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WASHINGTON 通信(February 2004)アメリカで家を買う際に欠かせないのが、「ホーム・インスペクション」と呼ばれる家の点検です。買い手の責任で専門家を雇い、買おうとしている家に欠陥が無いかどうかを調べるのです。この点検の結果いかんで、買い手が買うのを止めたり、欠陥部の修理などの買い取り条件をつけたりします。銀行もこの「ホーム・インスペクション」の結果を参考にして、買い手に対する住宅ローン貸付の最終決定をするようです。 僕らが最近買った家の場合、「ホーム・インスペクション」の結果、幸いにして大きな欠陥は発見されませんでした。いくつかの小さな修理が必要とされましたが、その修理代を売り手に肩代わりしてもらうという条件で合意しました。 この「ホーム・インスペクション」の点検事項は、実に多岐に渡ります。基礎や屋根などの構造上のことから、水まわりや空調設備、電気系統、そして取り付けてある洗濯機や冷蔵庫などまで点検します。さらに、白アリなどの害虫がいるかいないか、そして室内の大気汚染がないかどうかまで調べます。室内の大気汚染に関しては、建材に有害なアスベストや鉛入りのペンキが使われていないかどうか、また、放射線物質であるラドンの濃度測定までやりました。 僕らの家を点検してくれたのは、とてもプロフェッショナルでフレンドリーなチャンドラーさんというおじさんでした。そのチャンドラーさん、うちの洗濯機を見た途端に「おお、これはMAYTAGじゃないか。メイド・イン・ジャパンのクオリティーだ」と言いました。それまでは聞いたこともありませんでしたが、「MAYTAG」というのはアメリカの大型家電のメーカー名で、チャンドラーさんによると最高級品の代名詞なんだそうです。さらに彼は、「もし、あなたに独身の弟がいたら、メルセデスなどは買わずに、MAYTAGの洗濯機を買うように薦めなさい。女性が惹かれて寄ってきますよ」と付け加えました。 ちなみにこの洗濯機はフロント・ローダーと呼ばれるもので、洗濯物を出し入れするところが洗濯機の上面ではなく前面についています。確かこのフロント・ローダーは水の使用量が少なくて済むということで、僕が出向していた豪州ブリスベン市では、「新興住宅地には環境保全のためこのタイプの洗濯機を義務付けようか」という議論までありました。 我が家では新聞はメジャーな「ワシントン・ポスト」を取っていますが、今日はその新聞配達の話をします。アパートに住んでいた時は、毎朝、新聞がドアの前の廊下にドサッと置かれていました。一軒家に引っ越してからは、細長いビニール袋に入れられた丸まった新聞が毎朝庭に転がっています。 アメリカでは郵便受けは各家にありますが、新聞入れや新聞受けというのは、少なくともワシントン界隈では見たことがありません。ですから、朝歩いていると、新聞が各家の前の歩道や庭先に転がっているのをよく見かけます。雨の日も雪の日も、同じように新聞が転がっています。ビニール袋に入っているのは、中の新聞が濡れたり汚れたりするのを防ぐためでしょう。毎朝、毎朝、アメリカ中で新聞が配達される度にビニール袋が無駄になっているのかと思うと、あんまりいい気がしませんね。 さて、数日前のことですが、我が新居に「ワシントン・ポスト」が配達される瞬間を初めて目撃することができました。僕が抱いていた新聞配達というイメージとはほど遠い大き目のライトバンが、スーッと家の前をのろいスピードで通過していたのです。次の瞬間、左ハンドルの運転席の窓から何かが投げられました。その投げられた細長い物体は、ライトバン越しに道路右側の我が家に向かって大きな放物線を描いていました。やがてその物体は、我が家の敷地内で玄関から一メートルくらい前の地点に落下したのです。その物体こそが、ビニール袋に入った「ワシントン・ポスト」だったのです。動いている車から投げ捨てるようなこの配達方法を見て、僕はちょっとしたショックを覚えました。 