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WASHINGTON 通信(May 2004)



3秒のはずが30秒 (2004/05/07)


 以前、「テロ対策のため、アメリカ入国の際に指紋採取と顔写真撮影が導入された」と書きました。今週のはじめにブータン出張から帰ってきたときが、この新たな措置が今年の1月5日に始まって以来、初めてのアメリカ入国となりました。僕は「G4ビザ」という国際公務員のビザを持っているので、この指紋採取と写真撮影は免除されます。日本やヨーロッパ諸国など、アメリカとの相互の「ビザ免除プログラム」が適用されている国のパスポート所有者も、免除されると聞いていました。しかし、僕の前に並んでいた日本人風の男性は、しっかり指紋と写真をとられていたのです(もしかしたら、日本人ではなかったのかも)。

 その様子を見ていましたが、指紋採取の仕方を入国審査官が説明したり、小型カメラの照準をその人の顔に合わせたりと、何だかんだで30秒くらいはかかっていました。アメリカ当局は、この指紋採取と写真撮影にかかる時間は、一人当たり3秒だと言っています。だから、入国審査の際の混雑への影響は最小限だとしているのです。でも、あれは3秒ではできないでしょう。仮に一人当たり30秒かかるとしたら、10番目に並んでいる人は、通常の場合より5分多く待たされることになります。僕が見た限り、机上の計算と現実とのギャップはかなり大きいようです。



救急病院で過ごす母の日 (2004/05/10)


 昨日の日曜日は母の日でしたが、我が家は家族四人で朝から救急病院に行かなければなりませんでした。実は土曜日の夕方、3歳半の次女が椅子から転落した際に左手を床に打ちつけたらしく、大泣きしました。日曜の朝になってもまだ痛いというので、万が一骨に異常があっては大変と思い、病院に連れて行くことにしたのです。

 お転婆の次女は、ほぼ2年前にも椅子の上で踊っている途中で転落し、右腕を骨折したことがあります。あの時は、3週間ほど右腕をギプスで固めなければなりませんでした。ギプスで固めている間は、手が口に届かない状態であったため、それまで指しゃぶりをしていた次女は、骨折のお陰で指しゃぶりが直ったという副産物までありました。

 そんなことがあったので「今回もまたか」と思いましたが、レントゲン撮影の結果、幸いなことに今回は骨に異常がないということでした。妻も僕も、胸を撫で下ろしたのは言うまでもありません。もしかしたら、「骨折していなかった」という事実が、次女から妻への母の日の一番のプレゼントだったのかもしれません。



Gross National Cool (2004/05/12)


 ブータンからの帰りに乗った全日空の機内誌「翼の王国」に、面白い記事を見つけました。それによると、ダグラス・マックレイというアメリカのジャーナリストが、GNPをもじったGNC(Gross National Cool)という新語をもちだし、「クール指数世界ナンバー1の日本文化が世界を席巻する」というエッセイを外交雑誌に書いたそうです。「cool」という単語には、「涼しい」という他に「カッコいい」とか「イカしている」という意味があるので、GNCとはカッコよさの指標と思っていいでしょう。

 確かに最近アメリカの新聞や雑誌には、クールな日本文化に関する記事がやたらと目に付きます。「ポケモン」に代表される日本のアニメや、「ハロー・キティ」などのキャラクター商品、「ラスト・サムライ」や「キル・ビル」といった日本を題材にした映画などなど、日本文化が世界的に大流行しているようです。もう日本は経済大国という過去の栄光を捨てて、文化大国を目指した方がいいですね。GNP(国民総生産)よりGNC(国民総クール)。こっちの方が断然、クールです。

 なんか以前、これと似たような文章を書いたような気がします。そういえば、あれはGNPよりGNH(国民総幸福)というブータンの話でした。GNCやGNHが台頭して、GNPが死語になる日はそう遠くないのかもしれません。



リーダーに不可欠な六要素 (2004/05/13)


 母校のオクラホマ大学から送られてくる季刊誌に、前ニューヨーク市長のジュリアーニさんのことが載っていました。それによると、ジュリアーニさんはオクラホマ大学から名誉博士号を与えられ、今年の二月に記念講演をしたそうです。彼はその講演の中で、リーダーに不可欠な6つの要素について述べています。その6つを書き留めておきます。

