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WASHINGTON 通信(January 2003)



鯛でめでたい昆布でよろこぶお正月 (2003/01/03)


 新年あけましておめでとうございます。ワシントンの元日は一日中雨降りでした。こちらは例年通り、日本に比べれば全く味気ない年末年始です。紅白歌合戦もなし、除夜の鐘もなし、初詣もなし、箱根駅伝もなし、天皇杯サッカーもなし、オーストラリアのように花火もなしです。アメリカの大抵のオフィスでは、大晦日まで仕事があり、さすがに元日はお休みですが、1月2日からまた通常営業です。新年のお祝いなどとは全く無縁なようです。

 そんな中、昨日の元日はワシントンに長く住んでいるある日本人の家に呼ばれて、おせち料理をいただきました。お正月はもうしばらく日本に帰っていないので、おせち料理なんて本当に久しぶりでした。「めでたい鯛」と「よろこぶ昆布」を食べて、日本のお正月気分をちょっぴり味わわせてもらいました。2003年が、めでたいことと喜ぶことに溢れた年でありますように。ということで、本年もどうかよろしくお願いします。



お屠蘇代わりに故郷の地酒 (2003/01/04)


 ワシントン界隈には、和食の食材を扱っているお店が数軒しかありません。遠いし値段も高いので、普段はそれほど利用していません。それでも去年の大晦日、お正月っぽい食材を探しに行ってみました。そこでたまたま見つけたのが、「南部史」という我が故郷八戸の地酒です。嬉しくなって、つい買ってしまいました。500ミリ・リットルで23.99ドルでした(これは高いのか安いのか?)。

 この「南部史」は、八戸の中心街・八日町に蔵を構える「八鶴」という老舗のお酒です。ラベルには「山廃純米酒」とあります。「山廃」というのは、仕込み時に人工的に乳酸を添加せず、自然に乳酸を育成させて雑菌の繁殖を防ぐ昔ながらの手間のかかる製法のことだそうです。アメリカでの輸入元は、カリフォルニアの「サケ・サービス・インスティテュート」となっていました。故郷に思いを馳せ、元旦からお屠蘇代わりにこの「南部史」でちびりちびりとやっています。八戸からワシントンにやって来たという意味で、僕とこの「南部史」というお酒は同類というわけです。

「厳しい寒さ、乳酸菌と酵母がおりなす発酵の神秘、山廃仕込による自然の造りの中に、南部発祥八百余年の歴史が息づいている。(南部史のラベルより)」



アメリカで大流行しているオーストラリアの子供番組 (2003/01/05)


 元旦の朝6時から10時まで、ある子供番組がぶっ続けで放送されていました。これは、現在アメリカで人気沸騰している「Wiggles」というオーストラリアの番組です。うちの娘達もこの番組が大好きで、元旦も4時間の放送のうちしっかり2時間は見ていました。この「Wiggles」の突然の大人気は、最近のワシントン・ポストでも取り上げられ、正にアメリカの子供たちの間で大ブレイク中といったところです。だからこそ、元旦に他の番組を潰してまで4時間もの特集を組んだんでしょう。

 ところが僕には、どうしてこの番組がこんなに人気があるのかさっぱり分かりません。番組の主役は4人のむくつけきオーストラリア男で、番組の中味はというと、彼らがただ歌いながら踊っているだけです。その踊りも、「Wiggles(くねくね動くという意味)」という題名の通り、くねくねしているだけです。歌だって、「フルーツ・サラダはおいしい」とか、「熱いじゃがいもがどうした」とか、「ジェフさん起きなさい」とか、全く意味のない文句の繰り返しなんです。何で子供はあんなのが好きなんでしょうか?

 それに比べたら、地元アメリカの子供番組は実に教育的です。ご存知「セサミ・ストリート」もそうですが、「バーニー」という紫色のグロテスクな恐竜が出てくる番組は、毎回実に心暖まるストーリーがあります。それに加えて、この「バーニー」や「セサミ・ストリート」で歌われる歌は、夢や愛情に溢れたものばかりです。それなのに、何故子供達は、意味のない歌詞を繰り返すくねくね踊りの方が好きなのでしょうか。

 僕自身、アメリカの子供番組の方がオーストラリアの「Wiggles」よりも素晴らしいと思う理由がもうひとつあります。それは、「Wiggles」に出てくる子供たちがいつも決まって白人ばかりなのに、「セサミ・ストリート」や「バーニー」には必ずいろいろな人種の子供たちが出演しているからです。少なくとも、白人、黒人、ヒスパニック系、アジア系の子供達はほぼ毎回出てきます。「セサミ・ストリート」には、車椅子に乗った障害児まで頻繁に出てきます。番組を作る側が、かなり意図的にこういう子供たちを使っているとしか思えません。従って、アメリカの子供番組を見ていると、「社会にはいろいろな人種がいて、健常者も障害者もいるんだ」という当たり前の事実を改めて思い知らされるのです。親としては、「Wiggles」より「セサミ・ストリート」と思うのですが、今日もうちの娘達はしっかり「Wiggles」を見ていました。



ペンシルバニアでソリ遊び (2003/01/06)


