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WASHINGTON 通信(July 2003)



WWW.慶長ドットコム 開始 (2003/07/01)


 区切りの二周年ということで、今日からホームページを移転して新たにスタートしました。コンセプトや内容は今までと変わりありませんので、今後ともどうかよろしくお願いします。

 ホームページ移転のきっかけは、ひょんなことから www.keicho.com というドメインが利用可能であると知ったことです。「これは将来のためにも、このドメインを確保しておいた方がいいなあ」と思い、ネット上で条件のいいドメイン取得代行業者を探していました。日本の業者はどうもいい条件のところがなく、結局アメリカで名の通っているところに決めました。僕がいろいろ調べた限りにおいては、アメリカの業者の方が値段的にかなり安いですね。ドメイン取得も千円くらいでしたし、25メガバイトのサーバー・スペースも月々千円くらいです。これは、毎日のように飲んでいるスタバのカフェ・ラッテを三日か四日控えるだけで賄えます。英語ができる人は、アメリカのドメイン取得業者やレンタル・サーバー業者の方が多分お得ですよ。

 さて、新たにホームページをデザインするにあたって、いくつかの点に注意しました。ひとつは、海外のコンピューターからも読めるようにすることです。例えば、前のリムネシアのホームページは、ワシントンの僕のオフィスのコンピューターでは読めなかったんです。でも、そのコンピューターでも朝日コムなどのサイトは日本語で読めていたんです。ですから、日本語のサイトでもHTMLの書き方によって、日本語環境ではないコンピューターからでも読めるものと読めないものがあるんですね。詳しいことは分かりませんが。今回は、オフィスのコンピューターからも読めるように各ページに工夫をしました。

 もうひとつは、横幅の指定です。前のホームページは、自分のコンピューターで見る限りにおいては綺麗に見えていましたが、使うコンピューターによっては横スクロールを使わなければ読めない場合がありました。今回は、横幅を600ピクセルに固定することで、横スクロールの必要性がなくなったと思います。

 最後に、フレームのナビゲーション機能は捨て難いなあと思っていましたが、ホームページについて研究すればするほど、「アクセス・アップを目指すならフレーム使用はタブーだ」という専門書に感化されてしまいました。ということでフレームは消えましたが、極力ナビゲーションしやすいデザインを心がけたつもりです。「前の方が良かった」とか、「もっとここをこうした方がいい」とか、この新ホームページのデザインについてご批判や感想があれば、ゲストブックに是非記入してください。それでは、本当に今後ともよろしくお願いします。



政敵のウェブ・アドレスを盗む。 (2003/07/02)


 慶長ドットコムという独自ドメインを取得したのに関連して、今日は最近のローカル・ニュースから面白い話題を提供します。ヴァージニア州の地方選挙に立候補予定だったJack Rollison(ジャック・ロリソン)さんという政治家が、選挙キャンペーン用にホームページを立ち上げようとして、www.jackrollison.com というアドレスを取得しようとしました。ところが、このアドレスは既に誰かが取得しているという事実が判明したのです。その誰かとは、何と彼の政敵であるフレデリックさんという別の政治家だったのです。要するにこのフレデリックさんは、政敵の名前がそのままアドレスになっているウェブ・サイトを運営していたという訳です。おそらくロリソンさんに関するネガティブ・キャンペーンをこのウェブ・サイトで展開していたのでしょう。

 これは、Eポリティクスが進んでいるアメリカならではのニュースという感じで、とても興味深いですね。有権者がロリソンさんの政策をチェックしようとして、検索エンジンで「Jack Rollison」と入力すると、政敵のフレデリックさんのサイトに繋がってしまうのです。そして、そこにはロリソンさんにとって不利な情報が掲載されているのです。倫理的に問題がありそうですが、フレデリック陣営もなかなかユニークな手段を考えたものです。

 日本では、まだまだこういうことが起こるほど、政治におけるインターネットの活用が進んでいないのかもしれません。いまだに自分のホームページも持たない政治家がいるなんていうのは、時代感覚が全く無い証拠ですね。あるいは時代感覚以前の問題で、ホームページで有権者に訴えるビジョンも政策もないのかもしれません。さて、僕は www.keicho.com を取得したので、ロリソンさんのように敵にこのアドレスを使われるという心配は、とりあえずなくなりました。政治家じゃなくても、敵って結構多いんですよ。



