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国際機関への就職に関するQ&A
(2004/11)


2003年の7月からゲストブックに寄せられた「国際機関への就職」に関する質問と、それに対する自分なりの答えを、こちらにまとめて記録に残すことにしました。私の知識と経験の範囲内で最善の答えをしているつもりですが、私の答えが100%正しいという保証はありませんのでご了承ください。これを読んでまだ質問がある人や、国際機関勤務の経験者などでコメントやさらなるアドバイスがある方は、是非ゲストブックへご記入ください。


環境分野の文系の仕事
Q: はじめまして慶長さん。法学部3年のノブといいます。現在、進路関係で悩んでおりまして、「環境」「国際関係」(だいぶ幅が広いですが・・)の二つのキーワードをもとに色々調べていたら、このページにたどり着きました。以下に質問内容を書かせていただきます。

@現在、国家U種の行政区分の受験を考えているのですが、環境省などに入れたとしても国際機関に応募する際の「特定の分野での実務経験5年程度」というのは、可能なのでしょうか?2・3年で異動させられた場合、国際機関への道はなくなるのでしょうか?慶長さんの場合、地方公務員だったそうですが、一般職の技術系でしょうか?それとも事務系でしょうか?
AQ&Aコーナーの、「環境問題のどの分野に関わっていきたいのかを決めたほうが、道が見えてくる。」という慶長さんの言葉は正にそのとおりだと思い、色々調べています。しかし、自分は文系ということもあり、環境行政関係でいくしかないのではないかと考えています。文系でも環境に関係する国際機関を目指すには、どんな道があるのでしょうか?誤解を招くかもしれないので書いておきますが、国際機関に入ることが目的ではありません。国際機関にしかない環境問題解決の役割があるなら、その一端を担いたいと考えているだけです。
B自分は大学では勉強をすると決めていました。しかし、これといったなりたい職業があったわけではなく、とりあえず、税理士試験の簿記論と財務諸表論(会計系の試験)の受験に今までの大学生活を費やしてきました。そこで、会計系のことと環境のことを結びつける道はないのか?と思い探していました。ですが、自分の見解では、ないとの結論に行き着きました。そこで慶長さんに聞きたいのですが、そうゆう道はあるのでしょうか?もしあるなら教えていただきたいのです。以上です。知る限りでいいので教えていただければ幸いです。(ノブ)

A: ノブさん、初めまして。文系と環境問題の接点はかなり多いと思いますよ。まあ、そもそも文系と理系を分けて考えるのも日本くらいですから、あんまり意味があるとは思えませんが。とりあえず、二番目の質問から答えるとすると、環境法(Environmental Law)、環境経済(Environmental Economics)、環境会計(Environmental Accounting)などをキーワードにいろいろ検索してみてください(英語で検索した方がいいでしょうね)。こういう分野の仕事は国際機関でも数多くあります。

 最初の質問に関してですが、「環境省に入れたら国際機関に実務経験とみなされるか」というのは、ひとえに環境省でどういう業務に携わるかによると思います。僕自身は都市工学を専攻し、市役所でも都市開発や都市環境に関する業務をずうっとやっていました。僕の場合は技術系か事務系かは、ほとんど関係なかったような気がします。どっちもやっていたような記憶がありますので。

 三つ目の質問ですが、上でも述べた様に「環境会計」という分野があります。例えば、水道事業やゴミ収集・処理などの環境事業や環境政策の「Full Cost Accounting」を明らかにして、経費回収や受益者負担額の望ましい道筋をつけるとか、そういうアドバイスは途上国各国が必要としています。水道企業などの公営企業の財務を改善するアドバイスなんていうのも、世銀をはじめ援助機関には必要な業務です。あるいは、最近のケースですと国際機関が主導している二酸化炭素の排出権の売買なども、環境権と会計学の接点だと言えるかもしれません。環境経済の分野では、環境政策のコストとベネフィットを比較検討したり、費用対効果を算出したりと、会計の知識も必要なのではないでしょうか。ということで、ノブさんの専門が活かせる道は少なからずあるような気がしますので、いろいろ情報収集をして頑張ってみてください。今後ともよろしくお願いします。(慶長)

