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WASHINGTON 通信(September 2002)



夏の終わりのレイバー・デイ (2002/09/03)


 今日9月第一月曜日は、レイバー・デイの休日でした。ハワイやフロリダなど一部を除くアメリカの多くの地域では、この日が夏の終わりとしての区切りの日だとも言う事ができます。その証拠に、大抵の屋外プールは今日がこの夏の最終営業日となります。夏休みは今日までで、明日から新学期という学校も多いようです。世銀でも、夏の間はサマー・カジュアルと呼んでスーツやネクタイを着用しなくてもよかったのですが、明日からはまたビジネス・フォーマルです。

 さて、僕にとってもこのレイバー・デイ明けの明日は、ちょっとした区切りの日でもあります。1994年の8月末に初めてワシントンにやって来て、レイバー・デイ明けの9月第一火曜日から世銀の仕事を始めたのです。早いもので、あれから丁度8年が過ぎました。明日から9年目の海外生活に突入です。毎年毎年、一年の長さが短くなっているような気がします。いつまでワシントンにいるかは全くの未定ですが、当分はここでの生活ということになりそうです。



パソコン大臣 (2002/09/07)


 ちょっと前に、「夏休みで日本に向かう飛行機の中で、小泉内閣の某大臣と一緒でした」と書きましたが、それは村井仁・国務大臣(国家公安委員会委員長)でした。ワシントン発成田行き全日空に奥様と二人で座っていらして、ワシントン出張からの帰りのご様子でした。大臣ご夫妻のすぐ後ろと斜め後ろには、SPと思しき頑強な3人の男達が座っていました。僕と妻は、「万が一この飛行機がハイジャックされても、あのSPさんたちが犯人を退治してくれるだろうね」と話していました。

 さて、その村井大臣ですが、離陸してからしばらくはパソコンを操っていました。失礼ながら、あの年齢で自らパソコンを操っていた姿を拝見して、好感が持てました。バッテリーが切れたのか、数時間後にはパソコンを仕舞ったようでしたが、僕がスチュワーデスさんにパソコン用バッテリーを借りるのを見て、村井大臣もバッテリーを借りてまたキーボードを叩き始めました。

 先日インターネットでネット・サーフィンをしていて、その村井大臣のホームページを発見しました。やっぱり。しかも、内容もかなり充実していて、メルマガまで発行している。あの時、機内でもワシントンの出張報告をHPに載せるべく、文章を作成していたのでしょう。HPによると、村井大臣はもともと通産官僚で、若い頃、在オーストラリア大使館に勤務していたことがあるそうです。HPには、ブリスベンのローンパイン・コアラ保護園で撮影した20年以上前の奥様の写真も載っており、一気に親近感が湧きました。ちなみに、僕の次女が機内を走り回って、その奥様にぶつかりそうになった時も、優しい微笑を投げ掛けていただきました。その節は、ご迷惑をお掛けしました。



ワシントンDCにメジャー・リーグ球団を! (2002/09/10)


 メジャー・リーグ・ベースボール(MLB)は、いよいよ終盤戦を迎えました。イチローのマリナーズは、ここに来て失速気味です。破竹の20連勝で一気にア・リーグ西地区の首位に躍り出たアスレチックスはおろか、エンジェルスにも差を開けられ、ワイルド・カードでのプレーオフ進出も難しくなってきました。イチローの2年連続首位打者も、かなり厳しくなりつつあります。ナ・リーグ西地区では、野茂が引っ張るドジャースと新庄のいるジャイアンツが、ワイルド・カードでのプレーオフ最後の椅子を争っています。個人的には、久しぶりにプレーオフで投げる野茂を見てみたいです。そして、できればワールド・シリーズまで行ってほしいです。

 このMLBは、ご存知のように、8月30日のデッド・ラインぎりぎりでようやくオーナー側と選手会が労働協定に合意し、ストライキを回避しました。その新たな合意事項のひとつに、「2006年までは、現在30チームある球団数の削減はしない」という一項目があります。実は、数年前から、MLBの球団数削減が取りざたされていたのです。球団数削減のターゲットにされていたのは、カナダのモントリオールに本拠地を置くエクスポズです。そもそもどういう経緯でモントリオールに球団ができたのかは知りませんが、フランス語圏のモントリオールという土地柄か、ベースボールは全然人気がなく、球場はいつも閑古鳥が鳴いているといいます。そういう訳で、エクスポズの球団経営は大赤字で、削減対象の筆頭候補になっていたのです。