 昨日の土曜日、ペンシルバニア州のキャロル・バレーというところにあるスキー・リゾートへ行ってきました。ワシントンから車を飛ばして1時間半くらいのところです。スキー・リゾートとは言っても、スキーは全然やらず(僕はスキーはできません)、もっぱら娘達とソリ遊びをしていました。娘を乗せたソリを引っ張ったり押したりして雪の斜面を上ったり下りたりしたので、とてもいい運動になりました。ここのスキー・リゾートでびっくりしたのが、スノー・ボーダーの多さです。スキーをやっている人と、スノー・ボードをやっている人は半々くらいの割合でした。若者達のほとんどは、スノー・ボーダーでした。スノー・ボードってこんなに流行っているんですね。僕も今度挑戦してみようかな。それとも、ひたすらソリ遊びに専念しようか。

 ペンシルバニア州という所は初めて行きましたが、白人が多いですね。ワシントンに住んでいるせいか、特にそれを実感しました。ワシントンには黒人やヒスパニック系がとても多く、さらに各国大使館や国際機関が集中しているので、世界中のあらゆる人種が見られます。人種の坩堝と言われるアメリカの中でも、ワシントンは結構特殊な状態にあるんだということを、ペンシルバニアで思い知らされて帰ってきました。



雪の日は休むのがワシントン流。 (2003/01/07)


 ワシントンは昨日の日曜日から雪が降ったり止んだりしていて、今朝までに4〜5センチほど積もりました。実は、今日オフィスが休みにならないかなあと密かに期待していたんですが、ダメでした。と言うのは、ワシントンでは少し雪が積もると、すぐ学校やオフィスが休みになるからです。オフィスは休みになりませんでしたが、今日も多くの学校が休校になりました。

 雪が降ってオフィスや学校が休みになる理由は、街中の交通網が麻痺してしまうからです。雪が積もって道路が埋もれてしまったり、雪上で車を運転するのは危ないということで、車で通勤している多くの労働者がオフィスに来れません。ほとんどの児童・生徒がスクール・バスか親の車で通学しているので、やっぱり危ないということで学校も休みになります。ワシントンの地下鉄も、地上を走る区間が結構多く、少々の雪ですぐ不通になります。要するに、通勤や通学が危険だったり不可能だったりという理由で、雪が積もるとワシントンのオフィスや学校は休みになるのです。1996年の1月には、有名な「96年のブリザード」という大雪で、ワシントン中のほとんど全てのオフィスも学校も、一週間まるまる休みになりました。あの時だって、せいぜい30〜40センチくらい積もっただけです。あんなの、日本の北国なら大雪とは言えないですよね。

 毎年雪が少なくとも何度かは降るのに、この街の雪に対する脆弱さは一向に改善されません。これはきっと、仕事や勉強に対するアメリカ人の考え方を反映しているんだと僕は思っています。要するに、雪が降った日くらい仕事や勉強は休もうよという考え方です。僕にとっては、雪が降って仕事が休みになるのは結構嬉しいので、それはそれでいいんです。ただ、日本での仕事に対する考え方と随分違うなあという気がしています。

 以前、雪の日の東京でニュースを見ていて驚いたことがあります。確かあれは日曜の夜でしたが、その日は東京には珍しく大雪で、翌日月曜日の通勤に影響が出るのは避けられない状況でした。そのニュースは、翌日の仕事に遅れないように、多くのサラリーマンが日曜の夜に自分達のオフィスに近い都心のホテルに泊まりに来たと伝えていたのです。これは極端な例かもしれませんが、こういうのを聞くと、「ああ、もう日本には帰れないだろうなあ」と思ってしまいます。やっぱり大雪の日くらい、仕事は休もうよ。



マクドナルドの熱いコーヒー (2003/01/09)


 先日ペンシルバニア州のスキー・リゾートに行く途中、高速道路沿いにあった「マクドナルド」でランチを食べました。最後に僕はコーヒーを飲んだんですが、このコーヒーがとても熱かったんです。

 「マクドナルド」のコーヒーに関する、ある訴訟事件についてご存知でしょうか。これはアメリカではとても有名な訴訟事件で、嘘のような本当の話です。ある老婦人が「マクドナルド」の熱いコーヒーを自分の膝にこぼしてしまい、かなりの火傷を負ったそうです。日本人なら、不注意でこぼした自分が悪いから仕方がないと思うかもしれませんが、そこは訴訟社会アメリカです。この老婦人は「マクドナルド」を訴えてしまいました。おそらく優秀な弁護士でも雇ったんでしょう。この老婦人はこの訴訟に勝って、多額の賠償金を「マクドナルド」からせしめたという訳です。

 この訴訟があったからなのかどうかは知りませんが、アメリカでコーヒーを買うと、カップに必ず「このコーヒーは熱いですから注意してください」という文句が書かれています。訴えられないようにということなんでしょう。でも僕は、アメリカに来て以来、この国のコーヒーは随分ぬるいなあといつも思っていました。よく利用する「スター・バックス」は特にぬるい感じです。「マクドナルド」のように訴えられるのを、怖れているのかもしれません。ところが、先日飲んだ「マクドナルド」のコーヒーは、アメリカのコーヒーらしからぬ熱さでした。「マクドナルド」はあの訴訟に懲りていないのかなあと思いましたが、聞くところによると「マクドナルド」には、コーヒーの温度は82〜85℃に保つというマニュアルがあるそうなんです。僕は、個人的にはコーヒーは熱くあるべしと思います。こぼして火傷するなんて、こぼす方が悪いですよ。そういう意味では、「マクドナルド」のポリシーに賛成します。でも、ぬるくても味は「スター・バックス」のコーヒーの方がはるかに美味しいので、やっぱりこれからもコーヒーは「スター・バックス」にします。

