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WASHINGTON 通信(November 2002)



海を渡るゴジラ (2002/11/02)


 ゴジラこと巨人の松井選手がメジャー・リーグ入りを決意したようですね。その決断に拍手喝采。応援します。プロなら、より高いレベルの場所で自分の実力を試してみたいと思うのは、当然ですよね。これは何もスポーツ選手に限ったことではなく、男女の別なくあらゆるプロフェッショナルに当てはまることだと思います。来年のメジャー・リーグが今から楽しみになってきました。

 実は、今日のワシントン・ポスト紙には、「松井メジャーへ」という記事は全く載ってませんでした。おかしいなあと思い、ニューヨーク・タイムズを買ってきてみました。そのニューヨーク・タイムズには、スポーツ面のトップ二段目に、「日本の強打者がメジャーへ」という見出しで結構詳しく出ていました。その記事の一部を紹介します。その記事によると、松井は「僕の長所は長打力なので、アメリカでもホームランを狙う」と決意を語ったといいます。そうこなくっちゃ。さらに、松井はニューヨーク・ヤンキースに入団する可能性が高く、巨人軍の親会社「日本テレビ」がヤンキースの試合の日本での放映権を獲得すべく、交渉しているという憶測があるそうです。読売グループは、松井を失っても、ヤンキースの試合を独占中継するというビジネス面で勝利を狙っているという訳です。何か裏取引の匂いがしますが、本当でしょうか。

 そのニューヨーク・タイムズの記事は、「ヤンキー・スタジアムは右翼フェンスが低いので、左バッターの松井には有利だ」としながらも、松井のスピードと肩に関しては疑問視しています。さらに、「イチローのような練習熱心さと攻撃性がない」という厳しい評価も与えています。記事の最後になぜか、「松井は、試合でもっと大胆になるべきだ。彼は気が優しすぎて、激しい闘争には向かない」というあの絶好調男・中畑清さんのコメントが載っていました。中畑さん、あなたの闘争心がスゴイことは認めますが、闘争心だけではメジャー・リーグで通用しませんよ。

 以前「ブリスベン通信」にも書きましたが、僕はブリスベンの空港で偶然にも松井選手に出会ったことがあります。彼は、昨年のシーズン・オフに、オロナミンCのCM撮影のために、ブリスベンを訪れたのです。そんな縁もあってか(どんな縁なんだ?)、松井には是非とも頑張って欲しいです。でも、彼のあの髪型どうにかなりませんか。言っておきますが、あの髪型はニューヨークでは受けないですよ。



子供専門の歯医者 (2002/11/04)


 アメリカでは子供が3歳になると、歯医者で定期的に歯の検査をすることを勧められます。先日、仕事を休んで、3歳半を過ぎた長女を歯医者へ連れて行きました。長女が歯医者に行くのは今回が二度目でしたが、前回初めてのときは妻が連れて行ったので、今回は僕の番だったのです。

 小児科の先生に紹介してもらったその歯医者は、子供専門の歯医者でした。子供と言っても、小さい子しか来ていなかったので、おそらく幼児専門の歯医者なんでしょう。待合室から診察室まで、子供が喜びそうな飾り付けやおもちゃがびっしりと並べられていました。診察台もとてもカラフルで、歯医者と言うよりは、遊園地のような雰囲気でした。今回、長女は歯の洗浄と歯の検査に加えて、虫歯予防のためのコーティングというのを奥歯にしてもらいました(日本でもこのコーティングってやりますか?)。うちの娘もそうでしたが、小さい子供たちはなかなか歯医者さんの言うことを聞かず、診察中も泣いたり口を空けなかったりすることがあります。その度に歯医者さんはとてもうまく対処して、ちょっとしたおもちゃやシールや風船なんかをくれるんです。そうしてうまく子供をなだめすかして治療をするわけです。やっぱり、子供の歯を治療する歯医者さんというのは、歯の治療プラス子供の対処法をよく知っていなければいけないという意味で、二重の専門性が要求されるのでしょう。だからこういう子供専門の歯医者があるんでしょうね。

