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WASHINGTON 通信(August 2004)「日米リーダーシップ・プログラム」に参加するためにシアトルに来ています。今日はこのプログラムについて書こうと思っていましたが、シアトルのホテルでCNNを見ていたら、大ニュースが飛び込んできました。アメリカ当局の発表によると、アルカイダが近々テロを計画しているという信頼できる情報があり、標的はニューヨークのCITIグループ、ワシントンのIMFと世銀などだと言うではありませんか。ニューヨークとワシントンの市長が次々に記者会見をして市民に警戒を呼びかけていました。 僕はこれから一週間シアトルに滞在予定ですが、家族はワシントンにいるし、妻は世銀で働いているのでかなり心配です。思えば2001年の9/11の時も、僕はブリスベンに単身赴任していて、テロで大変なときにワシントンの家族のそばにいてやれませんでした。ああいうのは、もう御免です。とにかく、テロが起こらないことを祈らずにいられません。「日米リーダーシップ・プログラム」については、また改めて書きます。 ワシントン州のシアトルからワシントンDCに戻りました。今回のシアトル行きは、「日米リーダーシップ・プログラム」に参加するためでした。シアトルでは夜までびっしりとスケジュールが詰まっていたばかりか、参加者と毎日早朝まで飲んでいたため、このサイトの更新はできなかったのです。シアトルはワシントンに比べたらかなり涼しく、街の「マリナーズ・ショップ」でマリナーズのウィンド・ブレーカーを買いました。これはイチローが着ているものと全く同じもので、110ドルでした。これを着ていると、僕はかなりカッコいいと何度も言われました。この「日米リーダーシップ・プログラム」は、ニューヨークに本部のある米日財団が主催しているもので、日米双方から20人ずつ各界の若手リーダー(28〜42歳まで)を集めて一週間合宿をし、二国間関係や様々な国際問題に関する議論をしながら友情を育み、将来の日米関係の発展に寄与しようというものです。僕は2001年の神戸会議に続いて、今回が二度目の参加でした。今年は有名なあの人も、アメリカ側の代表で参加していました。日本側からは民主党と自民党から一人ずつ若手国会議員が参加する予定でしたが、臨時国会の開催とぶつかってしまい不参加になったのは残念でした。あとでゆっくりシアトル会議の報告をまとめようと思っていますが、今回はやはり、テロ、アメリカ大統領選挙、自衛隊のイラクへの派遣などの議論が多かったですね。 このプログラムは、毎年夏に日本とアメリカで交互に開催されています。参加者の顔写真とプロフィールを載せた小冊子が、毎年送られてくるのですが、僕はこの小冊子の顔写真で誰が笑って写っているかにいつも注目しています。2001年に僕が最初に参加したときは、日本からの参加者20人の写真のうち、歯を見せて笑って写っているのは僕ひとりでした。アメリカ側参加者のほとんどが笑っていたので、証明写真における文化の違いを痛感したほどです。しかしながら今年の参加者では、僕を含めて実に7人の日本人が歯を見せて笑っています。口を開かずに微笑んでいる人を入れれば、かなり多くの日本人が笑っていたのです。どうやらこの点については、日米の差が縮まりつつあるようです。「日米リーダーシップ・プログラム」の最中、日米の参加者全員でシアトル郊外の「パシフィック・リム盆栽コレクション」という盆栽の展示場を訪れる機会がありました。まあ、これも異文化理解のためのプログラムの一環なのでしょうが、「どうして盆栽なんて見に行くんだろう」という懐疑的な声が多かったのも事実です。しかしながら、盆栽を見た後のアメリカ人参加者の会話を聞いて、「日本文化を理解することは盆栽を理解することである」という主催者の意図が読めたような気がしました。 ご存知のように盆栽とは、時にワイヤーなどを使って人工的に木の形を見映えよく、そして小さく整えますよね。