1.Have strong beliefs(強い信念を持つこと)。
2.Be an optimist(楽観主義者であること)。
3.Have courage(勇気を持つこと)。
4.Be prepared(用意周到にすること)。
5.Understand teamwork(チームワークを使いこなすこと)。
6.Communicate(意思疎通を図ること)。

 僕は市長という仕事にとても魅力を感じています。仕事柄、世界中の市長さんに会うことも多く、それぞれのリーダーシップのスタイルに教えられることもしばしばです。最近会ったブータンの首都ティンプーの市長さんも、なかなか味のある方でした。でも、今までお会いした世界中の市長さんの中で僕が一番好きなのは、やっぱり信念の固まりのようなブリスベンのスーリー市長です。

 世界のどこでも元気のある地域には、決まって信念と勇気を持ち、幅広い市民との意思疎通を欠かさず、海外からも用意周到に情報収集ができ、地方議会や中央政府を味方につける能力を持った首長がいるものです。ジュリアーニさんやスーリーさんには及ばなくても、僕もいつかそんなリーダーの一人になりたいです。年金も払っていることだし、チャンスはあるかもしれません。



セミ、せみ、蝉 (2004/05/15)


 ワシントンは一週間ほど前から暑い日が続いています。連日30℃近くまで気温が上がり、既に夏本番といった感じです。この暑さに誘われるように、セミの大発生が始まりました。ワシントンやニューヨークなどアメリカの東海岸では、今年は17年周期で大発生する「17年ゼミ」の年に当たっているのです。こちらの新聞や雑誌では、もう何ヶ月も前から「今年はセミが大発生する」というニュースを繰り返しやっていました。でも、僕は「何でセミのことなんかでそんなに大騒ぎするのだろう」と不思議でしょうがなかったのです。

ワシントンの17年ゼミ しかし、いざセミの大発生が始まってみると、これは凄いものがありますね。数日前に、うちの娘たちの通うデイ・スクールの庭が穴だらけであることに気づいたのですが、これは、セミが土から這い出してきた穴だったのです。毎朝、娘たちを送って行くと、学校の建物の壁や庭の木にびっしりとセミの抜け殻や羽化したばかりのセミが群がっています。地面にも死んだセミやまだ飛べないセミが這っていて、スクールの先生が毎朝ホウキでセミを掃いているのです。この「17年ゼミ」は、ツクツクボウシよりは一回り大きく、アブラゼミよりは少し小さいくらいのセミです。目が赤いのが特徴でしょうか。

 さて、17年というのはどのくらいのサイクルなのかと思い、「17年ぶり」というキーワードを入力して「Google」で検索してみました。17年ぶりの出来事には次のようなものがあったのです。

・セガのレースゲーム「アウトラン」が17年ぶりに登場。
・片山恭一氏の「世界の中心で愛をさけぶ」は、村上春樹の「ノルウェイの森」以来17年ぶりに発行部数200万部を突破。
・イギリス労働党の支持率が32%を下回り、17年ぶりに最低記録を更新。
・2002年度の国民年金の実質収支が17年ぶりの赤字。
・女優の田中裕子が、映画「いつか読書する日」で「二十四の瞳」以来17年ぶりに主演。

 とまあ、こういうのが17年ぶりの出来事という訳です。「アウトラン」というゲームは知りませんが、「ノルウェイの森」とか「二十四の瞳」とか、やっぱり17年というのは長い年月ですね。ちなみに去年の阪神優勝は18年ぶりということで、セミの周期よりも一年余計にかかったことになります。それにしても、虫取り網を抱えてセミを追いかけたあの少年時代は、17年どころではなく遥かに遠くなりにけり。



ワシントンでバーモント・カレーを食べる (2004/05/17)


アメリカでも売られているハウスのバーモント・カレー 昨日から妻がイスタンブールへ出張のため、これから約2週間はシングル・ファザーということになります。という訳で、昨夜の夕食は僕がハウス食品の「バーモント・カレー」を作りました。「リンゴ〜とハ〜チミツ、トロ〜リ溶けてる♪ ヒデキ、感激!」のバーモント・カレーです(あのCMはまだやってるんでしょうか?)。「僕が作った」とは言っても、妻が出発前に仕込んでくれた具に、カレーのルーを入れて煮ただけです。それでも娘たちは、「パパのカレー、ママのより美味しい」と言ってたくさん食べてくれました。