 「アメリカでは、歯並びがよく、きれいな白い歯を持っている事が、一種のステイタス・シンボルなんだ」というのを聞いたことがあります。そのため、多くのアメリカ人の親は、自分の子供の歯のために、かなりの出費を厭わないそうなんです。そう言えば、アメリカでは歯並びの矯正のためのワイヤーをつけた子供をとても多く見かけます。日本では、八重歯が可愛いと言われることもありますが、アメリカでは八重歯はとてもみっともないと思われているんだそうです。今回の長女の治療代は、180ドル(約2万円)でした。結構高かったので、びっくりしました。このうち、大部分は保険から戻ってくるはずですが、そうじゃないと大変です。また半年後に、この歯医者さんに行くことになっています。



細分化・専門化するアメリカ医療 (2002/11/05)


 昨日は娘の歯医者のことについて書いたので、ついでに僕自身のアメリカでの歯科医体験についても書いておきます。

 あれは、ワシントンに来て2年目か3年目だったと思います。パキスタン出張中に固いパンを齧って、大分前に日本で治療した歯の詰め物が外れたので、ワシントン市内のとある歯医者さんに行きました。その歯医者さんは、日系人のムラカミ先生が院長をしている歯医者さんで、そのムラカミ先生は片言の日本語を話します。治療のあとでムラカミ先生に、僕の「親知らず」を絶対に抜いた方がいいと言われました。僕の歯は、歯並びがすこぶる悪く、八重歯もあるし、上下左右4本の親知らずは歯茎の内側あちこちに飛び出していました。「そういう親知らずを放っておくと、歯を磨きにくく、虫歯になりやすいんだ」とかなり説得され、結局4本の親知らずを抜くことに同意しました。すると、先生は「じゃあ、抜歯専門の歯医者を紹介するから」と言うのです。「えっ、ムラカミ先生が抜いてくれるんじゃないの?」と聞くと、「うちは虫歯治療専門の歯医者で、抜歯はしない」という返答でした。

 そういう訳で、その後しばらくして、ムラカミ先生に紹介された「抜歯専門の歯医者」を訪れました。その抜歯専門の歯医者さんは、プロレスラーか相撲取りのように超大柄の体格をしていて、見るからに腕っ節で歯を引っこ抜くのが得意そうな先生でした。その先生にまず右側の上下の親知らずを2本、翌週は残りの左側上下の2本を抜いてもらいました。ペンチみたいな道具で、思ったとおり力任せにエイヤッと抜かれてしまいました。なるほど、「抜歯専門の歯科医」の条件は第一に腕力があることだと分かりました。

 その時に思い出したのが、以前オクラホマ大学大学院の公共政策学の講義中に教授が話してくれた笑い話です。アメリカでは医療が極度に細分化・専門化してきている、という事実を題材にしたその笑い話はこんな内容でした。「ある男が右腕を骨折したので、整形外科を訪れました。しかしながら、その整形外科の受付で、その男は治療を断わられました。理由は、その病院が足の骨専門の整形外科だったからです。仕方なくその男は、腕の骨専門の整形外科を何とか探し出し、今度こそは治療をしてもらおうと訪れました。しかし、またまた断わられたのです。どうしてかと言うと、そこは左腕専門の整形外科だったからです。」

 幼児専門の歯医者や、抜歯専門の歯医者を体験してみて、「アメリカ医療の現実はやっぱり確実にこの笑い話に近づいて来ているなあ」と実感している今日この頃です。



インフォームド・コンセント (2002/11/06)


 昨日の続きです。ワシントンの抜歯専門の歯医者で、何年か前に「親知らず」を4本抜いたと書きましたが、実は、歯を抜く前にある書面にサインをさせられたのです。その書面とは「インフォームド・コンセント(Informed Consent)」の同意書でした。「インフォームド・コンセント」という言葉は、最近日本のニュースでも時々出てくるようになったので、ご存知の方も多いと思います。直訳すると「知らされた上での同意」となりますが、要するに、「治療の方法やその効果、あるいは治療に伴う後遺症や副作用などのリスクを患者に詳しく説明し、患者側がそれに同意して初めて治療を実施する」という医療制度です。「この薬を飲みなさい」とか「この治療を続けなさい」とか、ともすれば専門家の医師が勝手に治療法を決めてしまう傾向が強いのが、医療の社会なのかもしれません。しかしながら、この「インフォームド・コンセント」とは、病気の治療法を決定する過程に患者自身も参加できるという意味で、ちょっと民主的な制度なのです。と、自分がアメリカで「親知らず」を抜くまでは、そう信じていました。