人に尋ねるアメリカ人、自分で確認する日本人 (2003/07/03)


 アメリカでエレベーターに乗っていると、扉が開いて乗り込もうとしている人に、「Going Up or Down?(上ですか下ですか)」とよく尋ねられます。エレベーターに乗ろうと待っていても、エレベーターから降りようとする人に、「ここは何階ですか」とよく尋ねられます。エレベーターの外部には、上に行くか下に行くかの表示が出るし、内部にはきちんと階数表示があるのにです。こういうことがあまりに多いので、アメリカ人はどうして自分で確認しないのかなあと不思議に思います。

 同じようにワシントンで地下鉄に乗っていると、新たに乗り込もうとする人に、「これはオレンジ線ですか、それともブルー線ですか」とよく聞かれます(この二つの路線はある区間で線路を共有しているのです)。電車にはそれぞれ行き先と何線かの表示が出ているのに、こうなのです。ちょっと理解に苦しみます。あんまり一般化しすぎるのは嫌いですが、アメリカ人は日本人より他人に物事を尋ねることが多いようです。方や日本人は、まず最初は自分で確認しようと努める傾向があるのではないでしょうか(もしかしたら、自分だけか?)。

 さて、うちの4歳の長女はアメリカで産まれ育っていながら、エレベーターに乗ると常に階数表示をじっと見つめて、今は何階にいるかというのを几帳面に確認しています。日本人だからではなく、僕の娘だからでしょうか。もしかしたら、こういうのは国籍や育った環境の影響というよりも、個人の性格によるのかもしれませんが、でも、やっぱりアメリカ人は他人に尋ねる傾向が強いような気がします。



アメリカの誕生日 (2003/07/04)


 今日7月4日は227回目のアメリカの独立記念日でした。我が家の娘達は、デイ・スクールで今日がアメリカの誕生日だと教わってきたらしく、一日中「バースデイ、バースデイ」と叫んでいました。そして、以前長女のお誕生会で使った飾り付けをし、「バースデイ・ケーキ」を食べました。夜9時10分からは、恒例の打ち上げ花火が20分間ありました。我が家のアパートからは、ワシントンの夜空に上がるこの花火が綺麗に見えるのです。今年の花火は、中国、日本、そしてスペインからも輸入したそうです。

 毎年そうですが、この日のアメリカは愛国心一色になります。この日は、実に多くの人が星条旗をあしらった服を着るのです。星条旗のついたTシャツや、赤と白のストライプの洋服などが街に溢れます。ちなみに、我が家にはそういう服は一着もありません。

 さて、花火が打ち上げられる少し前まで、テレビではワシントンのモールで行われていたフェスティバルの様子を生中継していました。最後に出てきた歌手のドリー・パートンは、星条旗で作ったミニ・ドレスを着ていました。彼女は、「海外の戦場では、まだ我々の兵士達が戦っている」と言い、彼らを讃える歌を歌いました。その歌にあわせて、画面には何故か第二次大戦直後の白黒の映像が流され、「日本が降伏した」と大きく書いた紙を掲げた人が映ったのです。あれは何だったのでしょうか。愛国心を煽るためでしょうか。とりあえず、「アメリカよ、誕生日おめでとう。」



曜日指定の祝日と、日付指定の祝日 (2003/07/05)


 昨日の7月4日は、アメリカの独立記念日でお休みでした。7月4日は毎年祝日ですが、ご存知のようにアメリカでは、このように日付指定された祝日はとても少ないんです。僕の知る限り、7月4日の独立記念日と、1月1日の元旦と、12月25日のクリスマスだけです。この三っつだけは、毎年同じ日がお休みです。

 アメリカのこれら以外の祝日は、大抵が何月の第何月曜日というように曜日指定されています。例を挙げると、1月の第三月曜日が「マーティン・ルーサー・キングJrの日」、2月の第三月曜日が「大統領の日」、5月の第四月曜日が「メモリアル・デー」、9月の第一月曜日が「レイバー・デー」、10月の第二月曜日が「コロンブスの日」、11月の第四木曜日が「感謝祭」となっています。圧倒的に月曜日が多いのは、当然ながら土日月と三連休にするためです。「マーティン・ルーサー・キングJrの日」のように、偉人の誕生日を記念する祝日も、その誕生日の日付ではなく曜日指定となっています。だから昨日の独立記念日は、休日の中でも日付指定という特別扱いを受けていることになるのです。