 さて、この「バーモント・カレー」ですが、こちらワシントン界隈でも売られているのです。アメリカのバーモント州で作っている.....というのは嘘で、日本のハウス食品からの輸入モノです。それでは、どうしてこのカレーには「バーモント」というアメリカの州の名前が付けられているのでしょうか。別に、バーモント州にはインドからの移民が多いというのも聞いたことはないし、バーモント州とカレーがどうして繋がったのでしょう?

 インターネットでいろいろ調べてみると、どうやら「リンゴとハチミツ」に関係があるようだということが分かりました。バーモント州には昔からの健康法として、リンゴ酢とハチミツと海草を使った民間薬が伝わっているようなのです。ハウス食品はそれにあやかって、リンゴと蜂蜜の入ったカレーに「バーモント・カレー」という名前を付けたようです。ということで、西城ヒデキだけでなく我が娘たちもカンゲキ(!)の「バーモント・カレー」を食べて、健康になりましょう。



回転式便座カバー自動交換トイレ (2004/05/19)


 以前、「和式便所は苦手です」という文章を書いたら、かなり反響がありました。寄せられたコメントの中には、「誰が座ったか分からない洋式の便座に座るくらいなら、和式のほうがいい」というものもあったように記憶しています。そんな人におススメのトイレがありますよ。名づけて、「回転式便座カバー自動交換トイレ」です。

 実はこのトイレ、世銀本部の地下一階にあるのですが、洋式トイレの便座部分がビニール・シートで覆われているのです。そして、自分が便座に腰掛ける前にトイレの横についている赤いボタンを押すと、そのビニール・シートが反時計回りに回転して、自動的に新しいシートに入れ代わる仕組みになっています。従って、常に新しい便座カバーに座って用を足せるのです。誰が考えたのか知りませんが、非常に衛生的で素晴らしいアイデアだと思いませんか。

回転式便座カバー自動交換トイレ回転式便座カバー自動交換トイレの説明書

 このトイレを一度使うと、もう普通の洋式トイレには腰掛けたくなくなります。でも困ったことに、この「回転式便座カバー自動交換トイレ」は世銀には地下一階にしかないのです。女子トイレのことは確認したことがないので分かりませんが、少なくとも男子トイレに限っては地下一階にしかありません。僕のオフィスは10階なので、わざわざトイレだけのために地下一階まで降りていくことは普段はしないのです。でも、10階のトイレが汚れていたりすると、時々このトイレを利用しています。僕が今までにこの「便座カバー自動交換式」のトイレを見たのは、シカゴの空港とワシントンの世銀本部ビルだけです。もしその他にも、このトイレを見たことがあるという人がいたら、是非教えてください。



エスカレーターで駆ける人、止まる人 (2004/05/21)


 皆さんはエスカレーターで歩いたり、駆け下りたりしますか。数日前の「ワシントン・ポスト」によると、ワシントン市民は地下鉄駅のエスカレーターを駆け下りる人が多いんだそうです。そして、ワシントンの地下鉄のエスカレーターで止まっている人は、ほとんどが田舎から来ている観光客なんだそうです。

 ワシントンのエスカレーターには、「止まる人は右側に立ち、歩いたり駆けたりする人のために左側は空けておく」という暗黙のルールがあります。おそらくこれはワシントンだけでなく、アメリカではどこでもそうなんでしょう。ただ、地下鉄のないような田舎から来た観光客は、このルールを知らずに平然と左側に立ち、通行者をブロックしてしまうことが多いといいます。先日の「ワシントン・ポスト」の記事は、「春から夏にかけてはワシントンを訪れる観光客が多く、地下鉄のプラットフォームへと急ぐワシントン市民が、エスカレーターの左側をブロックする観光客にイライラを募らせている」という内容のものでした。やっぱり、都会人というのはどこでも気が短いんですね。