 さて、僕がその抜歯専門の歯医者さんで渡された「インフォームド・コンセント」の書類には、次のようなことが書いてありました。大事なところだけ抜粋しておきます。

1. 歯を抜く際に、葉の根が神経に近いと、神経が傷ついて、唇や顎、歯、歯茎、舌が麻痺する事がある。その麻痺は、数週間から数ヶ月、ごくまれには永遠に続く可能性もある。
2. 抜歯の際に部分麻酔を使うが、部分麻酔を用いると、まれに次のような事態が起こることがある。痛み、腫れ、細菌感染、神経損傷、アレルギー反応、心臓発作、脳溢血、脳の損傷、死亡。

 このような文章を見せられて、あなたはすぐに同意のサインができますか。僕はかなり悩んでしまいました。分かりやすく言うと、この書面は「まれではあるが、麻酔によって死ぬこともあるけど、それでもいいか」と聞いているわけです。これにサインをして、もし本当に自分が死んだら、遺族は文句を言えるのだろうか。いろいろな事を考えましたが、「たかが歯を抜くくらいで死ぬわけがない」と思い直し、スッキリしないままサインをしました。お陰様で4本の抜歯は成功し、麻酔が切れた後は痛みが残ったくらいで、あの書面に列記されていた異常は何も起こらなかったので、今こうしてこれを書いています。

 こんなことがあったので、日本も見習うべきだと思っていたアメリカの「インフォームド・コンセント」に対する僕の印象はかなり変わりました。まず、あれは治療前の単なる儀式になってしまっているのではないか。その証拠に、あの歯医者さんでは、書類を渡されてサインしてくれと言われただけで、医師からの説明は全くなかった。次に、あれは医療訴訟から医師や病院側を守る手段になっているのではないか。実際、医療ミスがあって患者側から訴えられた時でも、リスクは患者も同意の上だと弁護すれば、病院側に有利な判決になることが考えられます。真に患者の立場に立った「インフォームド・コンセント」にするためには、単にアメリカの制度を真似して導入すればいいというわけにはいかないようです。



教育委員は選挙で選ぶ。 (2002/11/08)


 アメリカでは、11月の第一火曜日は選挙の日なんです。なぜ火曜日なのかは分かりませんが、おとといの11月5日も国政選挙・地方選挙含めて多くの選挙がアメリカ中で行われました。平日なので出勤前に投票を済ませる人が多いのか、朝の地下鉄には「Voted(私は投票しました)」というシールを胸につけた人々が目に付きます。今年の選挙は、2000年の大統領選挙以来の大規模な選挙だったので、あのフロリダでの「開票やり直し事件」を繰り替えさないよう、コンピューターを導入して電子投票を行った州や自治体もあったようです。

 さて、今回の選挙で僕が最も注目していたのは、エリザベス・ドールでもジェブ・ブッシュでもなく、メアリー・ハインズさんとベス・ウォルフェさんという女同士の一騎打ちです。これは僕が住んでいるヴァージニア州アーリントン郡(ワシントンDCのお隣)の教育委員の選挙だったのです。そろそろ長女の小学校をどこにしようか決めなければならず、最近夫婦でいろいろリサーチを始めたところだったので、地元の教育委員の選挙に興味があったのです。アーリントン郡の教育委員は全部で5人で、今回は一議席だけが改選でした。結果は、現役の委員であったハインズさんが再選を果たしました。

 日本にも市町村や都道府県に教育委員会があるはずですが、そこの教育委員はどのように選ばれているんでしょうか。僕が知らないということは、選挙ではなく多分首長が適当に任命しているんでしょうね(間違っていたらご免なさい)。地域の教育政策を担う教育委員は、とても大事な存在です。その教育委員の選定に直接関わりたいと思うのは、子供のいる親なら当然のことです。日本でも教育委員は選挙で選んだらどうでしょうか。それとも日本の教育政策は、地域主導ではなく文部科学省が牛耳っているので、誰が教育委員になっても同じだというのでしょうか。



公立小学校はオプション付き学区制 (2002/11/09)


 昨日は、「長女の小学校を決めるためにいろいろリサーチを始めた」と書きましたが、そのリサーチの結果を今日から何回かに渡って報告します。主に、僕が住んでいるヴァージニア州アーリントン郡の公立小学校の話です。