A: はじめまして。tmESCnで環境分野での仕事をしております、ぶらんかです。私もいわゆる「文系」で、環境関係の仕事に3年半ほど関わっておりますので、横から一言失礼いたします。@ですが、国家II種についてはわかりませんが、以前私が仕事をしていた環境省系の団体の上司の多くは、OECDやUNEPなどに出向された経験がありました。ですから、日本の国家公務員でも国際機関で一時的に仕事をすることは可能なようです。

A「文系でも環境に関係する国際機関」ということですが、基本的にどの国際機関でも、文系の人はいるのではと思います。私は人類学のバックグラウンドですが、同僚には経済学者、法学者、政治学者などがおります。ですから、慶長さんがおっしゃるように、分野を決めてからその分野に自分がどのように貢献できるかどうかお考えになったらよいのではないでしょうか。

 Bに関しましては、慶長さんの答えがずばりなんではないでしょうか。環境というのも、人間がいて「環境問題」となるのですから、少しでも環境関係に従事する文系の人(社会科学者)が増えてもらえたらと思っております。(ぶらんか)

Q: はじめまして、ぶらんかさん。返信ありがとうございます。自分の気になるところとして、文系の人が環境関係の仕事といった場合、実際の現場ではどのような仕事をされているのかというところがあります。ぶらんかさんは、人類学がバックグラウンドとのことですが、差し支えなければ実際の現場ではどのような仕事をされているのか教えていただけますか?よろしくお願いします。 (ノブ)

A: ノブさん、こんにちわ。慶長さんがおっしゃる通り、あまり日本以外で「文系」「理系」と分ける習慣はないので、題名ではあえて「社会学者」と書きました(もちろん、人文科学者、法学者で環境の仕事されている方沢山いらっしゃいますが)。

 私の仕事はおおまかに説明すると「環境(自然)と人間の関係について」です。現在関わっている業務は、生物多様性と文化多様性の関係について、自然保護地域においての社会的側面のモニタリング、自然保護地域における観光、が主です(私はUNESCO本部勤務なので「現場」というのはちょっと違和感がありますが)。その他にも、同僚の経済学者は自然保護地域の経済的価値について、法学者は自然保護に関する政策や法律について、人類学者は伝統的知識(traditional knowledge)と自然資源管理の関係について、仕事をされております。自然保護だけでもこれだけ社会科学者が活躍できる場があるのですから、他の環境の分野でも沢山あるのではないでしょうか。ノブさんも、ご自分のフィールドをうまく見つけるよう、頑張ってください。(ぶらんか)

Q: 貴重な意見ありがとうございます。たしかに、文系でも環境関係の仕事があることがわかり、希望が見えてきました。ひとつ気になったのですが、ぶらんかさんのような文系の方々は、博士号を持っていらっしゃる方ばかりなのでしょうか?また日本の大学出身、海外の大学出身で採用に差はでるものなのでしょうか?(ノブ)

A: ノブさん、こんにちわ。統計を取ったわけではないので正確なことはわかりませんが、UNESCOの自然科学セクターに勤めるプロフェッショナルの大多数は博士号を持っていると思います。また、博士号を取っていない人のほとんどは文系の方でないでしょうか。ご参考まで、私は現在日本の大学院の博士課程に在籍しています(社会人学生3年目)。

 最後の質問に関して、どこの大学を卒業したかで採用の差が出るかはよくわかりません。私に関して言えば、学士(米国)・修士(カナダ)・博士(日本)ですが、全て比較的名の無い大学です。どちらかと言えば、大学が「どこ」(大学名、大学の所在地)かより、大学で「何をしたか」の方が重視されるのではないでしょうか。(ぶらんか)
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経済、経営関係の研究者から国際機関へ
Q: 私は日本の国立大学の経営学部の3年生で現在スイスのベルン大学に交換留学生として経済学を学んでいます。将来国際公務員になって戦乱や貧困に困っている人たちに少しでも希望やチャンスを与えられたらと思っていて、最終的な夢は途上国にビジネススクールを設立することでした。しかし最近大学生になりいろんな現実を知り、こっちに来て自分の専門のなさを痛感し、海外では経営学部と言うのは経済学部の一環から発展して行くもので経済学のバックグラウンドがないとなにも極められないと言う現状に立たされて、大学3年で経済の基本が全くない私は劣等感とジレンマでいっぱいの生活を送っていました。