 似た様なことですが、僕はアメリカのビールもぬるいなあとよく思います。もっとキリッと冷えたビールが飲みたいなあとアメリカに来てから何度思ったことでしょう。多分、冷たいビールを体にこぼして凍傷にでもなって訴えられたら困るので、あんまり冷たくできないんでしょうね。



電子レンジに猫 (2003/01/10)


 昨日の続きです。訴訟大国アメリカには、たくさんの面白い裁判の例があります。熱いコーヒーで訴えられた「マクドナルド」は、去年はニューヨークに住む肥満のおじさんに訴えられました。その人が訴えた理由は、「自分が太っていて、糖尿病でコレステロールが高く、二回も心臓発作になったのは、ファースト・フードのせいだ」というものです。ちなみにこの人、週に4回はファースト・フードを食べるそうで、「マクドナルド」と一緒に「ケンタッキー・フライド・チキン」や「バーガー・キング」も訴えたそうです。食べたあなたが悪いんじゃないの。

 こんな程度で驚いてはいけません。僕が今まで聞いたうちで、一番信じられないアメリカの訴訟は、次のようなものです。濡れたペットの猫を乾かそうとして、電子レンジに入れて「チン」した奇特なアメリカ人がいました。当然、その猫は死んだんですが、この人、その電子レンジを製造した会社を訴えてしまいました。どうしてかと言うと、電子レンジの取り扱い説明書に「猫を入れてはいけません」と書いてなかったからです。そんなの書くわけないでしょ。でもこの人、この訴訟に勝ってしまったという噂です。「当社の冷蔵庫には猫を入れないで下さい」、「当社の洗濯機では猫を洗わないで下さい」というような注意書きも必要かもしれません。ちなみにこちらのビニール袋には、「窒息する怖れがあるので、子供に被せないで下さい」と書いてあります。

 ちょっと古い統計ですが、アメリカでは人口300人に一人の割合でロイヤーがいるそうです。日本では人口7000人に一人の弁護士がいるそうです。このアメリカのロイヤーの多さも、訴訟の多さの理由なんでしょう。訴訟が多いから多くのロイヤーが必要なのではなく、ロイヤーが多いから訴訟を起こさないとロイヤーの仕事がなくなってしまうという側面もあるんだと思います。僕も訴えられないように気をつけないと。



氷上の多国籍軍 (2003/01/12)


 ゴジラ松井がニューヨーク入りしたようですね。ご存知のようにメジャー・リーグ(MLB)は近年、中南米の選手に加えて日本や韓国からどんどん選手がやって来るようになり、急速に多国籍化が進んでいます。それに負けず劣らず、アメリカ四大プロ・スポーツのひとつ、アイスホッケーのNHLでも、多くの国籍の選手が活躍しているのをご存知でしょうか。多国籍化という意味では、おそらくMLBよりNHLの方が、ずうっと早かったんじゃないでしょうか。

 ワシントンには「キャピタルズ」というNHLのチームがあります。この「キャピタルズ」、今シーズンは好調で、現在東部カンファレンス南東地区において、首位と僅差の二位につけています。先週は一時首位に立っていました。この「キャピタルズ」を守備面で支えるのが、ディフェンスのヨハンソン選手です。ヨハンソン選手は、スウェーデン出身で、「ワシントン・キャピタルズ」に入団して今年が15年目のベテランだそうです。彼は先週、通算941試合出場というチーム新記録を樹立しました。氷上の格闘技と言われ、怪我の多いスポーツとされるアイスホッケーですから、この記録は凄いですね。

 このヨハンソン選手の他にも、「キャピタルズ」には外国人選手が多いですよ。チームには実に8ヶ国から選手が来ていて、正に「氷上の多国籍軍」といったところです。その8ヶ国の内訳は、アメリカ、カナダ、チェコ、リトアニア、ウクライナ、ロシア、ドイツ、そしてスウェーデンとなっています。当然ですが、アイスホッケーの強い寒い国の出身選手ばかりですね。いつかこのNHLでも、日本人が活躍する日が来て欲しいものです。



局長を演じる。 (2003/01/13)


 先ごろ、うちの部署の局長が年末年始の休暇で休んでいる間、僕が局長代理に任命されました。日本では、よく課長の下に課長補佐がいたり、部長や局長の下に部次長や局次長というポストがありますよね。世銀では、そういう管理職の下のいわゆるナンバー2的なポストは、「副総裁」以外はありません。従って、ある管理職が出張や休暇でオフィスを空ける時は、その部署のシニア・スタッフの中から誰かが一時的に「代理」として任命されるのです。この「代理」を任命するという作業は、結構正式な権限委譲で、必ずロイヤーの認定とともに文書(大抵はEメール)で関係部署に通知されます。そうでなければ、「代理」が署名した文書や「代理」が決定した事項が、法的に有効にならないからでしょう。

 英語ではこの「代理」のことを、「Acting」といいます。局長は「Director」ですから、僕はその時「Acting Director」だったわけです。この「Acting」という単語は、動詞の「Act」が元になっています。俳優「Actor」や女優「Actress」という単語とも関連しているように、「Act」とは一時的にその役を演じるという意味もあります。要するに、僕は局長の役を演じたわけです。

