or Police Management」となっていました。また、職歴は実際に警察官なり警察庁なりの経験が求められる場合が多いみたいです。

 それから、以前もインターポールについて尋ねた質問がありましたので、このサイトの「サイト内検索」に「インターポール」と入力して探してみてください。確か、アメリカの大学院で「犯罪情報分析」の博士号を取得してインターポールへ入った結城秀実さんという方のことが載っているはずです。彼女のインタビュー記事へのリンクは、残念ながらリンク切れになってしまいましたけど。それでは、頑張ってください。今後ともよろしくお願いします。(慶長)
http://www.interpol.int/

Q: どうもご丁寧にありがとうございました。思っていたのと少しICPOのイメージが違いました。まあそういうのもいいかなと思いますが・・とこで、世界中を駆け回って捜査が出来るような職業もしくは機関は無いものでしょうか?このままでは少し心に穴が開いた感じです。もしそのようなものがあるのであれば知っている範囲でいいので教えていただけないでしょうか?なにせあまり世界のことをよく知らないもので・・・どうぞよろしくお願いします。 (だいち)

A: だいちさん、シアトルに行っていたもので返事が遅れてゴメンなさい。この件については全く詳しくないので、あくまで個人的な見解ですが、おそらく捜査権は基本的にその国の警察に所属するのだと思います。ですから、インターポールなどは、国際犯罪の場合に、その国の警察を支援する立場にはあるものの、実際に捜査をする場合があるのかどうか疑問です。あるいは、犯罪捜査などについて二国間で条約を結んでいる場合は、双方の警察が相互に捜査しあう場合もあるのかもしれません。

 改めて言いますが、この件については、僕はよく知りません。インターポールの関係者か、日本の警察で国際犯罪捜査に関わった経験のある人を探し出して、お話をうかがうのが一番かと思います。(慶長)

教育分野の世銀YP、危険な任務
Q: 私は教育学で修士号を取得し、実務経験を4年間積んでおります。慶長さんもYPPで世界銀行に採用されたとのことですが、慶長さんの周囲に専門分野が教育関係でYPPに採用された方はおりますか。もしいるとしても少数でしょうか。また慶長さんは1年間に何回出張で他国に行っていますか。そしてその場所での任務で危険な場面に遭遇したことはありますか。聞いたところによりますと国際公務員が本部以外で赴任・出張で行く国は紛争地や政情不安な危険なところが多いということなのですが。ご回答いただけましたら幸いです。(かき氷)

A: かき氷さん、こんにちは。教育が専門で世銀のYPPに採用された人をひとりだけ知っています。おそらく僕の知らないところにもっといるんでしょうけど。正確なことは分かりませんが、ひとりでもいるってことはチャンスがあるし、仮にひとりもいなくても自分が第一号になればいいわけですから。

 年間の出張回数は、年によっても違うし、部署によっても違います。僕は「オペレーション」という最前線の部署にいるので、出張は多い方でしょう。平均すると年に5回くらいで、延べ日数は100日から120日といったところです。

 国際公務員が出張や赴任で行くのは、大抵が途上国や紛争地です。当然ある程度のリスクが伴います。僕が最近行ってるのは、アフガニスタンやスリランカの紛争地です。このサイトの「ワールド通信」をご覧いただければ、僕がどういう国でどういうことをやっているのか、少しは理解いただけると思います(守秘義務の関係で、あんまり仕事のことは書いてませんけど)。脅かすわけではありませんが、以前はパキスタンで誘拐されかけたり、バングラデシュで乗っていたフェリーが座礁したこともありました。最近では、国際公務員やNGOなどの「ソフト・ターゲット」がテロリストの標的になる例も多いです。僕自身も、出張先でこういった事件や事故に巻き込まれることが一番の心配事です。(慶長)
http://www.keicho.com/world/index.html

人権問題と国際公務員
Q: はじめまして。現在、民間のリサーチ会社において、自治体を中心に委託を受け、人権意識調査や綜合計画の立案に携わっているものです。大学院時代に、外務専門職を目指していたこともあって、国際公務員に関心を持っています。途上国における人権問題を中心に、法整備の調査、人権規約の履行状況等の分析などに携わること希望しています。大学院では法学研究科に在籍し、国際法を専攻していました。修士論文のテーマとして、開発と人権、WTOを中心とした国際経済秩序に関心を持ち、低開発状況という低水準の人権保障状況に対する協力形態として、国際経済秩序における途上国優遇規定を捕らえる主張を行いました。さて、大学院において学んだ国際法と現在の仕事を通じて、人権問題の調査に携わる専門性を認められることが出来るのか疑問に思い助言を伺いたいと思い投稿させていただきました。また、外務専門職試験の筆記試験合格したという事実は、JPO等の審査において強化される可能性は全くないのでしょうか。(七転び八起き)

A: 七転び八起きさん、初めまして。二番目の質問からお答えすると、全くの個人的な意見ですが、JPO試験と外務専門職試験は二つの異なる試験ですから、一方の筆記に合格しただけで、他方の試験に有利になるということはまずないと思いますよ。

 それから職歴については、この書き込みから判断する限りにおいて、僕が国際機関の人事担当なら、かなりの専門性を認めますよ。ただ、大学院の際に、あるいは就職なさってからでも、途上国のフィールドでその国の人権問題についてリサーチをしたとか何かしらの国際的な実践経験がないとアピール度は弱いでしょうね。それでは、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

フランスの大学・大学院と国際機関就職
Q: はじめまして。わたしは、日本の心理学専攻卒で、現在、国際協力に興味を持ち始めているものです。専攻が分野外ということもあり、国際機関等での就職を考えた場合、専門の修士の取得に加え、フランス語力が必要と考え、フランスの大学院にいくことを検討しているのですが、フランスで国際関係、国際開発、国際経済等で力を入れている大学となると、どこになるのでしょうか。また、アメリカやイギリスでは、有名なプログラムがあると思うのですが、語学(フランス語の取得)の習得よりも、まずは、プログラムとコネクション重視で米英の大学院を目指したほうがいいのでしょうか。フランスの大学の情報がほとんどないので、どうしようか悩んでいます。お忙しい中かとは思いますが、何かアドバイスいただければありがたくおもいます。よろしくお願いします。(ヨシ)

A: ヨシさん、初めまして。残念ながら、僕はフランスの大学については全く知りません。IFCに勤めている人で「INSEAD」のMBAを出た人が多いというのは聞いたことがありますけど。誰かフランスの大学に詳しい人がいたら、どうか書き込みください。参考までに、フランスの大学リストを以下にリンクしています。

 フランス語の修得という理由だけで、フランス留学と決めることにはちょっと疑問を抱きました。語学だけならどこにいても修得可能でしょう。それよりも、自分が国際機関で何をやりたいのかをまず具体的に決めて、それを可能にさせるプログラムを提供している大学院を世界中から探し出したらいいですよ。それがフランスなのか、アメリカなのか、日本なのか、僕には分かりません。

 確かに英語に加えてフランス語ができれば有利だし、西アフリカ諸国やハイチなどのフランス語圏を担当したいのであれば、フランス語は必須でしょう。でも、僕の個人的な意見を言わせていただければ、それは英語と専門性が十二分に備わっていて初めて評価される部分だと思います。それでは、今後ともよろしくお願いします。(慶長)
http://www.campusprogram.com/universities/France.html




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