 そこでこのサイトを発見してなんだか少し元気をいただきました。最近は国際公務員に固執せず、まず自分が何をしたいのかから考えています。自分が研究者の立場に立ちながらも教育に進みたいと思っています。そうなるとやはり国連のような国際機関になるわけなんですけどね・・・。経済、経営関係の研究者から国連に来ている人はいるんでしょうか?最近経営学と国連って実は程遠いんじゃ・・・って気がしてならないのですが・・・。スイスで国連ヨーロッパ本部を目の前にして最近ほんと行き詰まっています。両親に一銭も負担をかけられないので就職してお金を貯めるのが先かとも思いますがそのまま機会を失ってしまいそうで帰って卒業したらそのまま院留学して奨学金獲得か・・・と迷ってます。なんだかあんまりはっきりしない質問だしちょっと関係なかったりしてるかもしれなくてごめんなさい。実際に学生時代を通過して希望の職についていらっしゃる方にお話が聞いてみたくて。(hase)

A:  haseさん、初めまして。スイスからの書き込み有難うございます。「劣等感とジレンマでいっぱいの生活」とおっしゃいますが、それに早目に気づいたことは素晴らしいことだと思いますよ。ポジティブに行きましょう。まだまだ勝負はこれからです。

 「経済、経営関係の研究者から国連に来ている人はいるんでしょうか?」という質問ですが、少なくとも世銀グループにはエコノミストもMBAもとても多いです。世銀グループの仕事は、正にhaseさんがおっしゃるところの「戦乱や貧困に困っている人たち」をターゲットにしています。よかったら以下のウェブサイトでいろいろ情報収集してみてください。最後になりますが、「国際公務員に固執せず、まず自分が何をしたいのかから考えています」という言葉には120%賛成です。その「本当にやりたい事をやりたい」という気持ちが強ければ、今の劣等感やジレンマにも打ち勝てるはずですから。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)
http://www.worldbank.org/

社会人からの転身、メディアと教育
Q: はじめまして。現在社会人3年めのナオノと申します。現在マスコミの企画部で働きながら、国際公務員への熱い思いを持ち続けています。今後、メディアと教育といった分野で修士号をとり、国際機関に挑戦したいと思っているのですが、その場合応募できる機関というのはUNESCO以外にもあるのでしょうか?調べてみてもなかなか見つかりません。もし何かご存知でしたら教えていただけると幸甚です。また、もしこの研究では応募できるポストがあまりに限定されてしまう場合、同じく興味のある人材資源管理といった分野での修士も考えているのですが、そうなると前職との関連が薄くなる感は否めません。国連では一貫したキャリア・学歴でないとマイナスに評価されるとも聞きましたが、そのあたりはどうなのでしょうか。(ナオノ)

A: ナオノさん、初めまして。今ユネスコのサイトを見てきましたが、確かにあそこには「メディアと教育」に関するプログラムがあるようですね。この分野に関しては僕は全く無知なので、他の機関に同様の業務があるかどうかは存じ上げません。それと多少ズレるかもしれませんが、僕の勤める世銀では最近、情報テクノロジーを使った遠隔教育に力を入れています。興味があれば以下にリンクしたサイトをご覧ください。

 学位とキャリアの一貫性については、一貫していた方がより「専門性」が高いと見なされるのは確かでしょう。ただ、学位と職歴が全く関係ない場合を別にすれば、分野が多少違っても補完性が強ければプラスになるケースもあるような気がします。それは、ケース・バイ・ケースでしょう。国際機関側にどう見られるかを気にして専攻を決めるよりも、「本当に自分は何をやりたいのか」を基に決めた方がいいと思いますよ。それでは、今後ともよろしくお願いします。(慶長)
http://wbweb5.worldbank.org/disted/home.html