 管理職がいない時だけ一時的に代理を設ける「Acting」という制度は、世銀ばかりでなく、僕が去年5月までいたブリスベン市庁でも行われていました。常勤の補佐や次長を設けるより、効率的な人事と言えるかもしれません。僕の経験では、特に日本の役所では、こういった補佐や次長といったポストの職務内容や権限がかなりあいまいです。そういうあいまいなポストは廃止して、管理職がいない時は誰かにその役を「演じ」させるのも、ひとつのやり方かもしれません。



幼児虐待と蒙古斑 (2003/01/15)


 去年の夏、次女が幼児用のハイ・チェアーから落ちて右腕を骨折したことがありました。幸いなことに、次女の腕は3週間ギプスをしただけで元通りに治りました。先日この話を職場の同僚としていたら、アメリカ人のダグラスが、「病院に連れて行ったとき、ドクターと一緒にソーシャル・ワーカーは出てこなかった?」と聞くのです。僕が「出てこなかったよ」と答えると、ダグラスは不思議そうな顔をしていました。

 アメリカでは小さな子供が怪我をすると、「幼児虐待」ではないかということで、ソーシャル・ワーカーにいろいろ聞かれることがあるんだそうです。アクシデントによる怪我か、虐待による怪我かをソーシャル・ワーカーが調べるというわけです。

 この話を聞いていて、僕は以前アメリカに来たばかりの頃に読んだある新聞記事を思い出しました。その記事は、「アメリカのあるビーチで、幼児を裸で遊ばせていた日本人の母親が逮捕された」と伝えていました。容疑は、「幼児虐待」です。その子供の腰のあたりにあった「蒙古斑」が、虐待による「青いアザ」だと思われて逮捕されたんだそうです。この母親は、すぐ容疑が晴れて釈放されたそうですが、アメリカに来たばかりの僕にとっては、かなりインパクトの強い記事でした。

 実は、以前うちに来ていたベビー・シッターのマリカさんも、長女の「蒙古斑」を見てびっくりしていたことがあります。マリカさんはモロッコ人ですが、自分が知らないうちに長女がどこかに腰を強くぶつけて、「青いアザ」ができたと思ったそうです。黄色人種の「蒙古斑」については、世界ではあんまり知られていないようです。

 ともあれ、アメリカにいると、幼児虐待やら家庭内暴力やらのニュースによく出くわします。最近の日本のことはよく知りませんが、僕は日本ではこういうニュースにお目にかかった記憶がほとんどありません。これは、何もアメリカに凶暴な人が多いということではないと思います。アメリカでは、ダグラスが話していたソーシャル・ワーカーなどが職業として確立されているので、幼児虐待や家庭内暴力があるときちんと当局に報告され、立件されるケースがきっと多いんでしょうね。



ワシントンの通勤地獄 (2003/01/17)


 僕は毎日、地下鉄で通勤しています。今朝その地下鉄に乗ろうとしたら、ドア付近に立っていた男に「No Room!(満員だ)」と怒鳴られました。仕方がないのでその電車には乗らず、次を待つことにしました。確かに混んではいたんですが、そいつが詰めてくれれば乗れないことはなかったんです。東京のラッシュ時の感覚から言ったら、あんなの全然混んでいるうちに入りませんよ。少なくとも、あの車両だけでも、あと20人くらいは乗れたはずです。あの怒鳴った奴を、東京の満員電車に放り込んでやりたくなりました。

 アメリカ人は混雑が苦手なのか、こういうことがあったのは今日が初めてではありません。混んでる地下鉄の中で、他人に軽く接触しただけで、文句を言われたことなんて何回もあります。広大な国土に住んでいるせいで、他人と自分との間の距離感が日本人とは違うのかもしれません。

 ワシントンの地下鉄は、路線ごとに色分けされていて、オレンジ、レッド、グリーン、イエロー、ブルーという五つの路線で構成されています。そのうち我が家は、オレンジ・ラインの沿線にあります。ここ数年、このオレンジ・ライン沿線の開発が進み、地下鉄の混雑度が急増しています。無理に乗ると今日のように文句を言われることがあるので、最近は混んでいる電車には乗らず見送るようにしていました。先日は三本続けて見送ったこともありました。でも今朝はかなり遅くなってしまったので、一刻も早くオフィスに着こうと思い、混んでる電車にも無理やり乗ろうとしたのです。その結果、怒鳴られてしまったというわけです。

 ワシントンの地下鉄では、一応ラッシュ時の混雑解消のため、ラッシュ時間帯に限って運賃が片道で30円くらい高くなっています。しかも、ワシントン界隈では、ほとんどのオフィスでフレックス・タイムを適用しているはずです。このラッシュ時の高運賃とフレックス・タイムの組み合わせは、机上では電車の混雑解消に効果的なように思えます。でも30円くらいの差では、実際は全然効果がないみたいです。とは言っても、東京の満員電車に比べたら、本当に全然混んでいないんですけどね。



ワシントンの地下鉄が嫌いな理由 (2003/01/18)


 昨日の続きです。僕はワシントンの地下鉄がはっきり言って嫌いです。その理由はいくつかあります。まず第一に、運行時間が全く信頼できないということです。電車の「運行ダイヤ」などはないので(もしかしたらあるのかしれませんが、ダイヤ通りに運行できないせいか公表されていません)、この駅から何時何分に乗れば、あの駅には何時何分に着くというのが全く分かりません。この定時運行こそが、車やバスに対する電車の優位性だと思うのですが、ワシントンの地下鉄に限って言えば、全く当てはまりません。