 アーリントン郡には公立小学校が21校あって、そのうちの18校は学区制です。要するに、住んでいる場所によって、この18校のうちどこかひとつの小学校が割り当てられているのです。逆に言えば、郡内どこに住んでいても、その学区の小学校には必ず入れます。残りの3校はいわばオプションの小学校で、毎週成績評価を行う勉強重視の学校や、英語とスペイン語の両方で教える学校など、とても特色のある学校です。このオプション校へは、郡内のどこに住んでいても応募できますが、応募児童数が定員を上回った場合は、抽選により入学が決まるのです。抽選ですから、このオプション校へ確実に入学できるという保証はありません。しかしながら、ここアーリントン郡に住んでいる親たちは、公立の小学校に関して少なくとも4校(学区制1校とオプション校3校)の選択肢があるということが言えると思います(その他に、私立の小学校も数校あります)。

 これら公立小学校の全ては、アメリカ国内で行われる標準テストの結果を学年ごと、科目ごとに毎年公表しています。従って、「ああ、この小学校は随分算数の成績がいいなあ」とか、「こっちの小学校は英語の成績が最近伸びているなあ」とか分かるんです。勉強の成績が全てとは言いませんが、これが、自分の子供の学校を選択する上での大きな目安になっているというのは紛れもない事実でしょう。実際、子供の小学校入学が近づくと、より成績のいい学校のある学区へ引越しをするという人のことをよく耳にします。アメリカの公立学校は、成績を公表することによって各学校が競い合い、親が学校を選択する自由をかなり与えられているという訳です。競争原理と選択の自由という、いかにもアメリカらしいやり方が、小学校選びの場にも導入されているのです。

 ところで、アーリントン郡でどの科目も一番成績がいいのは、オプション校のひとつであるアーリントン・トラディショナル小学校です。僕の長女がその学校に応募するかどうかの結論は、まだ出ていません。



校長は女性、一クラスは18人 (2002/11/10)


 アーリントン郡の公立小学校の情報を集めていて、驚いたことが二つあります。ひとつは、校長先生は圧倒的に女性が多いということです。アーリントン郡には21校の公立小学校がありますが、そのうち実に19校の校長先生が女性なのです。これはどうしてでしょうか。これほど極端だということは、アメリカは女性の社会進出が進んでいるからという以上に、何か別の理由があるとしか思えません。そう言えば、先日オープンハウス(学校説明会と学校施設の視察)で訪れた私立小学校の校長先生も女性でした。理由はイマイチ分かりませんが、アメリカの小学校では、校長先生は女性だというのが一般的なようです。

 もうひとつ驚いたことというのは、一クラスの児童数の少なさです。アーリントン郡の公立小学校の一クラスの平均児童数は、17.5人だそうです。要するに、一クラスに児童が17人か18人しかいないのです。今、日本では小学校の一クラスの児童数はどれくらいなんでしょうか。もう大分前ですが、僕が小学生の時は、40数人だったと思います。一クラスの児童数が少ないということは、先生の目が一人一人の児童に行き渡るので、落ちこぼれが少ないということなのでしょうか。何か、友達の数も少なくて、ちょっと寂しいような気もしますが。このアーリントン郡の一クラスの児童数は、全米でもかなり少ない方なんだそうです。



宿題と読書の長さ (2002/11/11)


 子供なら誰でも宿題は嫌いだと思いますが、あれは親にとっても面倒なものらしいです。仕事から疲れて帰ってきて、さらに子供の尻を叩いて難しい宿題をやらせるなんていうのは、想像しただけでもイヤになります。ということで、僕の住んでいるアーリントン郡の教育委員会では、「一日あたりの宿題の長さ」の指針を最近まとめました。これは、先生、親、生徒への聞き取り調査や、様々な学術書などのリサーチの結果だそうです。学年ごとの望ましい宿題と読書の長さは以下のとおりです。

・1年生 宿題は一日最高20分まで、読書は最低20分
・2年生 宿題は一日最高30分まで、読書は最低20分
・3年生 宿題は一日最高45分まで、読書は最低20分
・4年生 宿題は一日最高60分まで、読書は最低30分
・5年生 宿題は一日最高60分まで、読書は最低30分
・6年生 宿題は一日最高90分まで、読書は最低30分