これを見たあるアメリカ人は、「あれは木に対する拷問だ」と言ったのです。盆栽を、足を小さく固定する昔の中国の纏足(てんそく)に例えるアメリカ人もいました。こういったアメリカ人にとっては、「木には自由に成長する権利があるのに、どうしてそれを制限するのか」と、盆栽という文化を理解できないらしいのです。僕は、「日本では子供を育てるときは『discipline(躾け)』を重んじる傾向がある。盆栽も木に対する躾けのようなものだ」と言って応酬しましたが、どうも上手く説明できませんでした。 それにしても、個人の自由を大事にするアメリカと規律を重視する日本の違いを、盆栽を巡る議論を通じて改めて認識させられました。異文化理解とは、口で言うほど易しくはないのですね。 この夏、ワシントンを訪れる観光客や市民を楽しませてくれているのが、このパンダたちです。これはワシントン市の芸術委員会が主催している「パンダ・マニア」というストリート・アートのプロジェクトで、全部で150頭のパンダが街のあちこちに飾られています。大きさは、座っているパンダで150センチくらい、立っているパンダは180センチくらいもあります。実にいろいろなパンダがありますが、あなたはどのパンダが好きですか。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() このパンダたちは、公募により集まった1300もの提案の中から厳選されたアートなのだそうです。パンダたちは9月まで街に飾られて、その後はオークションにより売却されると聞きました。そのオークションで儲かったお金は、若い芸術家への支援や子供たちの芸術教育のために使われるのだといいます。こういう試みが地域の芸術家を育て、その芸術家たちがいつかまたこの街を自分たちの作品で飾るのです。都市のアートが、その街の成熟度を表すと言っても過言ではないと思います。アートのない街は死んでいるのです。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() それにしても、なぜワシントンにパンダなのでしょうか。ワシントンの「ナショナル動物園」には本物のパンダがいますが、それだけが理由とは思えません。まあ、パンダは誰からも愛される動物なので無難だと言えば無難ですけど。実はアメリカでは、このような動物アートを街に飾るのが流行っているようです。最近では、シンシナティやシアトルで豚のアート、ケンタッキー州のレキシントンでは馬のアート、コネチカット州のスタンフォードでは牛のアートが街を彩ったそうです。ここワシントンでは2002年にも、「パーティ・アニマル」と題して二大政党のシンボルであるロバと象のアートが街を飾っていましたっけ。 アメリカでオリンピックを見るのは何回目だろうか。1994年からアメリカに住んでいるので、夏は1996年のアトランタと2000年のシドニー、そして今回のアテネが3回目です。冬のオリンピックも加えると、もうかなりの数のオリンピック放送をアメリカで見ていることになります。でも、僕はハッキリ言ってアメリカのオリンピック放送が嫌いです。その理由はいくつかあります。 まず、柔道やマラソンなど日本が強い競技を放送しないこと。まあ、これはアメリカのテレビなのだから、アメリカの選手が出場する競技を中心に放送するのは仕方が無いと我慢しましょう。今年のアテネ大会には、アメリカの野球チームが予選落ちしたため出場していません。だから、今回は野球も放送予定がないみたいです。次に、アメリカのオリンピック放送はコマーシャルが多すぎます。コマーシャルのないNHKのオリンピック放送が懐かしいです。 しかしながら、僕がアメリカのオリンピック放送が嫌いな最大の理由は、競技を生中継で放送することがほとんどないということです。これは全く理解できません。結果が分かってしまった後に見るスポーツ中継ほど味気ないものはありません。スポーツは生中継が一番なのです。