今年は四年に一度のアメリカ大統領選挙の年です。本選挙は11月ですが、選挙戦は既に始まっています。現在は、民主党の大統領候補者を選ぶ予備選挙の真っ最中なのです。各州の予備選挙などを通じて民主党の指名を勝ち取った候補者が、今年11月の本選挙で共和党の現職ブッシュ大統領に挑むことになります。 1月19日のアイオワ州党員集会で幕を開けた民主党の指名争いは、その後1月27日のニューハンプシャー州予備選挙を経て、昨日はオクラホマ州やデラウェア州など7つの州で予備選挙が行われました。今まで行われた9州のうち7州で勝利を収めてここまでトップを走っているのは、マサチューセッツ州選出の上院議員であるジョン・F・ケリー氏です。ケリー氏は、海軍兵としてベトナム戦争を戦った経験があり、その後アメリカに戻ってからは一転して反戦活動のリーダーとして活躍したのだそうです。ケリー氏がこのまま民主党の予備選挙を勝ち続ければ、本選挙では「武力に物を言わせるブッシュ」対「反戦の騎士ケリー」という構図が成り立つかもしれません。 さて、このジョン・F・ケリー氏のイニシャルはJFKです。あの暗殺されたケネディー大統領と全く同じです。ケネディー大統領が当選したのは1960年のことですから、今年もしケリー氏がブッシュ氏に勝てば、イニシャルの上では44年ぶりにJFKという大統領が誕生することになります。でも、民主党の予備選挙は始まったばかりです。予備選挙だけでも6月までの長丁場ですから、そんなことを言うのはまだ気が早いかもしれませんね。 前回、「民主党の大統領候補指名争いは、1月19日のアイオワ州で幕を開けた」と書きましたが、正確にはアイオワ州より早く1月13日に全米のトップを切って行われた予備選挙があります。何を隠そう、それはワシントンDCでした。 各党の最終的な大統領候補は、夏に行われる全国党大会での投票で決まります。今盛んに行われている各州の予備選挙というのは、全国党大会で投票権をもつ「代議員」を選ぶ争いなのです。各州選出の代議員の人数は州の人口などを基にあらかじめ決められており、予備選挙で勝っていけば、全国党大会で自分に投票してくれる代議員をどんどん獲得していくということになります。代議員の選出の仕方は各州に任されていて、予備選挙だけとは限りません。党員集会という地域党員の合議で決めるところもあるそうです。 1月13日に行われたワシントンDCの予備選挙は、何故か他州と違って代議員を決定する拘束力の無いものでした。ワシントンDCの代議員は、2月14日の党員集会であくまで決定されるのだそうです。そのため、予備選挙を早く実施したワシントンDCよりも、代議員を全米で最初に正式決定したアイオワ州の方が、事実上の候補者指名争いのスタートとなってしまうのです。ちょっと分かりにくいですね。 代議員を選ぶ予備選挙や党員集会の時期も、各州が独自に決められます。最近の傾向としては、こういった予備選挙や党員集会を選挙戦の初期に前倒しして行う州が増えているそうです。これは、マスコミの注目度が集まりやすいために、州のニーズや利害を大統領選の(少なくとも党の予備選挙の)争点にするように仕向ける狙いがあるのでしょう。実は、拘束力のない予備選挙だったとは言え、ワシントンDCが今回の大統領選から予備選挙を全国最初の時期に持ってきたのも、ある争点を全米に知らしめるためです。それについては次回に書くことにします。 前回、「ある争点を国中に知らしめるために、ワシントンDCが大統領候補を決める予備選挙を前倒しして全米で最初に実施した」と書きました。その争点とは、「Taxation without Representation」というものです。日本語では「参政権のない課税」とでも訳しましょうか。一言でいうと、「ワシントン市民は国政への参政権が限定されているのに、国税は他の国民と同じように払わされている」ということです。以下にもう少し詳しく述べてみます。 アメリカ連邦議会の上下両院は、選挙で選ばれた全米50州を代表する議員で構成されています。上院には、州の規模に関わらず各州から等しく二人ずつ選出された合計100人の議員がいます。