 僕の家の最寄り駅から職場までは、駅が3つだけなので、本当なら家から職場まで15分くらいで着くはずなんです。ところが、電車がなかなか来なかったり、やっと乗ったと思った電車が途中で止まったりして、通勤に30分や40分もかかることは日常茶飯事です。どうしてこういうことになっているのかというと、前の電車が先の駅でつっかえていたり、車両が故障したりすることがあるからです。「この電車は故障しましたので、次の駅で別の電車に乗り換えてください」という奇妙な体験を、ワシントンに来た最初の数年間で5度も味わいました。まあアメリカ人は大らかなので、こんなのでイライラしているのは、一分一秒違わぬ正確な電車運行に慣れている日本人くらいかもしれませんが。

 しかし、何と言ってもワシントンの地下鉄で一番許せないのは、エスカレーターやエレベーターの故障の多さです。ワシントンの地下鉄駅のいくつかは、「核シェルター」を兼用しているのではないか、と言われるくらい深い駅なんです。そういう駅で、エスカレーターやエレベーターが壊れていると、もうひたすら息を切らせて、壊れたエスカレーターの上を歩いて昇るしかありません。「A駅のエレベーターは故障中ですので、車椅子の方はB駅で降りてください。A駅まではシャトル・バスが出ています」というアナウンスもしょっちゅう聞きます。

 さらに悪いことには、彼らには壊れたエスカレーターやエレベーターを早急に直す能力がないのです。壊れたエスカレーターが、修理されずに数週間放っておかれたり、修理しているのにその修理に数週間もかかっていたりすることが多いです。僕は日本では、地下鉄のエスカレーターやエレベーターが壊れているのを一度も見たことがありません。日本の機械が壊れにくいのか、壊れてもすぐ深夜のうちに直してまうのかは分かりませんが、あれは結構凄いことなのかもしれないと、ワシントンに来てから日本の技術を見直しました。ワシントンの地下鉄を運営している公団の人たちは、日本で研修を受けるべきですね。



ゴアの決断、リーバーマンの決意 (2003/01/19)


 ひと月ほど前だったでしょうか。前副大統領のゴア氏が、2004年に行われる次期大統領選挙に立候補する意志のないことを正式に表明しました。その理由は、2000年のゴア対ブッシュの大統領選が大接戦で訴訟騒ぎにもなったため、同じ顔合わせの再選になると、「過去にばかり焦点が当たってしまい、未来がおろそかになる」というものです。大統領選とは、「アメリカの未来を懸けて争われるべき」ものなんだということです。アメリカ史上最高の副大統領と呼ばれ、外交と環境問題に強いゴア氏の大統領ぶりを見てみたかった気がします。ファンもまだまだ多く、インターネット上では、このゴア氏の不出馬決断を翻意させようという署名活動までありました。

 さて、このゴア氏の決断を受けて、2000年にゴア氏と組んで民主党の副大統領候補だったリーバーマン氏が、2004年の大統領候補への立候補をつい先日表明しました。仮に当選すれば、アメリカ史上初のユダヤ教徒の大統領ということになります。「ユダヤ教徒の大統領でも、ホワイト・ハウスのクリスマス・ツリーは飾りますか?」という意地悪な質問に対して、リーバーマン氏は「当然、クリスマス・ツリーは飾ります。私はユダヤ教徒である前にアメリカ人であり、その逆ではありません」と答えていました。

 民主党からは、このリーバーマン氏の他に既に4人が2004年の大統領候補に名乗りを上げていて、さらに少なくともあと数人ほどは出馬を真剣に考えているということです。ご存知のように、アメリカの大統領選は長期戦です。まず各党から立候補したい人が立候補し、党員による予備選挙で各党の最終候補者が決定します。この立候補と最終候補者決定の過程は、日本の選挙と実に対照的です。アメリカはまず個人が立候補し、政党が民主的に最終候補者を絞り込みます。方や日本の多くの選挙では、候補者の決定は政党の有力者や一部の地元現役議員によって非民主的になされてしまいます。アメリカにおける、この候補者を絞り込む民主的な過程こそが、僕は民主主義というシステムのひとつの大切な要素だと思っています。



シャボン液も凍るワシントンの真冬日 (2003/01/20)


 ワシントンはとても寒い日が続いています。連日、最低気温は零下10℃くらいで、最高気温は0℃前後です。去年は亜熱帯のブリスベンにいて冬がなかったせいか、今年の冬の寒さは特に身にしみます。

 どのくらい寒いかというと、シャボン液も凍る寒さです。先日妻が、長女の誕生会用にと、いくつかのおもちゃを通信販売で注文しました。そのおもちゃを入れた小包がおととい宅配で届いたんですが、その小包を早速開けてみると、中に入っていたシャボン玉を作るシャボン液が凍っていたのです。液が凍っていては、シャボン玉はできません。

 ご存知のように、純粋な水が凍る温度、いわゆる凝固点は摂氏0℃です。この水に不純物が混ざると、この凝固点が下がり0℃では凍らなくなると、確かむかし理科の時間に習いました。いわゆる「凝固点降下」という現象です。要するに、シャボン液は水より凍りにくく、0℃やそこらじゃ凍らないはずなんです。でも、そのシャボン液が凍っていました。真冬のワシントンは、それくらい寒いんです。まあ最低気温が零下10℃ですから、シャボン液だけじゃなく、大抵の液体は凍ってしまうのかもしれません。