たとえ時差があったって、オリンピックのような世界最高レベルの競技が見られるなら、深夜だって早朝だって仕事を休んだって見ちゃいますよ。 さらに気に入らないのは、アメリカのオリンピック放送には、選手の生い立ちやオリンピック出場までの道のりを追いかけたミニ・ドキュメンタリーのようなコーナーが多すぎることです。こんなドキュメンタリーを流している時間があったら、もっと競技を映せよ。スポーツを見るためにテレビをつけたのに、ドキュメンタリーを見せられたんじゃあ、たまりませんよ。というわけで、アメリカのオリンピック放送はかなり嫌いです。 まだ予選リーグとはいえ、オリンピックの野球で日本がキューバに勝ちました。オリンピックで日本がキューバに勝ったのは初めてのことだそうです。今日は仕事中もこの試合が気になって、リアルタイムで試合経過が更新されるYahoo! スポーツのテキスト速報をインターネットでチェックしていました。 さて、アテネ・オリンピックが開幕する数日前のワシントン・ポスト紙に、別冊のオリンピック特集が入っていました。それには、ワシントン・ポストが独自に予想した全種目のメダル獲得者が掲載されています。それによると、日本は金メダルが11個、銀メダルが7個、銅メダルが9個となっています。ワシントン・ポスト紙が予想する日本の金メダル11個の内訳は以下の通りです。 ・男子柔道2個(60キロ級の野村忠宏、100キロ級の井上康生) ・女子柔道3個(48キロ級の谷亮子、70キロ級の上野雅恵、78キロ級の阿武教子) ・水泳2個(男子200メートル平泳ぎの北島康介、女子800メートル自由型の山田沙知子) ・男子体操個人種目別あん馬の冨田洋之 ・女子レスリング3個(55キロ級の吉田沙保里、63キロ級の伊調馨、72キロ級の浜口京子) ちなみにこの予想では、連敗でメダル獲得が苦しくなった日本のソフトボールは銅メダル、野球はキューバが金で日本は銀となっています。ハンマー投げの室伏広治は銅メダルの予想です。 既に終わっている種目で100メートル平泳ぎの北島は銀メダル、体操男子団体は銅メダルの予想でしたが、これらはワシントン・ポストの予想を裏切って金メダルに輝きましたよね。さらに、ワシントン・ポストではメダル候補にさえ挙がっていなかった柔道男子66キロ級の内柴正人と女子63キロ級の谷本歩実も、見事に金メダルを勝ち取っています。僕が、「今後もこのワシントン・ポストの予想が外れてくれるといいなあ」と思っているのは、やっぱり野球ですね。決勝はほぼ間違いなくキューバと日本の対戦でしょうから、キューバに勝って金メダルを獲り、今の日本のプロ野球を取り巻くモヤモヤを吹き飛ばしてほしいものです。僕は、決勝でも今日のように日本はキューバに勝つような気がしています。唯一気がかりなのは、監督経験のない中畑の采配だけです。 オリンピックも盛り上がっているようですが、今日はこの人の話題。絶好調のイチローです。昨日もホームランを含む四安打の固め打ちで、打率は3割6分7厘まで上がりました。もちろんメジャー・リーグでトップの打率です。実は、このイチローに突如として「宇宙人説」が持ち上がったのです。 昨日のシアトル・タイムズによると、ボルチモア・オリオールズのモーラ選手が、「イチローはどこか他の惑星から来たにちがいない。だから彼と競っても無駄だ」と語ったらしいのです。モーラは現在アメリカン・リーグでイチローに次いで打率2位の成績ですが、既に首位打者はあきらめたということです。宇宙人にはかなう訳がないから。イチローは、7月18日から今日までの一ヶ月間にほぼ5割の打率を残しています。このままのペースで行けば、メジャーの年間最多ヒット257本という記録を今年のイチローが塗り替えるかもしれないのです。この記録は83年も破られていない偉大な記録ですので、もしイチローがこの数字を越えることがあれば、ますます宇宙人説が囁かれることでしょう。それから、イチローは今年でメジャー四年目ですが、メジャー・リーグの長い歴史の中で、最初の四年間で最も多くのヒットを打った選手がイチローなのだそうです。 