下院の方は、50州を一定規模の人口に応じて区割りした各選挙区から計435人の議員が選出されます。ところがワシントンDCは、どこの州にも所属しない「首都特別区」のため、上院にも下院にも地域の正式な代表者を送り込んでいないのです(下院にたった一人だけ、議会での投票権を持たないオブザーバー的な代表者がいます)。つまりワシントンDCの住民は、自分達の行政区域が州ではないという理由だけで、国政への参政権を奪われているということになります。それなのに国税の義務は等しく課され、「権利がないのに義務だけ押し付けられるのは不公平じゃないか」という議論です。僕はこの議論には一理も二理もあると思っています。 この不公平を是正するには、ワシントンDCが51番目の州になるか、「特別区」のままで州と同様に連邦議会への代表権を与えるしかありません。ワシントンDCより人口が少ないワイオミング州でさえ、上院に二人、下院にひとりの代表がいるのですから。予備選挙の前倒しによって、この問題を大統領選の(少なくとも予備選の)争点にしようとしたワシントンDCの試みは、残念ながら成功したとは言えないでしょう。なぜなら、多くの主要な大統領候補がワシントンの予備選挙への参加を見合わせたためにマスコミの注目度も低く、予備選挙の投票率も10数パーセントと低調だったからです。 先週、僕のオフィスのEメール・アカウントにナイジェリアから三通のメールが来ました。送り主は全く異なりますが、どれも似たような内容で、すぐにこれは一部で有名な「ナイジェリア詐欺」と呼ばれるものだと分かりました。こういうメールは以前にも何通か受け取ったことがありますが、こんなにたて続けに来たのは初めてです。 その「ナイジェリア詐欺」のメールの内容はこんな感じです。いずれも何らかの理由で巨額の隠し資産や裏金があり、日本円では億単位のそのお金を外国の銀行口座に移したいというのです。そのために外国人のパートナーが必要で、是非あなたにパートナーになってほしい。成功したあかつきには、あなたに報酬としてその資産の何割かを提供するというのです。参考までに、先週の三通のメールの送り主と、隠し資産の中味や金額は以下の通りでした。 1. 前ナイジェリア大統領の隠し資産4500万ドルを所有する前大統領の家族 2. ナイジェリアに一千万ドル相等の不動産を残して死んだアメリカ人ビジネスマンの秘書 3. 石油関係のプロジェクト契約で3500万ドルの裏金を捻出したナイジェリア政府の役人 ナイジェリアの悪党どもの間では、この手のビジネスが流行っているようです。でも、こんな胡散臭い話にひっかかる人がいるんでしょうか。こんなのにひっかかって自分の連絡先や銀行口座を教えたりしたら、逆にお金をふんだくられるのに違いありません。こんなメールが来たら、直ちに削除するのみです。皆さんも気をつけてください。 柘榴(ざくろ)を食べたことありますか?リンゴよりひとまわり大きいくらいの丸い実に、小さな赤紫色の粒々がいっぱい詰まった果物です。その一粒一粒に種が入っているので、非常に食べにくいばかりか、食べるところもほとんどありません。味はかなり酸っぱめですが、僕はこの柘榴の酸っぱさが結構好きなのです。でもとても食べづらく、かつ種ばかりで食べられる部分が少ないので、柘榴を食べる度に欲求不満を感じていました。ところが最近、その欲求不満が解消されつつあります。新発売の「柘榴ジュース」が、ワシントンの食料品店に登場したからです。このジュースは柘榴の天然果汁100%のジュースで、柘榴の英語名「Pomegranate」から取って「POM」という商品名が付いています。容器もちょっとお洒落で、柘榴を上下に二つ重ねたような形のビンに入っています。この450ccのビン一本には、柘榴がまるまる四つも使われているそうです。この新発売の「POM」のおかげで、あの食べづらさからも解放されて、思う存分に柘榴を堪能できるようになったという訳なのです。 さらに良い事には、柘榴にはかなり強い抗酸化力があるというのです。