 ちなみに僕はといえば、通勤時はいつもエスカレーターを駆け下りてしまいます。それから、「エスカレーターでは右側に立つ」というアメリカのルールに慣れてしまったせいか、たまに日本に帰っても、エスカレーターではつい右側に立ってしまいます。確か日本のエスカレーターは、アメリカと逆で右側通行でしたよね。



学内人種融和の50年 (2004/05/22)


 今週の月曜日5月17日は、アメリカにとって歴史的な一日でした。50年前のこの日、アメリカ連邦最高裁が公立学校での人種隔離を憲法違反だとする判決を出したのです。今週のアメリカのメディアは、50年という節目にあたることもあり、学校における人種融和に関する報道をかなり多く取り上げていました。ほんの50年前まで、この国では白人の子供と黒人の子供が同じ学校で机を並べて勉強することが許されなかったのです。そう考えるとゾッとしますね。

 あの判決から50年経って、この国の学校における人種融和は進んだのでしょうか。それは学校や地域によって様々でしょうが、僕の知る限り、ワシントン界隈では「融和」とはほど遠いのが現状のようです。実はうちの長女が今年の9月からキンダーガーテン(幼稚園と訳されることが多いのですが、多くは小学校に併設されているので、事実上の一年生)に入るので、入学先を決めるためにこの春はいろいろな学校を訪問したのです。私立はもちろん、公立でも成績優秀な学校は白人の生徒ばかりでした。結局、人種間の所得格差が縮まらない限りは、学校における人種の融和も進まないのかもしれません。

 さて、うちの長女は学区内の普通の公立小学校に入れることに決めました。その学校は、白人も黒人も、ヒスパニックもアジア人も通っています。その学校の成績水準は、公表されている標準テストを比較すると上位の学校にやや劣りますが、ほとんど気にしていません。教育には学問を教える以外にも、社会への適応力を鍛えるという役割があるような気がします。そう考えると、社会の構成人種により近い生徒たちで構成される学校に入れた方が、将来のためになると思うからです。



週末は象の耳 (2004/05/23)


君がいないと〜何にも〜、できない訳じゃな〜いと〜♪
薬缶を火にかけたけど〜、紅茶の〜ありかが〜分からない〜♪
ほら朝食も〜作れたモンね〜、だけどあまり美味しくない〜♪

Elephant Ear という訳で妻が出張中の週末は、僕が朝食を作っても美味しくないので、朝から娘たちを連れて近くのスーパー・マーケット内にあるカフェに行きました。そこは、「Whole Foods Market」というオーガニック食品を売り物にしているヤッピーだらけのスーパーです。そこで娘たちが朝食に選んだのが、「Elephant Ear(象の耳)」という名前のパンです。パンというよりも、ふんわりパサパサのペイストリーと言った方がいいのかもしれません。この「Elephant Ear」は、名前のとおり子象の耳くらいの大きさはありますが、5歳の長女も3歳の次女もぺロリと耳一つをたいらげてしまったのです。

 カフェでの朝食の間、僕は「象の耳」をかじりながら英語でまくし立てる娘たちのお喋りに耳を預けていました。娘たちはよく、「stupid」とか「hate」という単語は「bad word」だから口にしてはいけないと、僕に説教します。うっかりこれらの単語を使ってしまう僕にとっては、耳の痛い話です。そのくせ彼女たちは、僕が「あんまり甘いものを食べないように」と耳にタコができるくらい注意しても、ほとんど聞く耳を持ちません。まあ虫歯になるくらいはいいけど、耳年増や地獄耳にはならないでね。でも異なる意見に耳を貸す人にはなってほしい。将来借金をしても、耳を揃えて返しなさい。「馬の耳に念仏」にならないように、日本語も勉強した方がいいよ。

 ちなみに冒頭の歌詞は、槙原敬之の「もう恋なんてしない」の出だし部分です。昔よくカラオケで歌っていました。耳障りだったらごめんなさい。さて、この記事に全部で「耳」はいくつ出てきたでしょう。



40歳の完全男 (2004/05/24)


 先週、完全試合を成し遂げたアリゾナ・ダイアモンドバックスのランディー・ジョンソン投手のことです。豪快な彼のピッチングと年齢不詳の顔つきからは想像もできませんでしたが、彼はもう40歳だったんですね。40歳での完全試合は、メジャー・リーグの新記録だそうです。