 さて、これを見て長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれでしょう。面白いのは、宿題は最高何分までとなっているのに、読書は最低何分となっていることです。宿題はあんまりさせてはいけないけれど、読書はすればするほどいいということなのでしょうか。まあ、こういった指針は単なる目安なんでしょうけれど、大事なのは何事も量より質ですよね。



スクール・バスは追い越し禁止 (2002/11/14)


 アメリカでは、子供が歩いて通学している姿を見たことがありません。誘拐やその他の犯罪に巻き込まれる危険があるせいか、子供達は必ずスクール・バスか、親の車で通学しているようです。最近の日本も犯罪が増えてきているようですが、まだまだ小学生は徒歩通学が当たり前なんじゃないでしょうか。

 さて、そのスクール・バスですが、アメリカではデザインが統一されていて、まっ黄色のとても目立つバスです。このスクール・バスが停まっていて子供たちが乗り降りしている間は、後ろに続くいかなる車両もこのバスを追い越してはいけないことになっています。そればかりか、対向車も停止して子供たちの乗り降りが終わるのを待たなければなりません。要するに、スクール・バスの停止中は、その道路上の全ての車両が停止していなければならないのです。これは、スクール・バスの陰から子供が飛び出したりして、万が一事故が起きてはいけないので、このように法律で決められているのです。それにしても、両面通行止めとはかなり徹底していますよね。



時間表示つき信号機 (2002/11/15)


 去年からワシントンに登場して、最近街中にどんどん増えているものがあります。それは、時間表示つき歩行者用信号機です。アメリカの一般的な歩行者用信号機は、いわゆる「青信号」の時は人が歩いている姿が点灯し、「赤信号」の時は手のひらの形が点灯します。しかし、この最新型「時間表示つき信号機」は、人が歩いている姿の横か下に、秒数が出て、あと何秒で赤に変わるかを知らせてくれるのです。24、23、22、21、20、19....と一秒ごとに数字が減っていき、まだ渡れるか渡れないかを判断できるのです。ちょっと便利でしょ。

 一回の青信号の時間は、道路の広さや交通量によって異なるようですが、大体24秒というのが多いようです。ちなみに、僕が今までに見た最長時間は36秒だったと思います。いずれも12の倍数になっているのは、何か理由があるのかもしれません。



39歳の天才魔術師 (2002/11/16)


 アメリカNBA(プロ・バスケットボール)の話題です。ワシントンDCにはウィザーズ(魔術師軍団)というチームがあります。今シーズンは今のところ、9試合を終えて5勝4敗とわずかに勝ち越していて、東コンファレンスのアトランティック地区で7チーム中5位につけています。5位とは言っても、首位とは1ゲーム半しか離されていないので、まだまだこれからですね。

 このワシントン・ウィザーズを引っ張るのが、ご存知のスーパースター、マイケル・ジョーダンです。ジョーダンというと、まだどうもシカゴ・ブルズのイメージが抜けきらないのですが、今はここワシントンなんです。昨日も、そのジョーダンの活躍で、ウィザーズは105対102と、ユタ・ジャズに競り勝ちました。

 NBAのルールは少し変わっていて、前後半制ではなく、各12分間の4ピリオド制です。要するに、延長がなければ、一試合の全試合時間は48分間ということです。昨日のジョーダンは、このうち34分間に出場し、これは彼にとって今シーズンの最長出場記録なんだそうです。大ベテランのジョーダン、今シーズンは休み休みしながら、大事なところで起用されているのでしょう。このジョーダン、現在の年齢は39歳で、なんと僕と同い年です。あの華麗な身のこなし、とても僕には真似できません。ウィザーズというチーム名は、あんまり好きではありませんでしたが、ジョーダンのプレーを見ていると、正に魔術師という形容がぴったりだと思います。



カエルの唄が聞こえてくるよ♪ (2002/11/17)


 動物の鳴き声は、国によって違います。より正確に言えば、動物の鳴き声は変わらないのでしょうが、それを表現する言語によって大分変わってしまうのです。日本では「コケコッコー」と鳴くニワトリが、アメリカでは「Cock-A-Doodle-Doo(コッカドゥードゥルドゥー)」と鳴くというのは、有名な話です。犬は日本では「ワンワン」ですが、アメリカというか英語圏では「Vow-Wow(ヴァウワウ)」とか「Woof-Woof(ウォフウォフ)」です。ちなみに、以前お世話になっていたモロッコ人のナニー(子守りのおばさん)は、犬の鳴き声を「ハヴハヴ」と言い、今いるドミニカ共和国出身のナニーの場合は「ハウハウ」です。おそらく、うちの子供たちは混乱しているでしょう。