戦争終結後に増える戦死者 (2003/07/06)


 日本で対イラク戦争終結後のことがどのように報道されているのかは知りませんが、今日のワシントン・ポストによると、戦後もイラク人の抵抗によりアメリカ人兵士の戦死者が増え続けているようです。今日の記事によると、7月5日現在、対イラク戦争で犠牲になったアメリカ兵は207人に登るそうです。その約3分の1に相当する68人が、ブッシュ大統領が戦争終結宣言をした5月1日以降に亡くなっているというのです。この状態は、戦後と言えるのでしょうか。

 この戦争におけるアメリカ人の戦死者数は上記のようにはっきりしていますが、イラク人戦死者数の方は全く闇の中です。ただ、イラク側の犠牲者数が、アメリカ側のそれをはるかに上回っているというのは容易に想像できます。報道によると、昨日も爆弾でイラク人警察官が7人亡くなりました。彼らはアメリカにより訓練を受けていた新人警察官で、アメリカに協力したイラク人が標的になったという格好です。やはり、イラクはまだ戦後ではない。イラクで今実際に何が起こっているのか、我々はまだまだあの国から目を逸らしてはいけないと思います。



一流から超一流へ (2003/07/07)


 7月15日に行われるメジャーリーグ・ベースボール(MLB)のオールスター戦メンバーが発表になりました。僕が嬉しかったのは、イチローよりも松井よりも、長谷川が選ばれたことです。メジャー7年目で地味なセット・アッパーが初出場です。僕は常々、MLBの日本人投手の中で、一番安定していてコンスタントに結果を出しているのは長谷川だと思っていました。今年は特に絶好調で、今まで44イニング以上を投げて自責点は零点台をキープしています。彼は著書「適者生存」の中で、「自分は超一流にはなれないかもしれないが、長く一流であり続けることはできる」と書いています(「慶長の本棚」も参照ください)。このオールスター出場で、長谷川は超一流選手の仲間入りを果たしたと言えるでしょう。

 さて、今年のMLBのオールスター投票については、実は僕自身もインターネットから投票しました。当然、イチローと松井には一票ずつ入れておきました。でも、日本と違ってMLBのオールスター戦ファン投票は、何故かピッチャーには投票できないのです。従って、長谷川には投票できませんでした。でも、MLBの日本語サイトで、「日本人メジャー・リーガーのうちで、誰にオールスター戦に出場してほしいですか」というアンケートをやっていたので、そちらではしっかり長谷川を選んでおきました。

 MLBのオールスター投票のサイトは、英語、日本語、スペイン語の三ヶ国語表示が可能でした。それに、一人で最高25回まで投票できることになっていました。さらに、今年は選手同士が投票し合うという試みも行われて、これもメンバー選考の材料に使われたそうです。さて、7月15日が待ち遠しくなってきました。一番の注目は、やはり長谷川のピッチングです。



上半身裸で走るアメリカ人 (2003/07/09)


 ワシントンは蒸し暑い日が続いています。そんな中、ワシントンの街中でお昼休みにジョギングをしている人をよく見かけます。汗だくになって炎天下を駆け抜けていきます。そんなワシントンのジョギング愛好者の中で実に多いのが、上半身裸で走っている人たちです。当然、男性に限りますが、あれは暑いからなんでしょうか。汗でシャツが身体に張り付くのを嫌うからでしょうか、それとも、単に自分の肉体美をひけらかしたいからでしょうか。

 ジョギングをしている人たちばかりではなく、夏になると上半身裸でスポーツをしている男性たちがワシントンにはとても多いんです。公園でテニスをしている人、バレーボールをしている人、サッカーをしている人などなどが上半身裸なんです。やっぱり、ワシントンの夏の蒸し暑さと関係があるのでしょうね。

 さて、そんな半裸の男達を見ると、うちの長女はいつも「Bad Manner(お行儀が悪い)」と叫びます。だから、僕は外では上半身裸にならないように心がけています。子供たちの見本となるように、いつも行儀よくしていたい。中年太りを隠すには、実に都合のいい言い訳です。



迷惑な電話商法を撃退する方法 (2003/07/11)