「POM」のラベルによると、人間の老化や、アルツハイマーや心臓病、ガンや白血病など多くの病気は、体の酸化にそもそもの原因があるらしく、柘榴にはその酸化を抑える効果があるとのことです。ですから僕もこの「POM」を飲んで、老化や病気を防ぎたいと思います。 昨年12月30日のワシントン通信に、「日米関係の150年」と題して、ワシントン・ポストに掲載された日本政府の変な一面広告のことを書きました。何とまた数日前に、同じような日本政府の一面広告第二弾をワシントン・ポストに見つけました。今度はワシントン・ポストのウェブサイト版にも掲載されていました。 前回の広告は日米両大使の対談形式で、日米の政治・経済について「これまでにない強固な結びつき」だと強調していました。今回はアメリカで活躍するジャズ・ピアニストの松井ケイコさんと、スター・ウォーズの映像効果などでアカデミー賞を四度も受賞しているリチャード・エドゥルンドさんの対談で、日米の文化や芸術、そしてスポーツ面での交流に焦点を当てています。アメリカで人気の「ポケモン」や「千と千尋の神隠し」、さらにはMLBで大活躍のイチローやヤンキースの松井などが話題にのぼっています。 でも、やっぱりこれは変な広告です。前回も書きましたが、どうして国民の税金を使ってまで政府がこんな一面広告をアメリカの新聞に載せるのか、僕にはさっぱり分かりません。僕なんかはこの広告を見て、「世界に通用しない日本の政治家や官僚達が、日本という国家のイメージ向上のために、世界に通用するポケモンやイチローを利用している」とさえ思えてしまいました。こんな広告はいりません。まさか第三弾はないでしょうね。 今日は言わずと知れたバレンタイン・デーでした。朝いつものように新聞を開くと、今日のワシントン・ポストには数ページからなる別冊バレンタイン・デー特別版が入っていたのです。この特別版は、市民から投稿された「愛のメッセージ」ばかりを集めて掲載したものでした。ざっと数えたら、実に千件近いメッセージがありました。ワシントン界隈だけでもこんなにも沢山の人が、愛する人へのメッセージを伝えるのを新聞に託したことになります。やっぱり面と向うと言えないのでしょうか。アメリカ人も割りとシャイなヤツが多いのかもしれません。 暇にまかせて、この他人の愛のメッセージを眺めていましたが、数行から数十行まで実に多種多様な愛の伝え方があるものです。全部は読んでいませんが、ちょっと面白いメッセージもありましたので、いくつかを訳して書き残しておきます。 1. I love you more than yesterday, less than tomorrow.(昨日よりもっと、でも明日よりは少なく愛しています。) 2.愛の算数では1プラス1はeverythingで、2マイナス1はnothingだ。 3.あなたと私は52年間、632ヶ月、19240日、461760時間、27705600分一緒にいました。でも、まだ愛しています。 4. バラの花束50ドル、高級レストランでの食事110ドル、カリブ海でのバカンス3000ドル、そして、二人の子供に恵まれたあなたとの15年の結婚生活はプライスレス(お金では買えない貴重なもの)。 やっぱり皆さんロマンチックですね。こういった様々な愛のメッセージを読んでいて、英語でラブレターを書く際に参考になる表現をいくつか学びました。でも、僕は既に妻子持ちなので、残念ながら今日学んだことを実践できることはないでしょう。You Never Know! 遅ればせながら、我が家にブロードバンドを導入しました。ADSLの最大1.5Mbpsです。今までがダイアル・アップの56Kbpsだったので、単純計算で約27倍の速さでインターネットが見られることになりました。やっぱり前よりかなり速いし、何よりも常時接続なのでブラウザーを立ち上げるだけですぐにインターネットに接続できる点がいいですね。ダイアル・アップの時のようにいちいちパスワードを入れて、ダイアルして、接続を待って、たまには繋がらなかったりという煩わしさがなくなった分、かなりの時間短縮になります。 