国際相互理解と国際機関
Q: はじめまして。むらこと申します。国際関係学部で国民国家、ナショナリズム等を学んでいる大学2年生です。高校時代から国家、民族等を理由に争い合う人間のなぞに魅かれ、そして悲しさを覚え現在の専攻を選ぶにいたりました。将来は異なる国家、民族、宗教をもつ人々の相互理解を深め互いを尊重する世界をつくるべく働きたいと考えています。日本の国際交流基金も選択肢の一つですが、このような仕事は国際機関ではどこにあたるのでしょうか。言い換えるならば専攻している国際社会学はどこで主に役立ちますか。(むらこ)

A: むらこさん、初めまして。「将来は異なる国家、民族、宗教をもつ人々の相互理解を深め、互いを尊重する世界をつくるべく働きたい」というその志に敬意を表します。さて、どの国際機関にそのような仕事があるのか、いろいろ調べてみましたが、「ユネスコ」が一番近いような気がします。以下のユネスコのサイトから左側メニューの「Culture」をクリックし、「Cultural Diversity(文化の多様性)」や「Intercultural Dialogue(異文化間の対話)」のページを読んでみてください。それでは、今後ともよろしくお願いします。(慶長)
http://www.unesco.org/

英語と第二外国語
Q: こんにちは。私は最近、英語の他にもう一ヶ国語勉強をしてみようかなぁ、と思い始めました。フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語が国連の言葉ですよね?その他にアラビア語もいいらしいですが・・・特に今需要のある言葉というのはあるのでしょうか。自分の担当したい地域で使われている言葉を話せるのがいいのだとは思うのですが・・・どんなものでしょうか。でもその前に英語をマスターするのが先決でしょうか。ちょっとしたアドバイスをどなたかお願いできませんか?(まき)

A: まきさん、こんにちは。おっしゃる通り、自分が担当したい地域が決まっているのなら、その言語(中南米ならスペイン語、西アフリカならフランス語などなど)ができることは大きなプラスになるでしょう。ただ、それも英語で仕事ができてこその話です。個人的な見解ですが、日本人の場合、語学に関しては一に英語、二にも英語だと思います。でも、一番大事なのは、語学と専門性を併せた総合力でしょうね。(慶長)

国際機関のコンサルタント
Q: 慶長さん、はじめまして。はちと申します。現在米国在住で、隣に住むアメリカ人の女性が国連機関でコンサルタントとして働いています。さて、そこで質問です。コンサルタントというのは、かみくだいて言えば、派遣職員といったところなのでしょうか?コンサルタントとして機関で働き始めても、その後正式に採用される、というようなことはあるのでしょうか?また、コンサルタントの募集等の広告はその機関のホームページでは見たことはないのですが、どんな人たちがどういった選考を経てコンサルタントとして働いているのでしょうか?(はち)

A: はちさん、初めまして。一般的には国際機関のコンサルタントとは、正規職員以外の総称だと思ってください。だから、短期、長期、ローカル、インターナショナル、ジュニア、シニアなど実にいろんなコンサルタントがいるのです。コンサルタント契約の後に、正式採用となる場合も当然ありますよ。コンサルタント時代の実績と上司との相性次第でしょうけど。

 機関にもよりますが、一般的にコンサルタントの採用は、正規採用よりもかなりいいかげんで随意契約も多いです。世銀の場合は採用期間や給与水準にもよりますが、三人以上のCVを取り寄せて担当業務への適性を比較することになっています。コンサルタント採用を望む人は、まずは担当者に名前を売り込むところから始める人が多いようです。僕のところにも、「コンサルタントとして雇ってくれ」というCV添付のメールがよく来ますよ。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

医者出身の国際公務員
Q: 慶長さん、はじめまして和知と申します。現在、内科医として大都市の拠点病院で勤めております。職業柄、国際公務員を目指すとなるとWHOが一般的なのですが(第一志望です)、世界銀行でも医者出身の方はいらっしゃいますか。(和知)