 さて、「2006年まで球団数の削減はしない」という協定が発効して、喜んだのはワシントンDCです。ワシントンDCは、MLB球団の誘致に手を挙げていて、エクスポズが消滅しないなら、身売りするしかないので、そうなれば、モントリオールからワシントンDCに球団が移転する可能性が高いからです。僕も、密かにそうなればいいなあと思っています。

 しかし、このワシントンDCへの球団移転に大反対している人が一人だけいます。それは、ボルチモア・オリオールズのオーナーです。ボルチモアは、ワシントンDCから車を飛ばして1時間ほどの街です。僕も何度か行きましたが、ワシントンDCの野球ファンは、大抵ボルチモアまでMLBを見に行くのです。オリオールズのオーナーは、ワシントンDCに球団ができれば、ワシントンDCからボルチモアまで来るファンが減り、オリオールズの観客動員に影響が出ると怖れているのです。

 希望的観測かもしれませんが、地元のワシントン・ポストを読む限りでは、ワシントンDCに球団ができるのはほぼ確実で、早ければ来年のシーズンから実現するかもしれないということです。そうすれば、エクスポズには今年大活躍している大家投手がいるので、彼がここワシントンDCで投げることになると思うと、楽しみです。おっと、ベテラン吉井も忘れてはいけません。ちなみに、ワシントンDCには、1971年までは、MLBの球団があったんです。その球団名は、「ワシントン・セネターズ」です。セネターズというのは、上院議員という意味ですが、いくらワシントンDCはアメリカの首都で、議員さんがいっぱいいるからと言って、野球チームにこの名前はないですよね。議員さんの野球チームみたいで、超弱そう。今度の球団名は、もっと強そうでカッコいいものにしてもらいたいです。どんな名前がいいか、僕もちょっと考えてみます。



ワシントンのビルを覆う星条旗 (2002/09/16)


 あの事件から一周年ということもあって、先週からワシントンの街には星条旗があふれています。去年9月末に、単身赴任先のブリスベンから一時帰国したときも、やたらに星条旗が目に付きました。しかし、今年の様子はあの時と少し違っています。去年は、一般市民がベランダや庭や玄関先や車に小さめの星条旗を付けていましたが、今年目立つのは、ビルの壁面を覆う巨大な星条旗です。今、ワシントン界隈のビルというビルは、大抵が屋上からこういった巨大な星条旗を垂らしています。僕にとっては、ちょっと異常な光景です。ブッシュ政権からこのような通達でもあったのでしょうか?

 去年の9月11日以来、「不朽の自由」と題してテロや戦争と平和について別のページで雑感を綴ってきましたが、今年の9月11日で、そちらのコーナーは完結しました。近いうちに、リニューアルして再掲します。よかったら、また見てください。ブッシュさん、目指すべきは「不朽の自由」ではなく、「不朽の平和」ではないですか?



ワシントンDCの球団名募集 (2002/09/17)


 ちょっと前に、「ワシントンDCにMLBの球団が移転しそうだ」と書きました。その球団のニックネームを考えてみたいと思います。ちなみに、1971年まで実際に存在した球団名は「ワシントン・セネターズ(上院議員)」でした。球団名を考える前に、ワシントンDCに本拠地を置く、他の主要なプロ・スポーツの名前をおさらいしておこうと思います。

1.ワシントン・レッドスキンズ(アメフトのNFL)〜レッドスキンズとはアメリカ・インディアンの赤褐色の肌から。
2.ワシントン・キャピタルズ(アイスホッケーのNHL)〜いくら首都だからってキャピタルズとは安易な...。
3.ワシントン・ウィザーズ(バスケットのNBA)〜ウィザーズとは魔法使い。

 ちなみに、ブリスベンに赴任する前年まで、僕が不動のトップ・バッターを務めていた世銀のソフトボール・チームの名前は、世界を旅する人という意味の、「ワールドバンク・グローブトロッターズ(Globe-trotters)」でした。

 それではワシントンDCの野球チームにはどういう名前が相応しいでしょうか。僕はできれば、ワシントンDCの特徴を表すような名前がいいと思います。「セネターズ」の路線で行くなら、ワシントンDCには外交官や官僚が多いので、「ディプロマッツ(Diplomats)」や「ビューロクラッツ(Bureaucrats)」はどうでしょうか。でも、どちらも弱そうですね。では、政治の街らしく、民主党と共和党のシンボルにちなんで、「ドンキーズ(ろば)」か、「エレファンツ(象)」というのもいいかもしれません。でも、これでは、どちらにするか、アメリカ連邦議会を巻き込んだ大論争になってしまいます。ワシントンDCは、桜の名所でもあるので、「チェリー・ブロッサムズ」というのはどうでしょうか?