さらに今回は、無線ルーターと接続カードを購入し、無線でインターネットができるようにしました。これで、ベッドに寝そべりながら、ソファーでくつろぎながら、トイレで用を足しながらもインターネットが利用できます。春になったら、我が家のポーチからもこのサイトを更新できるかもしれません。無線ブロードバンドを導入してまだ数日目ですが、以前に比べて実に快適なネット環境になったと実感しています。値段の方は、ADSLだけでは月々50ドルほどで、無線を加えるとこれに10ドルほど上乗せされます。 実はこの無線ブロードバンドの導入に際して、ちょっとした紆余曲折がありました。最初は既にローカル通話の契約をしている「Verizon社」に依頼したのです。このV社の初期審査では、我が家にはADSLが導入可能と判断され、ADSLの機器もすぐに送られてきました。しかしその後、ADSL回線が使用可能になったという知らせが無いまま数週間も待たされ、結局「我が家にはADSLの導入は不可能だ」と通知されました。仕方が無いので、ケーブルか衛星による高速インターネットにしようと、今度はケーブルも衛星もADSLも扱っている「EarthLink社」に申し込みました。このE社によると、何と我が家にはADSLを導入するのが最善だと言うではありませんか。V社とのADSLを巡る経緯を説明しても、E社は「できる」というのです。という訳で、今使っているのは「EarthLink」のADSLです。「Verizon社」の応対はタライ回しが多く、まるでお役所仕事の典型のようなサービスでしたが、「EarthLink社」は電話口の応対もよく、申し込んでから5日くらいでADSLが使えるようになりました。アメリカでこれからブロードバンドを導入しようと考えている人がいたら、「EarthLink」はお薦めですよ。 今週の月曜日は、「大統領の日」という休日でした。2月12日が第16代エイブラハム・リンカーン大統領の誕生日で、2月22日が初代ジョージ・ワシントン大統領の誕生日なので、この二人の偉大な大統領の誕生日を祝うべく、毎年二人の誕生日に挟まれた月曜日が休日になるのです。この「大統領の日」の新聞に、やたらと家具の安売りの広告が目に付きました。中には、「ジョージ・ワシントンと桜の木」のエピソードにあやかってか、桜細工の家具を目玉商品にしている広告もありました。 その「ジョージ・ワシントンと桜の木」のエピソードを思い出してみます。ある日ジョージ少年は、父親が大切に育てていた桜の木を切ってしまいました。父親に問い詰められたジョージ少年は、素直に「自分がやりました」と白状して謝ったのです。それを聞いて父親は、息子を叱らずに、「お前の正直な言葉は千本の桜の木よりも価値がある」と言って、逆にジョージ少年を褒めたということです。 この有名なエピソードは、実話ではなく、ジョージ・ワシントンの伝記を書いた著者の創作だという見方が一般的です。ともあれ、「建国の父」にまつわるなかなか心暖まる話だと思います。嘘や欺瞞が横行し、一国のリーダーの言葉もどれを信じていいのか分からないような現代だからこそ、このエピソードが教えている「正直の大切さ」を改めて心しておきたいと思います。それとともに、ジョージ少年の父親のように、その価値を子供達に教えられるような父親でありたいです。「大統領の日」の安売り家具の広告を見ながら、そんなことを考えていました。 昨年のア・リーグMVPでメジャー・リーグの最高年棒を誇るアレックス・ロドリゲス選手が、テキサス・レンジャーズからニューヨーク・ヤンキースへトレードされることが決まりました。ヤンキースはこのロドリゲスの他に、このオフに好打のロフトン、強打のシェフィールドなどを補強しており、ジーターやジオンビ、ウィリアムズ、ポサダと並ぶ打線は破壊力満点です。 ロドリゲスの移籍が決まるやいなや、各メディアは一斉に今季のヤンキースのラインナップを予想していました。そのほとんどが、ゴジラ松井を8番に置いていました。松井が8番にいる打線というのも凄いですね。