A: 和知さん、こんにちは。世銀にも医者出身の職員はいますよ。途上国の医療・保健部門の支援を担当している場合が多いでしょう。もっと詳しくは、以下にリンクした8月のQ&Aから「世銀の保健衛生部門の職員の経歴」という所を見てみてください。(慶長)
http://www.keicho.com/majordebut/qanda200408.html

国際機関を目指す専攻(国際関係学と社会学)
Q: はじめまして。初めてこのサイトを知ったのですがとても勉強になります。私はアメリカの大学に進学しようと思っている高3です。 専攻を具体的にしてから大学を決めたいのですが、国際公務員または他の国際機関で働くのに社会学などは役に立つのでしょうか? あと、国際関係学と社会学などでは途上国を実際援助するにあったてどちらが実用的ですか? 理数系を専門にはできないので、文系でどういった分野を専門的に勉強したらいいか迷っています。ぜひ教えて下さい。(VERONIKA)

A:  Veronikaさん、横入り失礼します。まず最初の質問ですが、国際機関で働く場合、社会学は開発プロジェクトのモニタリング・評価などで有効かと思います。また大学の専攻について迷っておられるようですが、自分が開発問題のどの部分(貧困・教育・保健・環境・行政etc)で貢献していきたいかによって答えはかわってくると思います。国際機関で働く、ということの前提として上の部分について考えてみてはいかがでしょうか?補足ですが国際機関への就職ではほとんどの場合、マスターが必須となってきます。(akane)

国際公務員は狭き門?
Q: はじめましてこんばんは。現在高校一年生、進路に悩むみさです。早速ですが質問させていただきます。
1 国際公務員はやはり狭き門なんでしょうか?
2 過去レスから見て給与は高額でないと聞きました。本当ですか?あとどれくらいの額ですか?
3 定年は決まっていますか?
4 JPO?の間は給与は支払われるんですか?ズケズケと無遠慮な質問すみません・・・。(みさ)

A: はじめまして、かき氷といいます。国際公務員の入口は、いくつか存在します。@国連職員採用競争試験AJPOB空席公告C採用ミッションDUNESCO,OECD,UNICEF,UNDP,世界銀行、米州開発銀行、アジア開発銀行などのヤングプロフェッショナルプログラムなどです。この中でAとC以外は全世界からの応募があり、100人から200人に1人しか採用されないという厳しい現実があります。Aは日本人の国際公務員を増やすために外務省がスポンサーとなって毎年実施しているもので、毎年45名から65名位の範囲内で、様々な国際機関に派遣されています。任期は通常は2年間で、国際公務員としての経験を積ませるものです(これはあくまで正規職員ではないです)。UNICEFなどの日本人職員はほとんどが、このJPO出身者です。倍率はだいたい10倍から15倍位です。Cは拠出金・分担金の負担率に対する職員数が少ない国を対象に、その国の職員を増やすために人事担当者が来日して、面接を実施して採用するものです。国連事務局と国連開発計画がほぼ毎年行っています。また国際通貨基金も比較的多いらしいです(ただし国際金融機関は財務省が窓口です)。さらに修士号以上の学位や高度な語学力の要求など日本人にとっては、こえなければならない壁が存在します。給与は機関によって若干ことなりますが、ポストや勤務地などによって異なりますので、一概には言えないと思います。しかし私も今UNESCOなどを狙っておりますが、入れたとしても年収はかなり減少します。日本の大企業と比較したら正直安いと思いますよ。そして定年は62歳というのが多いようです。JPO派遣期間中は日本政府(外務省)から給与をいただく形となります。(かき氷)