 この凍ったシャボン液を見ていて、ある疑問が浮かんできました。部屋の中で温めたシャボン液を使って、シャボン液が凍るほど寒い屋外に向けて、窓からシャボン玉を飛ばしたらどうなるんでしょうか。そのシャボン玉は、飛んでいる最中に凍ってしまうのでしょうか。今度、実験してみようと思います。



私には夢がある。 (2003/01/22)


「私には夢がある。ジョージア州の赤い丘の上で、かつて奴隷として使われていた側の黒人の子供たちと、奴隷を雇っていた側の白人の子供たちが、兄弟のようにひとつのテーブルに着くことが出来る、そんな日がいつかやって来るという夢が。」
「私には夢がある。私の4人の子供たちが、彼らの肌の色ではなく、彼らの人格によって判断される、この国がいつかそんな国になるという夢が。」

 昨日の月曜日は、「マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの日」で休日でした。毎年1月の第三月曜日は、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(以下MLK)の誕生日を記念して休日となっています。上記の文章は、MLKが1963年8月28日にワシントンにあるリンカーン記念碑の階段の上から行った演説の一部を、僕が訳したものです。この演説は、「I Have a Dream」の一節で有名なので、聞いたことがある人も多いことでしょう。

 MLKがこの演説をした1963年は僕が生まれた年で、MLKはこの時まだ34歳でした。MLKは、わずか8歳か9歳の時に、「いつか自分は世界を変えてみせる」と自分の母親に言ったそうです。そう思ったきっかけは、白人の子供たちに一緒にベースボールをしようと言ったら、肌の色が違うという理由だけで断わられたことだったそうです。彼は1964年には「ノーベル平和賞」を受賞しますが、1968年、まだ39歳の時に暗殺されてしまいました。暗殺されたのは、今の僕と同い年の時だったということになります。

 MLKの素晴らしさは、あくまでも非暴力の抗議により、黒人に対する不公平と抑圧を変えていこうとしたところです。一昨日の日曜日、ワシントンでは異常な寒さの中、全米から約50万人が参加して対イラク戦争反対のデモが行われました。世界の政治指導者たちは、非暴力で事態を変えていくことの貴さを、改めてMLKから学ぶべきだと思います。



英語版の少年ジャンプ (2003/01/24)


 先月、八戸にいる小学生の甥っ子からEメールが来ました。「おじちゃん、アメリカで英語版の『少年ジャンプ』が発売されたそうなので、買って送ってほしい。少年ジャンプはいつも読んでいるので、内容が分かるはずだから、英語の勉強に最適だ」と言うのです。このEメールをもらって、先月ワシントン界隈の大きめの本屋を中心に4〜5店まわって、「英語版・少年ジャンプ」を探してみました。しかし、どこにも売ってませんでした。店員さんに尋ねても、誰も「SHONEN JUMP」なんて知りませんでした。

 仕方がないので、僕は次のようなEメールを甥っ子に送りました。「ワシントンでは、英語版の少年ジャンプはどこにも売ってなかった。おそらく発行部数が少なくて、ニューヨークなどの大都市の本屋にしか置いていないのかもしれない。あるいは、日本特有の『やらせ』で、英語版・少年ジャンプ発売というニュースだけを流して、実際は発売していないのかもしれないよ。」

 ところが、おとといフラリと入った職場の近くの本屋で、なんかアメリカらしからぬ派手なアニメの雑誌が目に留まりました。近づいてみると、確かに「SHONEN JUMP」と書いてありました。「やらせ」じゃあ、なかったんですね。これで甥っ子が喜ぶと思い、早速買いました。ちなみに、この英語版の月刊・少年ジャンプは328ページで、4.95ドルでした。どんなマンガが掲載されているかを、以下に書いておきます。

1.「NARUTO」(ナルト?)
2.「ONE PIECE」(ワン・ピース?)
3.「YUYU HAKUSHO」(幽々白書?)
4.「SANDLAND」(サンドランド?)
5.「DRAGON BALL Z」(ドラゴン・ボールZ?)
6.「YU-GI-OH」(遊戯王?)

 僕は小さい頃から、ほとんどマンガを読んだことがありません。「ドラゴン・ボール」くらいは聞いたことがありますが、あとは全く知りません。日本で現在販売されている少年ジャンプと同じ内容なんでしょうか。



ワシントンに八幡馬 (2003/01/25)


 今年のワシントンの冬は、僕が今までの人生で体験した冬のうちで、一番寒いと思います。はっきり言って、八戸の冬より寒い。こう寒いと子供たちも外で遊べないし、かと言って家にずうっと閉じこもっているのも面白くないので、博物館にでも行こうかということになりました。

 で行ったのが、ワシントンの「子供博物館」というところです。初めて行ったのですが、結構よかったです。頭を使うクイズ・コーナーや、理科の実験のようなコーナー、社会勉強のようなコーナーなどなど、うちの娘達のような小さな子供から中学生くらいまで楽しめる博物館だと思います。僕はクイズ・コーナーのところで、「1〜9までの数字を縦横3列に並べて、縦横ななめ全ての列の和が15になるようにせよ」というのに挑戦しましたが、20分もかかってやっとできました。誰かやってみてください。

 さて、この「ワシントン子供博物館」に、日本を紹介する「Japan Room」というのがありました。結構充実していて、日本の小学校の教室や、新幹線の車内、和室やおべんとう屋さんを模倣した部屋までありました。日本の各地方の郷土玩具を紹介したショー・ウィンドウもあり、東北地方のところには、どこかのこけし(多分宮城県のもの)と会津の赤べこと一緒に、なんと我が故郷・八戸の「八幡馬」が展示されていました。「八幡馬」は、福島の「三春駒」、宮城の「木ノ下駒」と共に日本三大駒のひとつに数えられています。まさかワシントンで「八幡馬」に出会えるとは、思ってもいませんでした。でも故郷の「八幡馬」がメジャー・デビューしたみたいで、何か誇らしい気持ちになりました。