今年もメジャー・リーグの開幕が待ち遠しくなってきました。 ロドリゲスのトレードに関する記事を読んでいて、ちょっと面白いなあと思ったことがありました。それは、ロドリゲスとヤンキースとの契約条項に、「ロドリゲス選手個人のウェブサイトをヤンキースの公式サイトからリンクしてもらう」という条項が入っていたことです。こういうのが契約条項に入るなんていうのは、実に現代風ですね。「僕のサイトをリンクしてくれたら、契約金は百万ドルくらい安くてもいいよ」ということでしょうか。ヤンキースの公式サイトからのリンクというのは、それほど価値があるんですね。 でも、ロドリゲス選手の個人サイトというのは、僕が検索エンジンで探した限りでは存在しませんでした(ファン・サイトはいくつかありましたが)。きっと彼は、開幕までにサイトを立ち上げるつもりなのでしょう。ゴジラ松井のサイトも英語ページを作って、ヤンキースのサイトからリンクしてもらえばいいのに。 アパートに住んでいた時はアパートのロビーに郵便の投函口があったので、手紙は全てそこから出していました。ですから、1994年にアメリカに来てからつい先日まで、僕は街角にある郵便ポストに手紙を投函したことがありませんでした。先月中旬に一軒家に引っ越して以来、初めて先日手紙を出す必要があり、アメリカのポストに初投函したのです。 初めてのポスト利用は、結構抵抗がありました。それというのも、アメリカのポストは青いので、「ポストは赤い」という先入観がある僕にとっては、あれはポストに見えないからです。どちらかと言うと、ポストよりは街角に置いてあるゴミ箱に見えてしまいます。特に古くて汚くなったポストなんかは、本当にゴミ箱のようです。抵抗感の理由その二は、日本のポストに比べて投函口が異常に大きいことです。アメリカのポストは開閉式になっていて、上部の取っ手を引いて蓋を開けてから、そこに手紙を入れるようになっています。蓋を開けたときの投入口は、頭がひとつ入りそうなくらいに大きいのです。ですから、その投入口から手を伸ばせば、ポストの中の手紙に手が届くんじゃないかとさえ思えます(実際に試してないので、届くかどうかは分かりませんが)。だから手紙を誰かに盗まれそうで不安なのです。あるいは、誰かがその大きな投入口からゴミなどを投げ入れたら、中の手紙は汚れてしまうでしょう。そんなことをする人がいないことを願います。 という訳で、これから何度も利用することになるアメリカのポストですが、まあ慣れてくれば上記のような不安もなくなるのかもしれません。先日のあの手紙は、きちんと届いただろうか。 ロサンジェルスで行われていたアメリカPGAツアーの「ニッサン・オープン」で、丸山茂樹が惜しくも一打差の二位に終わりました。三日目を終わって首位と五打差の二位につけていましたが、昨日の最終日、後半に猛チャージをかけ、残り二ホールを残して一旦は首位に並びました。テレビで見ていても、手に汗握る試合展開だったのです。丸山は最終ホールでボギーを叩き優勝は逃しましたが、あっぱれな戦いぶりでした。ちなみに昨日の優勝はカナダの左利き選手マイク・ウエアで、あのタイガー・ウッズは七位でした。 丸山の顔をテレビのアップであんなに何度も見たのは、昨日が初めてでしたが、「こんなにも凛々しいヤツだったか」と惚れそうになりました。顔は浅黒く日焼けし、頬はコケて引き締まり、戦う男の顔だったのです。「ここにもまた、自分の実力だけで世界に挑む日本人がいた」と思い、嬉しくなりました。今年は調子が良さそうなので、この分だと5勝くらいするかもしれません。期待しましょう。 今朝、通勤の地下鉄車内でちょっと変なことがありました。僕が乗り込んだ車両の後ろの方から、男性の声で歌が聞こえてきたのです。声はきれいでしたが結構な大声で歌っていたため、新聞を読もうとしていた僕は新聞に集中できず、「はっきり言ってうるさいなあ」と思っていました。「ジーザスがどうした、こうした」と歌っていたので、すぐにキリスト教の賛美歌か何かの歌だろうと分かりました。 