このイチローにしろ、オリンピックで大活躍の日本選手にしろ、世界最高の舞台で実力を発揮する日本人は本当に頼もしいし、僕自身も大いに勇気付けられます。スポーツに限らず、いろんなところで世界に通用する日本人がもっともっと増えてほしいしものですね。イチローを見習い、イチローに続こう。 ちょっとスポーツの話題は小休止します。今日のタイトルは、大昔に伊藤咲子という歌手が歌っていた「ひまわり娘」の最初の部分です。最近、懐かしいこの歌が僕の頭の中を駆け巡っています。何故かと言うと、5歳の長女が「ひまちゃん」と名付けて育てていたヒマワリが咲いたからです。「育てていた」とは言っても、6月の中旬から3週間ほど家族で旅行に出ていたので、彼女がきちんと水やりをしていたのはそれまででした。留守中は、庭の自動散水用スプリンクラーに頼っていたのです。実はこのヒマワリは、進研ゼミ「チャレンジ一年生」の教材だったのです。少しでも日本語を勉強して欲しいので、この「チャレンジ一年生」を毎月日本から取り寄せて海外受講させています。いろいろな付録や教材も充実していますよ。ヒマワリ栽培セットが付録についてきたときは、ヒマワリの種だけは検疫の関係で届きませんでした。ですから、付録のポットにこちらで買ったヒマワリの種を植えたのです。 長女の部屋の壁に貼ってある「ひまちゃん栽培記録」によると、種を蒔いたのが5月16日で、芽が出たのは6月6日でした。ですから、種を蒔いてから約三ヶ月かかってようやく花が咲いたことになります。「誰のために咲いたの♪それはあなたのためよ」と、またあの歌が頭の中で鳴り始めましたが、この花は間違いなく長女のために咲いたのでしょう。 シアトルでの「日米リーダーシップ・プログラム」の議論のときに、日米の投票権の話になりました。アメリカは18歳から選挙で投票ができますが、日本は20歳からです。この話をしている時に、何故か飲酒できる年齢に話が飛びました。日本は20歳から成人ということになっているので、投票権だけでなく、飲酒も20歳からですよね。アメリカは18歳で投票できるくせに、飲酒は21歳までダメなのです。「18歳から21歳までのアメリカ人は、投票できるくらいには成熟しているけど、酒を飲めるほどは成熟していないということか」と僕が少し茶化して言ったら、クリントン前大統領の外交アドバイザーをしているエリックが、「20歳を境に全てを許可する日本は、本当に合理的な国だよね」と皮肉たっぷりに切り返してきました。 でもよく考えたら、合理的なのはアメリカの方ではないでしょうか。そもそも、選挙と飲酒は全く別の問題であるため、それを日本のように十把一絡げに20歳を区切りにするのは、どうも正当性がないような気がします。まあ、日本人の美意識が区切りの美しさを優先させたのかもしれませんけど。アメリカは、18歳なら責任ある一票を投じられると判断しているのでしょうし、飲酒は肉体や精神への影響を考慮して少し遅くしているのでしょう。 さて、議論はこの後、運転免許の取得年齢に話が飛びました。日本は全国一律18歳で、アメリカは大抵の州が16歳から免許が取れるんだそうです。しかし、アメリカではド田舎で公共交通が全く無いような地域では、13歳から運転できるところもあるのだそうです。これもまた、実に合理的な話だと思いませんか。 昨日に続いて「日米リーダーシップ・プログラム」からの話題です。このプログラムには、様々な著名な講師の講演も組み込まれているのですが、「異文化コミュニケーション」を教えているある大学の先生がレクチャーをした時間がありました。前の晩かなり遅くまで飲んでいたせいで、この講義はハッキリ言って「うわの空」だったのですが、ある部分だけはしっかり覚えています。それは、こんな話でした。 アメリカ人のこの先生(男性)が、日本のある大学で数年間教える機会があったのだそうです。その日本滞在時に、同僚の日本人の教授から注意されたことがあったといいます。