ワシントンに慶長小判 (2003/01/26)


 今日はちょっと手を抜いて、昨日の二番煎じです。数年前、ワシントンにあるスミソニアン博物館で、「慶長小判」が展示されているのを見つけたことがあります。あれは確か、数あるスミソニアンの中の「自然史博物館」だったと思います。この「慶長小判」がいつからスミソニアンに展示されているのかは分かりませんが、おそらくかなり前からだと思います。そうだとしたら、僕が1994年にやって来る以前から、ワシントンには「慶長」が存在していたということになりますね。



吐き出すのはタダ、吸い込むのは75セント。 (2003/01/27)


 アメリカのガソリン・スタンドがセルフ・サービスだというのは、割と有名なことですよね。僕も、いつも自分で車にガソリンを入れます。料金はクレジット・カードを機械に差し込んで払います。慣れるととても便利なものです。ただひとつ問題なのは、ガソリン・スタンドによっては、給油の自動停止装置が時々壊れていることです。この装置が正常なら、給油中にタンクが満タンになると、給油は自動的に止まります。しかし、これが壊れていると、満タンになっても給油を続けるので、ガソリンが溢れてしまうのです。これさえ注意していれば、誰でも簡単に給油ができます。僕が日本を離れた1994年頃、「日本でもアメリカのようにセルフ・サービスのガソリン・スタンドを許可しよう」という動きがありましたが、その後これは実現したんでしょうか。

 さて、給油はもちろん自分でしますが、こちらでは、給油以外もセルフ・サービスです。給油以外というのは、車の窓を拭いたり、タイヤに空気を補充したり、座席に掃除機をかけたりという作業です。ガソリン・スタンドには、そのためのいろいろな装置や道具が置いてあります。きのう行った家のそばのガソリン・スタンドでは、ある装置の上に「Airはタダ、Vacuumは75セント」と書いてあり、コインの投入口がついていました。これは、タイヤの空気(Air)補充装置と、車内の掃除用の掃除機(Vacuum Cleaner)を兼ねた不思議な装置です。要するに、空気を吐き出すのはタダだけど、空気を吸い込むのには75セントかかるということです。一瞬なんか変な感じがしましたが、よく考えたら納得できました。75セントというのは、おそらく吸い取ったゴミを処理するための費用なんでしょうね。



171分の14 (2003/01/28)


 先日、娘を連れて行った床屋さんでたまたま手にした雑誌に、ある女性大使の話が載っていました。美人としか形容しようがないその人は、レイラさんという在ワシントンのパラグアイ大使でした。いろんなパーティーや会合に彼女が旦那さんと一緒に出席すると、大抵の人は彼女の旦那さんの方を「パラグアイ大使」だと思うんだそうです。レイラさんの夢は、将来パラグアイの大統領になることだそうです。

 ワシントンDCはアメリカの首都なので、ご存知のように各国の大使館が集まっています。ワシントンに大使館のある171の国のうち、レイラさんのような女性大使は14人しかいません。ワシントンで大使に遭遇して、その方が女性である確率は171分の14なんです。どんな国が女性大使をワシントンに送り込んでいるか、ちょっと気になったので調べてみました。パラグアイの他には、シンガポール、スワジランド、南アフリカ、ルクセンブルグ、リヒテンシュタイン、キプロス、ブルガリア、エクアドル、ベリーズ、アンドラといった国々です。あんまり脈絡はないですね。

 今の日本の駐米大使は誰なのか、ちょっと不勉強で知りませんが、当然男性です。でも、僕はいつも思うのですが、日本こそもっと女性を大使というポストに登用すべきだと思います。その理由は、海外にいる日本人女性は、大抵が個人で勝負できて、外国人受けがいい人が多いからです。あまり一般化し過ぎるのもいけませんが、僕が知る限り、日本人女性は海外での適応力がとても素晴らしいと思うのです。方や日本人男性は、海外でもどうも組織優先という日本のやり方を持ち込んで、あまり実力を発揮できない人が多いという印象があります。まあ、自分もそのうちの一人ですが。ともあれ、日本の国益のためにも、ワシントンに日本人女性大使がやってくる日を待望しています。



Super Ball ではなく Super Bowl (2003/01/29)


 おとといの日曜日は、いわゆる「スーパーボウル・サンデー」でした。「スーパーボウル」とは、ご存知アメリカNFL(アメリカン・フットボールのプロ・リーグ)のチャンピオンを決める試合です。アメリカではこの日は毎年かなり盛り上がり、試合を見ながらホーム・パーティーをやったり、仲間とスポーツ・バーにくりだしたりという人が多いようです。我が家はと言えば、いつもと全く変わらない日曜日でした。僕はスポーツ大好き人間ですが、どうもアメフトとクリケットだけは、ルールが理解できません。従って、アメリカに1994年以来住んでいるのに、いまだにNFLの試合を見たことがないのです。見ないから、ルールが分からない。ルールが分からないから、ますます見ないという訳です。