国際機関とニューロサイエンス(神経科学)
Q: 私は現在アメリカの大学院でドクターコースに在籍中です。専門はニューロサイエンス(神経科学)で、来年の夏にPh.D.取得予定、その後ポスドク(post doctoral trainee)としてフランスでさらに研究を続ける予定です。昔から漠然と『国際公務員になりたい』『国際的な立場で仕事をしたい』と思っていて、今でもその気持ちは変わっていませんが、具体的にどういう道があるのかいまだにわからない状況です。国際公務員になるには専門分野をもつことが大事というのもあって、とりあえず興味ある分野でPh.D.を取得することにしましたが、様々な関連サイトを見ると求められる専門分野というのは、財務、法務、土木建築、電気通信、環境等で、ニューロサイエンス(もしくはライフサイエンス一般)の専門家を求めるという項目は見たことがありません。医師(M.D.)でもないので、医療業務に携わるというわけにもいきません。できれば自分の専門を活かした仕事をしたいと思うのですが、ニューロサイエンスの専門家として国際公務員への道はあるのでしょうか?また、あと数年は研究を続けたいと思うのですが、年齢的なことはどの程度考慮しなければいけないのでしょうか(今年30歳になります)?慶長さんは世界銀行へお勤めとのこと、専門分野がかなり異なりますが、わかる範囲でお答えいただければと思い、書き込ませていただきました。他の方でもどなたかアドバイスいただければ、よろしくお願いします。(渓谷)

A: ご指名のtoffeeです(笑)。ちょっとばたばたしていますので手短に。基礎系のご研究をなさっていると思いますが、ご自身でご専門をどのように国際社会に貢献できるとイメージされていますか?そこが出発点のように思います。ちょっと考えてみてください。なお、私がすぐに思いつくこととしては、化学兵器に関わることぐらいですかねえ。。。なんせ専門外なので、ごめんなさい。渓谷さんのさらなるコメントをもとにもう少し考えてみたいと思いますので、今日はこの程度で失礼します〜。(toffee)

Q:  toffeeさんのおっしゃるとおり、『自分がどのようなかたちで国際貢献したいか?というのが出発点』なんですが、現在の私はそこがまだ漠然としているのだと思います。そもそもニューロサイエンスは『国際貢献したい』という思いとはまったく独立に選択したものですので、、、、。『化学兵器(もしくは生物兵器)に関わること』というのは、どの機関での仕事になるのでしょうか?少し興味があります。国連には、科学捜査研究所のようなところがあるのでしょうか?国連薬物犯罪事務所(UNODC)という機関がありますね。これも少し興味あります。これは研究機関というわけではないのですよね?防止対策、という形の仕事になるのでしょうか?なんだか質問ばかりですみません。周りには『国連ではたらきたい』などという人が誰もいなくて、、、大学などの研究職に就かずに国連で働く道を考えたい、などと言うと、『今さら何言ってんの?』というような反応が返って来ることもあり、『やはり非現実的なのか?』と迷っているときにこのサイトを見つけ、一人で考えるよりは質問してみよう、と思った次第です。逆に、もし専門にそれほどこたわらないのだとしたら、採用の際、ハタケちがいの高学歴(それに伴う高年齢)というのは、かえって不利になったりするのでしょうか?(会社などでは、修士は欲しいが博士はいらない、というのはザラですが、、、)その際、ポスドク経験は、職務経験とみなされるのでしょうか?私はどちらかというと、収入もあまり気にしないし危険も厭わないつもりですので、そういう意味ではこういう仕事に向いているかも、、、と思うのですが。上記の質問のいずれかにでも、わかる範囲でお答えいただければ幸いです。(渓谷)

A: 渓谷さん、こんばんは。渓谷さんのおっしゃってる関連の国連機関を僕なりに探してみました。『外務省国際機関人事センター』のHPによると… ・包括的核実験禁止条約機関準備委員会(CTBTO)
・国際原子力機関(IAEA)
・世界銀行(WB)
・化学兵器禁止機関(OPCW)
・国連薬物犯罪事務所(UNODC)
などだと思います。まだあると思いますので、『外務省国際機関人事センター』のHPのリンクを貼っておきますので是非ご参考にしてください。それでは!(吉川)
http://www.mofa-irc.go.jp/link/link.htm