それは、「女性と会話をする時に、相手の目を見つめないように」ということだったそうです。なるほど、アメリカ人は会話をする時に、必ず目を見つめて話します。別に相手に気があるわけでもないのに、それが普通なのです。アメリカでは目を見て話さない人は、「嘘をついている」とか「自分の話に自信がない」とか、ネガティブな印象を与えてしまうということも聞いたことがあります。でも普通の日本人なら、恋人以外の異性に瞳を見つめられたままという状態は、ちょっと居心地が悪いのかもしれません。 実は、僕はこのアメリカ人の先生と全く逆の体験をしたことがあります。あれはもう10年以上も前の話ですが、アメリカで生まれ育ったというある帰国子女の日本人女性と知り合ったときのことです。彼女と会話をしていると、彼女がずうっと僕の瞳を見つめ続けるので、すごく照れてしまうのです。「アイツ、俺のことが好きなんじゃないか」と本気で思ったこともありました。でも、あれは単にアメリカ流の「アイ・コンタクト」だったわけです。「異文化コミュニケーション」は難しいですね。 さて僕自身は、相手の目をしっかり見据えて話をするのはまだ苦手です。どうも、瞳をそらしてしまうのです。それで損をしていることもあるのかもしれません。でも日本人だから、しかもシャイな東北人だから仕方ないか。 金メダルが期待されていたジャパンの野球チームは、残念ながら銅メダルでした。実は昨日のオーストラリアとの準決勝、テレビで生中継があるというのを前日に知り、アメリカ東部時間で午前4時半に起きて見ていました。まさかオーストラリアに二回続けて負けるとは思いませんでしたが、向こうの投手が良すぎました。でも、どうして七回裏二死一、三塁の場面で代打を送らなかったのか。サウスポーのウィリアムスに、左の藤本の場面。右の代打はいなかったのでしょうか。熱投していた松坂に勝たせてやりたかったです。 でも、日本の野球界全体のことを考えたら、あそこで負けてよかったのかもしれません。きっと野球の神様が試練を与えたのでしょう。選手たちはあの敗戦から大事なものを学んだに違いありません。「銅という字は金と同じと書く」とは、今日のカナダ戦に先発した和田投手の言葉です。この銅メダルを本当に金と同じ価値にするためには、この経験を今後に活かすことが大事なんだと思います。 今、日本のプロ野球は大きな転換期を迎えているようです。オリックスと近鉄の合併話に端を発した一リーグ制への移行計画は、僕自身もどうも性急すぎるような気がします。もっと野球の国際化とか、プロとアマの関係とか、底辺の拡大とか、企業から市民へ野球を取り戻すこととかを真剣に議論するチャンスなのに、コミッショナーがリーダーシップを示さず、一部の企業の論理だけで事が進もうとしているようです。「日本の野球をどうしたいのか」、オリンピックで貴重な経験をした選手たちの声にも耳を傾けるべきでしょう。 そう言えばかなり前ですが、「球は転々宇宙間」という小説を読んだことがあります。あれは、プロ野球を企業から市民に取り戻すために、コミッショナーが大改革をし、日本のプロ野球が地方に根ざした18球団になるという痛快な話でした。野球関係者は、絶対に読むべし。 昨日の続きです。日本のプロ野球がメジャー・リーグ(MLB)からも学ぶべきことは多いと思います。僕がワシントンに赴任した1994年は、MLBのストライキの年でした。あのストライキがきっかけで、MLBの労使交渉の結果導入されたのが、いわゆる球団間の収入分配です。現在では各球団の売り上げ額の34%がMLB機構に徴収され、それが各球団に分配されています。さらに、登録選手の年俸合計が一定金額を超えると、MLB機構に追加額を払わなければいけないのです。それがまた、経営不振のチームに振り分けられます。こういった仕組みにより、ヤンキースのような金持ち球団は、今年は約8千万ドルをMLB機構に徴収されているそうです。 こういった収入分配制度にもかかわらず、MLBでも経営不振に陥る球団はあるものです。