 このジョンソン投手から、今年メッツに入った松井稼頭央がホームランを打っています。あの試合は松井の先頭打者ホームランの一点だけで、1対0でメッツが勝ちました。松井は自分のブログで「真っ直ぐだけを狙って打った」と言っていますが、歴史に名を残す偉大なジョンソンから打ったホームランだけに、思い出に残る一本でしょう。

 さて、最近の新聞のスポーツ欄には、40歳で「完全男」となったジョンソンを称える記事が多く見受けられました。その中で、完全試合をやられたアトランタ・ブレーブスのジェネラル・マネジャーのコメントを紹介します。彼は、「偉大な精神力を持ち、プライドと決意を秘め、弛まぬ努力を惜しまない特別な選手だけが、40歳を過ぎても第一線で活躍できる」と述べていました。実は僕もジョンソン投手と同じ40歳です。こちらはあくまで「不完全男」ですが、ジョンソンを少しでも見習って、心技体を鍛え直したいと思います。



飛んでイスタンブール (2004/05/26)


 約2週間イスタンブールに出張していた妻が、明日ようやく帰ってきます。一番首を長くして待っているのは3歳半の次女だろうか。でも、うちの次女は普段はママっ子のくせに、ママがいないと、とってもいい子です。家事の不慣れな父親に苦労をかけまいと、小さいながら頑張っているのかもしれません。

 妻は出張の間、よくイスタンブールからワシントンの僕のオフィスに電話をしてきて娘たちの様子を聞いていました。本当は娘たちと直接話したかったのでしょうが、イスタンブールとワシントンは時差が7時間のため、うまい具合に時間が合わなかったようです。向こうで一日の仕事を終えて夜になると、こちらはお昼頃で、娘たちはもうデイ・スクールに行ってしまっているからです。

 という訳で明日の朝は、妻が戻る前に僕が娘たちの朝食を作る最後の機会です。もう万策尽きたので、週末じゃないけどまた近くのカフェに連れて行って、「象の耳」でも食べさせようかと思っています。

おいでイスタンブール うらまないのがルール
だから愛したことも ひと踊り風の藻屑
飛んでイスタンブール 光る砂漠でロール
夜だけのパラダイス♪



妻帰る (2004/05/27)


イスタンブールのお土産 今日の午後、妻がイスタンブールから帰ってきました。次女はまた元の甘えん坊に逆戻りしてしまったようです。妻がイスタンブールから買ってきたお土産が、写真の人形です。大きな人形の中に、次々に小さい人形が入っています。これってトルコのお土産でしたっけ?ロシアかどこかの人形だったような気もしますが。

 さて、妻が今日出張から帰って来たばかりですが、今度は明日から僕が出張です。本当はもっと早く出なければいけなかったんですが、ブータンから帰ってまだひと月も経たないし、何よりも妻が戻らないうちは子供たちだけを残して行くわけには行かないので、ボスに事情を話して出発を遅らせました。うちでは、「夫婦が二人そろって出張して、誰かに子供たちを預けて行くようなことだけはすまい」と決めています。そうでないと、子供たちに何か緊急なことが起きた場合に対応できないと困るからです。だから、僕が豪州ブリスベンに単身赴任していた時も、妻が出張のときは僕は休暇を取ってワシントンに戻って来ていました。

 僕の勤める世銀では数年前から、「仕事と家庭のバランス」ということがよく話題にのぼります。先日も部署のミーティングで部長が次のようなことを言っていました。

「それぞれの職員は、それぞれの人生の異なる段階にいる。あるものは独身で、いくら出張しても構わないと思っているかもしれないし、あるものは小さな子供がいて、出張できないかもしれない。また、あるものはパートナーを探しているかもしれないし、あるものは身重のパートナーがいるかもしれない。だから、それぞれの立場を尊重して、チームで支え補い合うことが大事だ」

 全くその通りだと思います。でも、うちにも小さな子供がいるのに、どうして僕の出張は減らないんだろうか。とは言え、この仕事は「現場」に行かないことには始まらないし、「仕事と家庭のバランス」は永遠の課題かもしれません。



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( http://www.keicho.com )