 動物に関するこちらアメリカの絵本を見ていて、最近さらに面白い鳴き声の違いに気づきました。少し紹介すると、羊は「メーメー」ではなく、「Baaa-Baaa(バーバー)」で、牛は「モーモー」ではなく、「Mooo-Mooo(ムームー)」と鳴きます。まあ、これくらいは許せます。さらに、豚は「ブーブー」ではなく、「Oink-Oink(オインク、オインク)」で、この辺りからだんだん許せなくなってきます。しかし、何と言っても一番許せないのはカエルの鳴き声で、「Ribbit-Ribbit(リビッリビッ)」というヤツです。これに限っては、どういう耳をしていたらカエルの声が「リビッリビッ」と聞こえるのか、僕には全く理解できません。カエルはやっぱり、「ゲコゲコ」とか「クワックワッ」ですよね。えっ、あなたには「リビッリビッ」て聞こえますか。う〜ん、それはかなりの英語耳ですよ。



傘をささないアメリカ人 (2002/11/19)


 最近のワシントンは珍しく雨ばかりです。しかも、「氷雨」のような冷たい雨です。昨夜は、山沿いで雨が雪に変わったところもあったようです。

 人にもよりますが、僕の印象だと、アメリカ人は雨が降っていても、傘をささない人が多いようです。多少の雨なら濡れるのを厭わないようです。僕なんか、小心者で几帳面な典型的A型人間なので、いつも折りたたみの傘を鞄にしのばせていて、少しでも雨が降ればいの一番に傘をさします。

 アメリカ人も、さすがに大雨の時は、傘をさす人が多くなります。しかしながら、彼らの傘は多くの場合かなりボロいんです。骨の折れた傘や、破れた傘を平気でさしています。アメリカも地方によっていろいろな天候があるんでしょうが、少なくともワシントン界隈では、日本のように、シトシトと長時間雨が降り続くことはあんまりありません。だから、傘なんてどうでもいいと思っているのでしょうか。やっぱり、日本みたいに梅雨があったり雨が多いと、傘に対する愛着も湧くし、いい傘を持とうという意識も生まれるんでしょうね。



ハラキリ!? (2002/11/22)


 先日仕事から帰って家のドアを開けた途端、長女が「パパー、ハラキリ、ハラキリ」と言うのです。「えっ、ハラキリ?そんな言葉は教えたことがないのに、どこで覚えて来たんだろう」と思っていると、またまた「見てー、ハラキリ」と続けます。良く見ると手に何かを持っています。それは、Hello-Kitty(ハロー・キティ)のキャラクター商品でした。な〜んだ、ハラキリってハロー・キティのことだったの。

 こちらで生まれ育った長女の英語の発音は、かなりネイティブに近いものです。僕なんかの発音に比べたら、全然英語っぽいです。だから、「Hello-Kitty」が「ハラキリ」に聞こえちゃうんです。ネイティブの人の英語を聞いていると、母音の前の「 t 」の発音が「タ行」ではなく「ラ行」に聞こえることがよくあります。「water」は「ウォーター」ではなく「ウォラー」であり、「beautiful」は「ビューティフル」ではなく「ビューリフォー」です。だから、「Hello-Kitty」は「ハラキリ」なんです。自分の子供から発音を学べるっていうのは、得をしたような情けないような複雑な気分です。そのうち、発音だけでなく、語彙も含めた全ての英語力で追い抜かれてしまうんでしょうね。



天然痘ワクチンを接種しますか? (2002/11/25)


 天然痘は、確か1980年にWHOによって絶滅が宣言されたはずでした。しかし、アメリカは現在、全国民を対象にした「天然痘ワクチン」の製造を急いでいるといいます。それというのも、イラクや北朝鮮あるいは、アル・カイーダが、生物兵器として天然痘ウィルスをアメリカにばら撒くかもしれないという懸念が高まっているからです。