A: 渓谷さん、慶長さん、吉川さん、toffeeさん、こんにちは。大学院時代に、痛みの研究や発生生物学をやっているポスドクの友人がいましたが、彼らの研究環境と国際機関の性格を考えるとニューロサイエンスの分野で研究をやっている国際機関は無いと思います。あの人的集約な場を作るのは国際機関では予算上無理です。ただ、国際保健関係(WHO)、化学兵器関係(OPCW)あとは安保理下での兵器査察ミッション等でニューロサイエンスの知識が活用される可能性はあります。私は実際を知らないのですが、知識を提供するのは組織のin-houseの専門家ではなく、外部consultantだと思います。そして、コンサルタントはたいてい大学の研究者です。ポスドクというリサーチキャリアを積んでも、コンサルタントとして国際機関の業務に関わる機会は多いと思います。これは各機関の出版物やレポート、または学術誌のacknowledgementを注意して見てみたら、どのようなresearch veinがどの機関と関わっているか見えてくる可能性もあるでしょう。リサーチの道を捨てて、ということも考えられますし、結構国連に多い形でもあります。国連本部の総務関係のディレクターが工学か何かのPhDとかという話も聞きましたし。ただ、肩書きを望むだけで国際機関志望というのは非常に危険な選択だと思います。特に研究者として一人前であられる方にとっては。友人の研究室を何回か訪ねたことがありますが(実験用の魚を飼ってたり)、あの分野はもう研究室が国際機関並みに国際色豊かな気もしました。研究を進めることでの国際貢献ということも充分あると思います。特にニューロの分野はtangibleな成果があるわけですし。(まとはふ)

Q: まとはふさん、貴重なご意見ありがとうございます。まとはふさんのおっしゃるような点がまさに悩みの種でして、、、

>研究を進めることでの国際貢献ということも充分あると思います。
たしかに、研究の世界は国際色豊かです。私がPh.D.を志した理由の一つもそこにありますし、研究を進めることで人類の知的財産に貢献、という方法もあります。ただ、まとはふさんのおっしゃるとおり、予算上の問題で研究活動を行える国や機関は限られており、研究者は自然とお金のある所(国)に集まります。つまりお金のある国(アメリカなど)ではより研究が進み、お金のない国はいつまでたっても科学が進歩しません。私自身、『ニューロサイエンスを学ぶならやはりアメリカ』というのもありここに来たのですが、科学界の実際を知るにつれ、自分の中でconflictが生じつつあります。 もし『発展途上国に科学(教育)の発展を』というのが目的ならば、UNESCOなどがそれに相当するのでしょうが、、、UNESCOの政策にあたって、果たして科学者が必要とされるのか?という疑問がありますし、そもそも自分の中で、『科学の普及に貢献する仕事』をしたいのか、『専門知識を利用した仕事』をしたいのか、その結論が出ていないのかもしれません。UNESCOなどは前者の場合、UNODCやOPCWなどは後者の場合だと思うのですが、、、。

>ただ、肩書きを望むだけで国際機関志望というのは非常に危険な選択だと思>います。特に研究者として一人前であられる方にとっては。
私はまだ『研究者として一人前』というわけではないので、、、だからこそ、今が身の振り方を考える時なのではないかと思うのです。まとはふさんのおっしゃるように、大学などで研究しつつコンサルタントとして国連に関わるのなら、コンサルタントとして求められるほど研究者として実績を積むことが第一となります。逆に国連職員として勤務するのなら、そして国連で研究するのが無理ならば、研究の道を捨てる決断をしなければなりません。(国連組織でin houseの専門家を求めているというのをご存知の方いらっしゃいますか?)正直なところ、この決断がなかなか難しく、、、というのは、一度研究をやめてしまう(論文を書かなくなってしまう)と、その後研究の世界に戻ることは非常に難しいからです。『肩書きを望むから国際機関志望』というのは、ひょっとしたら半分はそうかもしれません。肩書きというより、自分が何のために仕事をしているのか、という大義名分というか、、、上記のような理由から、『研究しやすい環境があるから』という理由だけでアメリカに留まることに疑問を感じたのは事実です。だからといって『発展途上国で研究してその国の科学発展に貢献する』と豪語できるほど私は優秀な研究者ではありません。そんな中、国境を取り除いた機関である国連で、(そういう道を希望する科学者が少ないのなら尚更)私に出来ることが何かあるだろうか?と思った次第です。非常に長くなってしまって申し訳ありませんが、皆様のお陰で自分が何を考えるべきなのか、少し明確になってきたように思います。更なるご助言がありましたら、またよろしくお願いします。(渓谷)