 せっかくの家族団らんの時間を、迷惑な電話商法で台無しにされたことはありませんか。集中して物事に取り組んでいる時、電話商法でやる気を削がれたことはありませんか。

 アメリカでは、こういった電話による勧誘や商品の宣伝が実に多いんです。各種カード会社や、インターネットなどの通信サービス、旅行パッケージなどなどを販売しようと、実に多くの電話がかかってきます。全く興味もない商品の場合は、こういう電話は迷惑以外の何物でもありません。一方的に電話をかけてきて、一方的に商品を説明するので、まるで押し売りのようなものです。電話をしている側は、おそらくかなりの人数にたて続けにかけているのでしょう。全く愛想もなく、ただ文章を大急ぎで読んでいるような話し方が多いので、僕はよく相手が話している途中で電話を切ってしまいます。

 このような迷惑な電話商法を撃退しようと、最近アメリカの政府が対策を講じました。政府が電話商法拒否のための専用のウェブサイトを立ち上げたのです。そのサイトにインターネットでアクセスし、自分の電話番号を登録すれば、もう電話商法に悩まされることはなくなるのです。ここに登録された電話番号に、勧誘や販売などビジネス目的で電話をかけることは違法になったからです。これは実にいい手段を考えたものです。

 この電話商法拒否サイトですが、開設の初日一日だけで、何と75万人が電話番号を登録したそうです。一秒間に千人ものアクセスが集中し、回線がパンク状態になったこともあったそうです。こういった数字からも、アメリカ人が今までいかにこの電話商法に苦しめられていたかが分かるというものです。言うまでもありませんが、我が家の電話番号もしっかり登録しておきました。



幸運を呼ぶクッキー (2003/07/12)


 今日の晩御飯は中華でした。いつも美味しい近くの中華料理店から、テイクアウトしてきました。アメリカで中華料理店に入ると、大抵は最後にお勘定といっしょに「Fortune Cookie(運試しのクッキー)」と呼ばれる小さなクッキーが出てきます。このクッキーは、日本で言う「おみくじ」みたいなもので、クッキーを割ると中に小さな紙が入っていて、そこに運勢が書いてあるのです。

 今日のテイクアウトにも、このクッキーが付いて来ました。食後にクッキーを割ってみると、「近々いいことが起きる」と書いてありました。僕は星占いでもおみくじでも、ラッキーな運勢は信じることにしています。信じていると、実現することって結構多いからです。どんないいことが起きるか、ちょっと楽しみです。

 もう8年か9年も前ですが、アメリカに来た当初、実はこの「フォーチュン・クッキー」に救われたことがあります。あの頃、英語も今ほど自身がなく、慣れない生活と仕事に苦しんでいました。自分はこのままこの世界銀行でやっていけるのだろうかと、ひとりぼっちで落ち込むことも多かったんです。最初は一年間の仮採用期間があったので、仮採用を無事終了して正規職員になれるのかどうかが本当に心配でした。そんな時に入ったある中華料理屋さんでフォーチュン・クッキーを割ると、「自分を信じて努力すれば道が開ける」と書いてありました。以前何度も、「自分はアメリカに来た当初、メジャー・リーグでの野茂の活躍に勇気を与えられた」と書きましたが、あのフォーチュン・クッキーにもかなり励まされたのを覚えています。

 アメリカの中華料理店でよく見かけるこのフォーチュン・クッキーですが、アメリカ以外ではほとんど見たことがありません。どうしてなんでしょうか。あれは、アメリカに移民した中国人が考え出したものなのでしょうか。いずれにしても、僕にとっては文字通り「幸運のクッキー」です。



プールではくオムツと靴 (2003/07/14)


 週末は娘達とアパートのプールで泳ぎました。泳いだというか、ほとんどただ水に浸かっているだけでしたが。4歳の長女は、息を止めて頭を完全に水面下に沈めることができるようになりました。2歳の次女の方は、浮き輪の上でプカプカ浮いているだけです。

 乳幼児の「水泳用オムツ」については、旧サイトのゲストブックで少し話題になりましたが、「ワシントン通信」の記録に残すためにもう一度触れておきます。アメリカでは、トイレ・トレーニングが完了していない乳幼児をプールに入れるには、この「水泳用オムツ」が必須条件です。小さな子供は皆、水着の下にこれを着けています。この特殊なオムツは普通のオムツよりタイトで漏れにくい構造になっているようで、万が一の時にもプールの水質への影響はごく最小限に抑えられるのでしょう。我が家の長女の方はもうこの「水泳用オムツ」から卒業しましたが、次女の方はまだ時々お漏らしをするので、プールに入る時は必ずこのオムツをはかせます。