何年か前の「モントリオール・エクスポズ」がそうでした。あの時は確か、エクスポズを消滅させるという球団数削減の動きがMLBにもあったのです。しかしMLBが結果的に取った策は、球団数の削減ではなく、MLB機構そのものによるエクスポズの買収でした。ですから、2002年からエクスポズはMLB機構の所有になり、他の29球団の収入によって支えられているのです。MLBは、このエクスポズをいずれどこかの都市に売却することになっていますが、ワシントンDCが有力候補地のひとつになっています。僕は是非、エクスポズがワシントンに来て欲しいと願っている野球ファンのひとりです。 さて、日本のプロ野球は、今後どうなって行くんでしょうか。近鉄を買いたいという「ライブドア」をシャットアウトする理由もよく分かりませんが、そうならそうで、MLBのように他球団が近鉄を支えるとか、プロ野球機構が近鉄を支えるとかいう手段は取れないんでしょうか。各球団の経営努力を促しながら、経営不振の球団を救う方策を時間をかけて議論しましょうよ。というわけで、慶長は「野球の未来を創る会」の会員になりました。 今日のワシントン・ポストに、各国の報奨金ランキングが載っていました。アテネ・オリンピックで金メダルを獲ると、自国の政府からいくらもらえるかという金額のランキングです。それによると、報奨金の金額が一番多いのは、どこの国でもなく、インドのパンジャブ州なんだそうです。パンジャブ州出身の選手が金メダルを勝ち取ると、その選手に21万5千ドルが支払われるのだそうです。州出身の選手を対象としているのだから、これはおそらく州政府から支給されるのでしょう。ところで、インドのパンジャブ出身選手って、何人アテネに行ってるんでしょうか? さて、二位以下は次のとおりです。金額は全て米ドルです。 ・クウェート ($165,000) ・フィリピン ($143,000) ・ギリシャ ($122,000) ・インドネシア ($117,647) ・ロシア ($110,000) ・ウクライナ ($100,000) ・フランス ($48,909) ・ポーランド ($33,600) ・日本 ($27,000) ・アメリカ ($25,000) ・中国 ($24,000) ・ドイツ ($18,341) ・韓国 ($13,000) ・ガーナ ($5,000) いくつか脚注がついていて面白かったのは、ギリシャでは、上記の報酬に加えて金メダル獲得者の顔が切手になるということ。それからウクライナでは、報奨金の他に、首都のキエフにアパートが貰えるんだそうです。日本政府が金メダリストに$27,000=300万円を与えるということも、僕はこのランキングで初めて知りました。報奨金としては安いような気もしますけど。まあ、金メダルはやっぱり「プライスレス」だと思います。あなたはこのランキングをどう思いますか。 昨日、今日とワシントンはとても暑い週末でした。おそらく日中は35℃を越えていたでしょう。アテネと同じくらい暑かったんじゃないでしょうか。そのアテネ・オリンピックが終わりました。祭りの後はいつも一抹の寂しさが残ります。オリンピックが終わっても、夏はまだ終わらないでほしい。 今日の男子マラソン。終盤まで一位だったブラジルのデリマ選手が、沿道から突然飛び出した男に襲われ、その後ペースが落ちて三位に終わりました。テレビで見ていても、あの男には本当に腹が立ちましたが、デリマ選手のゴール前のパフォーマンスとゴール後の清々しさに救われました。その後のインタビューでも、彼は誰を責めるでもなく、素直に銅メダルを喜んでいました。何があっても最後まで全力を尽くす。こういうのが「オリンピック・スピリット」じゃないでしょうか。 それからハンマー投げで二位だった室伏選手が、一位の選手がドーピングで失格となり、金メダルに繰上げされました。記者会見で室伏選手は、「金メダルより重要なものがある」と、ライバルの不正を嘆いたそうです。