 とまあ、いろいろ考えてもなかなかいい名前は思いつかないものです。そういえば、子供の名前を付ける時も、かなり苦労したっけ。今、僕が考え付いた中で、一番いいんじゃないかなあと思っているのは、「ワシントン・ヒーローズ」です。ワシントンDCは、歴代大統領や戦没者など、多くの英雄ゆかりの地でもあります。そういった意味も含めての「ヒーローズ」です。

 誰かワシントンDCに相応しい、強そうな球団名を考え付いた人は、教えて下さい。もし、近い将来本当にワシントンに球団が移転して、その球団名が、あなたの考えた球団名と一致するようなことがあれば、何か賞品を差し上げようかと思っています。ということで、ワシントンの球団名を勝手に募集します。



小泉訪朝記事の日米比較 (2002/09/19)


 小泉首相の訪朝に関するニュースは、こちらワシントンでも大きく報道されています。一連のイラク問題の次くらいに取り上げられています。拉致され亡くなられた方々とその家族のことを思うと、あまりにも重い結果となってしまったので、この件を書こうか書くまいか迷っていました。が、軽はずみなコメントを避けて、日米の報道の差について気づいたことのみを述べたいと思います。

 ワシントンからインターネットで見る限りでは、日本の新聞はほとんどが拉致問題に重点を置いて記事を構成しているようです。まあ、これは国民の関心から言っても当然のことなのかもしれません。ワシントン・ポスト紙でも、拉致問題に関してはかなり詳しく報道されています。日本の報道と、ワシントン・ポストの報道で大きく異なるのは、ワシントン・ポストが、「今回の小泉訪朝が日本から北朝鮮への多額の経済援助に繋がるだろう」と、かなりはっきりと書いている点です。昨日、9月18日付のワシントン・ポストでは、その額は100億ドル(1兆円を越える)にも達するだろうとしていますし、今日9月19日の同紙は、昨日より少し控えめに数十億ドルと書いています。僕が知る限り、日本の主要紙で、援助の額にまで触れた新聞はなかったと思います。

 密室でのサミットであったため、実際に何が話し合われたかは、報道を通じてしか知ることができないのが、残念です。小泉首相は、会談の内容を正確に国民に伝えて欲しいと思います。アメリカでは、こういう一大事があると、必ず大統領がテレビで国民に向けて自分の言葉で説明します。そういうスタイルのリーダーシップは日本に馴染まないんでしょうか。



西ナイル・ウィルスの脅威 (2002/09/22)


 最近アメリカでは恐ろしい病気が流行っています。それは「西ナイル・ウィルス」という名のウィルスが引き起こす病気で、脳炎や身体の麻痺を伴い、重症の場合は死亡することもあるのです。そもそもこのウィルスは、その名が示すとおり、元来アフリカで発見されたウィルスです。それが、1999年に初めてニューヨークで発見されて以来、毎年徐々に全米に広がりつつあります。昨日のワシントン・ポストによると、今年この「西ナイル・ウィルス」に感染して発症した人は、全米で1745人に登り、そのうち84人が亡くなっています。発症者が多いのは、イリノイ州、ミシガン州、オハイオ州といった所です。ちなみにワシントンDC周辺(隣接するヴァージニア州、メリーランド州を含む)では19人が発症し、死者はゼロです。

 この「西ナイル・ウィルス」を媒体として運ぶのは蚊です。要するに、蚊に刺されて感染するわけです。これは恐ろしいですね。いくら気をつけていても、家の中でも屋外でも、知らないうちに蚊にさされてしまうというのはよくあることです。蚊よけスプレーを塗ったり、肌を出さないようにするくらいしか対応策はありません。テロの脅威といい、この西ナイル・ウィルスの脅威といい、なんかアメリカがどんどん住みづらくなっているような気がしています。



登板過多 (2002/09/26)


 ワシントンのダレス国際空港のラウンジで書いています。これから10月中旬まで、バングラデシュとスリランカへ出張です。実は、11月と12月にもアジアへ出張の予定が入っており、はっきり言って、これはちょっと登板過多です。「まあエースだから仕方がないか」と、自分で自分を慰めていますが(本当はブルペンの中継ぎくらい)、家族に負担がかかるのは、どうもやりきれません。今年は、もうコミットしてしまっているので仕方ありませんが、来年はもう少しバランスを追求したいです。それにしても、出発前家族と別れる時に、ちょっと感傷的になってしまうのは、秋という季節のせいだろうか?それでは行ってきます。行く先々で更新しますので、機内食紹介のページ「グルメですかい」をお楽しみに。



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