 昨日のワシントン・ポストにもこの件に関する記事が出ていました。それによると、天然痘に罹ると発症者の3分の1は確実に死亡するそうです。しかしながら、天然痘のワクチンを接種するのにも、かなりの危険が伴うらしいのです。天然痘ワクチンは、弱すぎると病気に対する効果がないし、強すぎると逆に天然痘に罹ってしまったり、副作用が出たりするそうです。昨日の記事には、ワクチンを受けた人のうち、百万人に一人くらいは死亡し、一万人に一人くらいは重大な副作用で苦しむことになるだろうと書いてありました。これは結構恐ろしいです。このリスクのため、天然痘のワクチンができても、実際に接種するのは個人個人の判断に委ねられることになるだろうというのが、昨日の記事の論調でした。生物兵器で狙われるリスクと、ワクチンの副作用に罹るリスクを天秤にかけて一大決心をしなければならないという訳です。できることなら、アメリカの威信をかけて、生物兵器の使用を食い止めてほしいものです。しかし、イラクや北朝鮮に対しては、国連主導の査察を実施できても、アル・カイーダに対する査察は不可能です。このような生物兵器や、核兵器などの大量破壊兵器を地球上から根絶できる日は、果たして来るのでしょうか。理想家の僕としても、かなり悲観的です。



出張がホームレスを救う。 (2002/11/27)


 以前は国際線のビジネス・クラスに乗ると、小さなバッグに入った洗面用具を貰えたものですが、この頃はなかなか貰えなくなりました。どうも最近は、航空会社のサービスがどんどん低下する一方だと感じるんですが、これもチケット代の値下げ競争の結果なんでしょうか。

 この航空会社のサービス低下で困っているのは、何もビジネス・トラベラーばかりではありません。ワシントンの街で目にする多くのホームレス達も、影響を受けているようです。それというのも、飛行機で配るあの洗面用具を集めて、ホームレスに配るというプログラムがあるからです。先日僕の職場でも、「ホームレスのために飛行機で渡す洗面用具を募集」というアナウンスがありました。ホームレスにとっては、あの中の歯磨きセットやマウス・ウォッシュが貴重らしいんです。

 似た様なヤツで、ホテルに泊まったら、ホテルの部屋の石鹸やシャンプーなどを持ち帰って、ホームレスに配ろうというプログラムも聞いたことがあります。こういうのは、大体NGOが実施している場合が多いんですが、要するに、出張に出かけて飛行機に乗ったりホテルに泊まったりすることが、多少なりともホームレスの役に立つという点が面白いですよね。航空会社もそういう点を考慮して、また洗面用具を配ってくれるといいんですけど。



感謝祭と七面鳥 (2002/11/30)


 アメリカは、昨日11月最後の木曜日が感謝祭(Thanksgiving)の休日でした。今日金曜日も休みで、明日、あさってと四連休です。従業員への配慮なのか、感謝祭の当日はレストランもスーパー・マーケットもほとんどが休みで、街はゴースト・タウンのようになります。人も車も通っていません。まあ日本で言えば、お盆かお正月の丸の内を想像してもらえればいいかもしれません。アメリカでは、この時期からクリスマスにかけて冬の長期休暇に入る人も多く、オフィスはこれからどんどん人が少なくなっていきます。

 さて、感謝祭と言えば七面鳥で、アメリカでは感謝祭の日に七面鳥を食べるのが習慣になっています。どうしてこの日に七面鳥を食べるのでしょうか。インターネット上でいろいろ調べてみましたが、あんまりいい答は見つかりませんでした。イギリスの女王が秋の収穫祭の時によく食べていたガチョウが、アメリカでは七面鳥になっただけだというのが一説。最初の感謝祭の時の晩餐で、アメリカ・インディアンが七面鳥をメインにしたというのが別の説。

 理由はともあれ、この日はとにかく七面鳥なのです。ある統計によると、感謝祭の当日に七面鳥を食べるアメリカの家庭は、実に9割にのぼるそうです。そしてこの日一日だけで、毎年約4千5百万羽の七面鳥が犠牲になるそうです。ちなみに我が家では七面鳥はあんまり人気がありません。僕もあんまり好きではありません。それに七面鳥は大きくて食べきれないという理由で、昨日の我が家はコーニッシュ・ヘンという小さめの雌鶏の料理でした。暖かい我が家で美味しい料理が食べられることに、感謝。



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