A: 渓谷さん、肩書き云々のところは言葉が過ぎました。気を悪くされたら申し訳ありません。ただ、研究者と国際機関の関わりでは、研究コミュニティの方にベースをおいて活動する方が幸せなのかも、という感想を私自身が抱いていますので。私の分野は経済学ですが、私が勤める機関できちんと80年代から90年代にかけての学界での動向を理解しながら仕事をしているベテラン職員(つまり、in-houseの専門家)は非常に少ないです。経済学の場合、新しい理論が必ずしも「正しい」とは限らないわけで、それはそれで良いのかもしれません。が、やはりresearch veinの一番新しい部分を業績として学位を取った人間としては、「わかってない人」が上司になるのは非常にストレスとなります。これに耐えられず、国連機関で安定した契約身分を保証されながら、あえてポスドクにもどった同僚は2人います。研究環境が人的集約でも装置集約でもない経済学でこういう感じですので。。。

渓谷さんの場合、なんとか今のご専門と国際機関が必要とする分野・レベルがマッチされるような道があれば良いと思うのですが、私もそこまではわかりませんので(と言いつつ、口出しして申し訳ないです)。もしかしたら、ウェッブ検索でなんらかの手がかりが掴めるかもしれません。「Terms of Reference」というのが国際機関が専門家に業務を委託する時の業務指示書みたいなものなのですが、多数ウェッブに上がっています。これと、渓谷さんが関係されている専門のキーワードをキーとして検索してみる、というのも手段でしょうか。 数理生物学のようなことをされていたら、統計の専門家ということも考えられるかもしれません。この場合、国連競争試験の統計分野の試験を受けると良いと思います。あらためて、すみませんでした。ご健闘を祈っています。 (まとはふ)
 

国際社会での工学系の需要
Q: 私は今大学の工学部を目指している学生です。都市設計に興味があります。現在、国際社会で、工学系ではどのような分野が需要があるのでしょうか?また、今後どのような分野で需要が拡大するとお考えですか?返信宜しくお願いいたします。(あじゃ)

A: あじゃさん、初めまして。「国際社会で今後どのような工学系の需要が増えるか」という難しい質問をいただきました。真っ先に頭に浮かんだのは、水問題も含めた環境系です。これに関連もしていますが、都市問題も大切でしょう。できれば工学系の知識だけでなく、こういう問題に対処するに有効な政策論や組織論も学べれば鬼に金棒かもしれません。では、今後ともよろしくお願いします。(慶長)

難民支援のための国際機関とNGOの役割
Q: 高3で今年受験生の者です。私は将来、貧困のために不自由な生活を強いられている人々や紛争などによって発生する難民の人々を救う仕事をしたいと思っています。しかし、この仕事をするには国際公務員となって国際機関で働くのか、NGOでもこのような仕事ができるのか、が分かりません。(学部は法学部を志望しているので、法律、政治に関わる仕事がしたいのですが…)私が希望している仕事をするにはどのような機関に入れば(目指せば)いいのでしょうか?初歩的な質問ですみませんが、どうか返信よろしくお願いします。(エポニーヌ)

A: エポニーヌさん、初めまして。まず、「難民の人々を救う仕事がしたい」と言っても、具体的に何がしたいのかをお考えください。それを考えるヒントはこのサイトの「メジャーデビュー」のページに溢れています。フロントページから「サイト内検索」のページを開き、「難民」というキーワードを入れてみてください。

 基本的にUNHCRなどの国際機関は、難民をとりまく法整備や政策支援、実際の難民支援プログラムへの資金的、知的貢献でしょう。実際に現場でそのプログラムの運営を担うのが、その国の政府やNGOなどだと思います。まあ、NGOと言っても実に様々な種類があるので一概には言えません。法学部出身であれば、難民に関する国際条例の草案・見直し、難民発生国や受け入れ国の法制度確立のための支援などができると思いますよ。では、今後ともよろしくお願いします。頑張ってください。(慶長)




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( http://www.keicho.com )