 おとといも試合は見ませんでしたが、今年の「スーパーボウル」では、ある発見をしました。今まで「Super Ball」だとばかり思い込んでいた「スーパーボウル」が、実は「Super Bowl」だと発見したのです。「Football」の「ball」ではなくて、「bowl」だったのです。「bowl」には、フットボールの試合という意味があるそうです。知りませんでした。アメリカに長く住んでいるとは言っても、僕の英語力はまあこんなものです。

 さて、この「スーパーボウル」のテレビ中継は、毎年ほとんどの成人したアメリカ人が見ると言われています。今年の視聴率は40.7%で、アメリカ全土で1億3765万人が見たんだそうです。「スーパーボウル」の視聴率は、毎年確実に40%を超えていて、アメリカのテレビ史上で視聴率が最も高かった15の番組のうち、実に9回が「スーパーボウル」なんだそうです。これは、日本の大晦日恒例「NHK紅白歌合戦」に匹敵する視聴率の高さではないでしょうか。



カリフォルニア雲丹とメイン雲丹 (2003/01/30)


 ワシントンにはあんまりいい和食レストランがありません。「Japanese Restaurant」という看板が出ていても、シェフが韓国人だったりベトナム人だったりして、「和食もどき」が多いんです。まあ、味覚の貧しいアメリカ人には、「本物」と「偽物」の違いが分からないのでしょうけど。

 ところが、最近ワシントンの郊外にできた「ヌーヴォー・イースト」というアジア料理のお店では、結構旨いお寿司が食べられます。ここのシェフは、ジェフさんという韓国人ですが、日本人の師匠から寿司の握り方を習ったんだそうです。それだけに、ネタにもこだわって、いろいろな所から新鮮な魚を集めてくるみたいです。

 この「ヌーヴォー・イースト」で出てくる雲丹は、今まではカリフォルニア州の雲丹でしたが、最近メイン州の雲丹が登場しました。冬に入ってメイン州の雲丹漁が解禁になったということです。カリフォルニア雲丹とメイン雲丹を比べると、味はどちらも美味しいんですが、色がかなり違います。カリフォルニア産の方は綺麗なオレンジ色をしていますが、メイン産の方は少し茶色がかっています。

 僕のリサーチの結果では、メイン州の水産業において、雲丹はロブスターとサーモンに次いで第三の主要産物となっています。メイン州の雲丹は日本にも多く輸出されていて、輸出量ではカリフォルニアの雲丹を凌いでいるんだそうです。ところが、この茶色っぽい色のために、メイン州の雲丹は1ポンド当たり30ドルでしか売れず、一方、綺麗なカリフォルニアの雲丹はその3倍くらいの値段で日本に売られるそうです。

 「日本人は口の他に目でも食べるので、料理の色は綺麗でなければならない」というのは、アメリカでも結構知られています。そこで、このメイン州の雲丹の品質や色を改善して、もっと高値で日本に売ろうという様々な試みが行われているようです。実は、このメイン州は、僕のふるさと青森県と姉妹提携を結んでいます。青森県は雲丹の本場でもあります。水産のことはあまり分かりませんが、メイン州の雲丹のために、青森の水産技術を活かせないでしょうか。せっかくの姉妹提携ですから、カリフォルニアに負けない雲丹を作るために、メイン州を後押ししてあげればいいのに。まあ、あんまり多くのメイン州の雲丹が日本に入ってきて、青森の雲丹を脅かすようになっては困るのでしょうけれど。雲丹に限ったことではありませんが、国を介せず地方同士が協力して、お互いの地域経済を活性化できたら面白いのになあと思いました。僕の知らないところで、もう何かやっているのかもしれませんが。



時間厳守の日本人、いつも遅れるインド人、計算高いドイツ人。 (2003/01/31)


 今日は僕が担当しているプロジェクトのことで、インド人のロイヤーとミーティングがありました。僕のオフィスがある10階から、同じ建物の6階にある彼のオフィスまで数分で行けるだろうと思い、予定時間の3時に間に合うように2時55分頃オフィスを出ました。ところが、世銀のオフィスは迷路のようになっているので、初めて訪れる彼のオフィスを探すのにてこずってしまい、結局5分遅れて、3時5分くらいに彼のオフィスに着きました。ところが、そのロイヤーがいません。仕方なく彼のオフィスで待っていると、さらに送れて3時10分くらいに彼がコーヒーを片手に現れました。彼いわく、「時間厳守で有名な日本人が、3時になっても来なかったので、自分も遅れてもいいだろうと思ってコーヒーを買いに行ってた」そうです。さすがは、ロイヤーの理詰め(?)の言い訳でした。

 外国人に、「時間厳守の日本人」と言われたのは、今日が初めてではありません。以前もこんなことがありました。別のインド人のパラムと、ドイツ人のクリステンと三人で、ランチの約束をしていた時のことです。12時半にオフィスの地下にあるカフェの前に集合することになっていました。12時半きっかりにやって来たのは僕だけでした。10分ほど遅れて現れたのは、ドイツ人のクリステン。彼女は、「時間厳守の日本人と、いつも必ず遅れるインド人との待ち合わせは苦労するわ。だって何時にいけばいいか分からないもの。でも、パラムが遅れるのを見込んで、私も遅れてきたの」、という言い訳をしました。それからさらに5分くらい経って、やっとパラムが現れました。そのパラムに向ってクリステンは、「日本人と待ち合わせるときは、時間厳守しなきゃダメよ」と言っていました。まあ15分くらいの遅れなら大目に見ますよ。パラム君、気にしないで下さい。



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