 アメリカのプールで見かけるもうひとつの見慣れない光景は、子供が靴をはいていることです。この靴は、靴底が滑りにくいイボ状になっている「水泳用の靴」で、子供が濡れたプールサイドで転ばないようにということなんでしょう。我が家の娘達は、この靴を持っていません。

 「水泳用オムツ」といい「水泳用の靴」といい、日本では見たことがありませんでした。オーストラリアでも赤ん坊が裸でプールに入っていたので、あんまり気にしないのかもしれません。アメリカ以外の国で、これらが普及しているところがあれば是非教えて下さい。



年に一度の勤務評定 (2003/07/16)


 僕の職場である世界銀行は年棒制です。年に一度の勤務評定に基づいて、翌年度の給料上昇率が決まります。要するに、その他の条件が同じであれば、この勤務評定の成績が良いほど給料が上がるしくみになっているのです。

 今年も少し前にこの勤務評定があったので、そのことを少しだけ紹介してみようと思います。勤務評定は主に二項目について行われます。ひとつは担当業務の成果(Results Assessment)で、もうひとつは勤務態度(Behavioral Assessment)です。業務成果の方は、一年前に上司と合意した成果目標がきちんと達成されているかどうかを担当業務ごとに評価されます。僕の場合、昨年度はスリランカの水供給やブータンの地方都市開発など主に4つの業務を担当したので、その各業務について五段階評価(最高、優、良、可、不可)がつきます。昨年度は本当に忙しく、自分では全てに「最高」をつけたい気分でしたが、課長の評価は「最高」がひとつ、「優」がひとつ、「良」がふたつでした。

 もうひとつの勤務態度の方は、「顧客主義」、「成果達成への努力」、「チームワーク」、「知識の吸収と共有」という4つについて、やはり同様に五段階評価です。こっちの方も全く同じように、「最高」がひとつ、「優」がひとつ、「良」がふたつでした。

 課長が自分の部下についてこのような評価を決めた後、毎年必ず、課長と部下ひとりひとりの面談が個別に行われます。その面談で、上司の評価が適当かどうかが話し合われ、仮に双方が納得しなければ交渉が行われるのです。自我の強い人なら、この交渉でゴネる場合もあるでしょう。僕の場合は、今回の評価にはあまり満足できませんでしたが、すんなりと受け入れました。謙譲の美徳を重んじる日本人の性格が出てしまったのです。それに、五段階評価には納得できなくても、勤務評定書に課長が書き込んでくれたコメントが最高に近いくらいの賛辞だったので、まあいいやと思ったのです。

 この勤務評定は、課長と部下双方がサインをし、その後に局長が了承することになっています。局長のサインが得られればその評価は確定となり、人事ファイルに保存されるのです。以上が世銀の勤務評定の概要ですが、この人事評価制度がうまく機能するためには、上司がいかに客観的に部下の勤務成績を判断できるかにかかっていると思います。



国際機関で出世するのは関西人? (2003/07/17)


 昨日は世銀の勤務評定に関連して、多少不満がありながらも自分は上司の評価をすんなり受け入れたと書きました。このような謙譲の精神は、残念ながら僕の職場ではあまり評価されない場合が多いです。国際機関では、きちんと仕事をこなし成果を出している人より(それも当然大事ですが)、自分の能力をうまくアピールできる積極派が成功している場合が多いような気がします。世銀では、勤務評定も、人事異動も、昇進も、全ては自分からアピールしていかないと何も起こりません。日本のように、人事担当部局が異動も昇進も決めてくれるのとは全く訳が違うのです。日本式に謙遜して「自分は何もできませんが、一生懸命頑張ります」ではダメで、「自分はこういう専門と経験があるので、これとこれと、そしてあれもできます」という風に、多少なりとも誇張して自分を売り込んでいく必要があるのです。

 これはもう半分ハッタリの世界かもしれません。そういう意味では、関西人の商売のノリに近いような気がします。そういえば、国際機関で出世をしている日本人は、気のせいかもしれませんが関西人が多いように思います。僕のような朴訥の東北人はダメですね。でも、もう世銀勤務も9年になるので、もしかしたら自分の性格が少し関西人っぽくなってきているかもしれないと思うと、ちょっと恐いです。



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