「金メダルより重要なものがある」、それが分かっている選手はドーピングなど絶対にしないでしょう。 今回のオリンピック、日本選手の活躍も目立ちました。アテネでの日本の獲得メダル総数37個は、今までの五輪史上で一番多かったのだそうです。でも、僕が一番誇らしく思うのは、日本選手の中で誰一人ドーピングの違反者がいなかったことです。日本選手は全部で84人がドーピング検査を受けたそうですが、全てが陰性でした。勝った人も負けた人も、感動をありがとう。やっぱりスポーツはいいですね。 週末は決まって娘たちの友達のお誕生会があります。デイ・スクールでひとつ違いのクラスに通う娘たちには、共に15人くらいのクラス・メイトがいるので、二人合せて30人の友達がいることになります。毎週のようにこのうちの誰かが誕生日を迎えるので、週末はしょっちゅうお誕生会に呼ばれるわけです。連れて行く親としては、結構ウンザリです。この週末もそうでした。昨日の日曜日は長女の同級生のサラちゃんの5歳のお誕生会がありました。そして土曜日は、うちの次女の4歳のお誕生会を我が家でやりました。こうしたアメリカの子供たちのお誕生会で、ほぼ必ず行われるゲームがあります。それは「ピニャータ」と呼ばれ、これは元々メキシコのパーティーで定番になっているものと聞きました。このゲームは、いろいろな形やテレビのキャラクターなどをあしらった大きな箱状の入れ物(これを「ピニャータ」と呼ぶ)に、キャンディーやお菓子を詰め込み、この箱を壊して中味を取りあう遊びです。 今まで娘たちの友達のお誕生会に出席して、どうやらこの「ピニャータ」というゲームには二種類があるということに気づきました。一つ目は、天井などに吊るした「ピニャータ」を、目隠しをして棒で叩き壊すやり方です。これはほとんど「スイカ割り」と同じ要領で、子供たちが順番に並んで棒を振り回し、誰かが「ピニャータ」を完全に破壊するまで続きます。二つ目は、「ピニャータ」の下方に沢山のヒモがついており、このうちの一本を引っ張ると「ピニャータ」が壊れる仕組みになっているものです。やはり子供たちが順番に並んで、次々にヒモを引っ張ります。ハズレのヒモを引いたら、ヒモが切れるだけです。 土曜日の次女の誕生会の時の「ピニャータ」は、このタイプだったのですが、30本くらいあるヒモのうち、最後の二本になるまで、ヒモが切れ続けました。椅子の上で「ピニャータ」を支えていた僕は、「この『ピニャータ』は不良品なんじゃないか。そうだとしたら、子供たちはガッカリするだろうなあ」と内心焦っていたのです。でも、最後から二本目のヒモをジャック君が引いたとき、「ピニャータ」は見事に壊れて中のキャンディーやチョコレートが出てきました。ホスト役の親としては、「ピニャータ」が成功してひと安心でした。 昔の女性バンドのことではありません。アメリカの女の子たちに大人気の「ディズニー商品」のことです。アメリカでは今、ちょっとした「プリンセス・ブーム」なのです。ディズニーが数年前から、ディズニー映画のお姫様たちを一括して「プリンセス」というブランドの下に売り出しました。そのお姫様たちとは、シンデレラ、白雪姫、眠れる森の美女、人魚姫のアリエル、美女と野獣のベル、アラジンのジャスミンです。この「プリンセス・ブランド」が女の子たちに大ヒットして、その関連商品の売り上げは2000年には2億ドルだったのに、去年は20億ドルにも上ったそうです。 昨日の記事でお分かりの通り、我が家の4歳の次女も「プリンセス大好き少女」です。彼女のお誕生会のケーキもピニャータも、プリンセス商品でした。その他にもバッグなど、彼女はたくさんのプリンセス・グッズを持っています。 女の子は誰でもプリンセスに憧れるものなんでしょうか。「一般家庭に生活しているのは実は仮の姿で、いつか素敵な王子様が現れて自分はお姫様になる」、という幻想をうちの次女が抱いてないことを望みます。そんなシンデレラ・ストーリーは、物語の中だけなのですから。 ( http://www.keicho.com ) |