その男がひとまず歌い終わったその瞬間に、同じ車両に乗っていた勇気のある白人の中年女性が、「どうか車内で歌を歌うのはやめてください」とその男に向って言いました。するとその男は自分の唇に人差し指をあてて、その女性に「シー」と言いました。その動作が癪に障ったのか、おばさんは声を荒げて、「静かにすべきなのはあんたの方でしょ。大体私はキリスト教徒ではないのに、そんな歌を聞かされるのは迷惑だ」と叫びました。それに対して男は、「神(キリスト)を信じなさい。そうすればあなたも救われる」という捨て台詞を残して次の駅で降りて行ったのです。 そばでこのやりとりを見ていた僕は、心の中でそのおばさんに拍手を送っていました。彼女に全く同感だったからです。やっぱり地下鉄の車内ような密室で、強制的に聞きたくも無い歌を聞かされるのは、迷惑以外の何物でもないのです。カラオケ・バーで下手くそな歌を聞かされた方が、よっぽどマシです。少なくともカラオケでは、誰かが歌うもんだという覚悟ができていますから。 実は、地下鉄の車内で賛美歌を歌う男に出くわしたのは、1994年にワシントンに来て以来、今日で三回目くらいです。今日もそうでしたが、いつも必ず韓国人です。以前遭遇した歌う韓国人は、一曲ずつ歌っては車両から車両へ、電車から電車へと渡り歩いていました。きっと今日のあの男も、僕が乗っていた電車を降りたあと、また次の電車へ乗り込んで歌ったのに違いありません。 先月まで住んでいたアパートの敷金が戻ってきました。修理費も全く差し引かれずに、元金プラス利子がまるまる戻ってきました。ラッキー。でも家賃に比べたら、アメリカの敷金は元々あんまり高くないのです。僕が住んでいたアパートの場合で、敷金は家賃の四分の一くらいでした。 もうふた昔くらい前ですが、東京で学生をしていた頃、僕はアパート暮らしをしていました。あの頃は、アパートの賃貸契約をする時に、敷金が家賃の二か月分、礼金も二か月分、そして不動産屋さんに仲介料としてひと月分、合計5か月分の家賃を最初に払わなければならなかったという記憶があります。今も、日本ではあのような慣習は残っているのでしょうか。 アメリカに来て以来ちょっと気になるのが、こちらで売っている衣類の質の悪さです。すぐ糸がほつれたり、ボタンが取れたり、縫製がきちんとしていない物が多いです。日本では工場に返品になるような品物が、平気で売られているなあと感じます。まあ、安い店でばかり買っているからかもしれませんけど。 衣類の中でも一番気に入らないのが、アメリカの靴下です。ろくな靴下がないので、僕は日本に寄る度に日本の靴下を買いだめしてきます。アメリカの靴下で何が嫌かというと、ゴムの緩さです。アメリカの靴下は、すぐずり落ちるヤツばかりなのです。女子学生ならルーズ・ソックスでもいいですが、中年のビジネスマンの靴下がずり落ちていて、座ったときにスネ毛がのぞいていることほどみっともないことはないじゃないですか。 それに引きかえ、「アメリカの製品の方が日本の物よりいいなあ」と思うものもあります。それはタオルです。はっきり言って、質のいい製品はタオルくらいしかないのですが、アメリカのタオルは最高です。日本のタオルよりかなり厚手でふわふわしていて、水をよく吸い取ります。特にバスタオルは、一度アメリカの物を使うと、もう日本の物は使いたくなくなるほどです。 僕はこの日米のタオルの違いは、入浴方法の違いから生じたのではないかと思っています。日本は湯船と洗い場が別れているので、湯船から上がったら、いったん洗い場で体の水分をフェイスタオルや手ぬぐいでぬぐってから、風呂場を出て再度バスタオルで体を拭きますよね(もしかしたら、こうするのは僕だけかも)。アメリカは湯船と洗い場が一緒か、あるいはシャワーだけなので、濡れまくった体をバスタオルだけで一度にぬぐい切る必要があるのです。要するに、日本のバスタオルは仕上げ用ですが、アメリカのバスタオルはオール・ラウンドなのです。だからあんなに厚手のタオルが必要なのだと思います。勝手な推測ですので、間違っていたら御免なさい。 ( http://www.keicho.com ) |