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  デンマーク(May 2003)



スカンジナビアの風に吹かれて (2003/05/27)


 デンマークの首都コペンハーゲンから書いています。ワシントン〜コペンハーゲン直通のスカンジナビア航空で来ました。機内ではとても不愉快なことがありましたが、それについてはそのうちに書きます。

コペンハーゲンのチボリ公園  スカンジナビア最大の都市コペンハーゲンは、人口が150万人くらいだそうです。昨日の午前中に到着し、午後は時間があったので街をぶらつきました。ヨ−ロッパの伝統を感じさせる古いレンガ造りの建物が多いですね。でも、なぜか落書きが多いのには少しがっかりしました。中心街は歩道も車道も石畳で、その石畳を歩いていると、いくつかの広場に出くわします。広場のネットワークが石畳で繋がれているのです。そういう広場の周りにはカフェやバーがたくさんあって、まだ夕方の4時だというのに、カールスバーグを飲んでいる人が結構いました。有名な「チボリ公園」にも入ってみましたが、古い遊園地といった感じでした。

 コペンハーゲンはさすがに北欧だけあって、ワシントンよりはかなり涼しいです。昨日の日中で15℃くらいでした。それに、風がかなり冷たいです。そんな冷たい風に吹かれてコペンハーゲンの街を歩き回っていたら、スカンジナビア航空での不愉快な出来事もいつのまにか忘れてしまいました。



コペンハーゲンの眠らない夜 (2003/05/28)


 空港へ行く時間が迫っていますが、その前にもう少し。コペンハーゲンで一番驚いたのが、自転車の多さです。通勤、通学や買い物などに自転車が多く利用されています。男性も女性も、子供も老人も、風を切るように自転車を飛ばしています。自転車専用路や自転車駐輪場が街のあちこちにあって、街づくりの面からも排気ガスのない自転車利用を促進しているようです。

 おそらくデンマークは、環境保護に相等な力を入れているのでしょう。その証拠に、コペンハーゲン空港のそばには、風力発電用の大きな風車がたくさん回っていました。ホテルにあったパンフレットにも、「デンマークは環境政策の先進地なので、環境関連の研修や視察にどうぞ!」と書いてありました。今度はそういうので、もっとゆっくり来たいですね。

風力発電用の風車  さて昨日のことですが、コペンハーゲンの夜はなかなか暮れませんでした。ワシントンもこの時期は夜8時くらいまで明るいですが、コペンハーゲンは夜の9時半でもまだ明るかったです。北緯55〜56度くらいのコペンハーゲンは、地図で見ると稚内のはるか上、樺太の北端と同じくらいの緯度です。「もしかしたら、これは白夜というものなのか。いや、そんなはずはない。よ〜し何時に日が暮れるか、それまで起きていよう」と一旦は腹を決めました。しかし、前日のフライトでほとんど眠れなかったのと旅の疲れで、10時前には知らないうちに眠り込んでいました。夜中に目が覚めた時に外は暗かったので、白夜ではないようです。でも、朝の5時前にはもう明るくなっていました。この季節、コペンハーゲンの夜はかなり短いです。



怒るスカンジナビア人、謝るスカンジナビア人 (2003/05/29)


 コペンハーゲンからウィーン経由で今朝スリランカのコロンボに着きました。ここはさすがに蒸し暑いです。コペンハーゲンからウィーンまでは「チロリアン航空」、ウィーンからコロンボまでは「ラウダ航空」という飛行機に乗ってきました。どちらもオーストリア航空グル−プの航空会社で、スター・アライアンスのメンバーになっています。はっきり言って、この二つのフライトは最高でしたね。食事も良し、サービスも良し。ワシントン〜コペンハーゲン間のスカンジナビア航空で、とても不愉快な出来事があった後だけに救われた思いでした。

 そのスカンジナビア航空での不愉快な出来事について、ちょっと書いておきます。夕方の5時半にワシントンを発ったその便は、夕食の後すぐに明かりが消えて「お休みモード」になりました。僕はいつものことながら、コロンボに着くまでに機内でやらなければならない仕事を山ほど抱えており、天井の小さな個人用ライトを点灯させて、必死に書類に目を通していました。幸いなことに、僕の横の席は空席だったので、そこに書類を積んでいました。しばらくすると、僕の後ろの席の中年男性が僕の席にやってきて、「眠れないので明かりを消してくれないか」と言うのです。僕は、「申し訳ありませんが、仕事を片付けなければならないので」と丁寧に断わりました。

 そこで終われば、何ていうことはなかったんです。しかし、それから数時間後、ようやく仕事が一段落しそうなところで、その男が今度は血相を変えて怒鳴り込んできました。「このキャビンで明かりを点けているのはお前だけじゃないか。いつまで点けているつもりだ。お前は世銀の職員だろう。後ろからお前の書類を覗いたので分かったんだ。何ていう傲慢なヤツだ。お前のせいで眠れないじゃないか。」と大声で怒られました。僕は思いもしない出来事に一瞬パニックになりながらも、「すみません。ご迷惑なようなので席を移ります」と言い、スチュワーデスさんに頼んで空いている別の席に移ることにしました。その席に移ってようやく平静を取り戻すにつれて、どうして自分があんなに怒鳴られなきゃいけないのか全く理解ができず、腹が立って腹が立って仕方がありませんでした。あの男を名誉毀損で訴えてやろうかとさえ思いました。今思い出しても腹が立ちます。あの男の口ぶりからすると、彼は明らかに世銀に対して何か偏見を抱いていて、僕が世銀の職員だと分かってさらに怒りが増したようです。

 新しい席に移って、もう仕事なんかに集中できずに悶々としていると、スチュワーデスさんが次々にやってきて慰めてくれました。「天井の明かりを点けるのは、あなたに与えられた権利です。その権利を行使しただけですから、あなたに非はありません。彼はどうかしています」だって。そんなことは分かりきっている。こっちにに非が無いのに怒鳴られたので、余計に腹が立つのだ。

 スチュワーデスさんたちが僕から離れた後、別の紳士風の中年男が僕のところにやって来て、静かにこう言いました。「見ていましたよ。あなたは立派でした。私だったら、逆上して怒鳴り返していたでしょう。あなたは全く悪くない。あの男がどうかしていただけだ。同じスカンジナビア人として、あの男の代わりにあなたに謝ります。そして、あなたの紳士的な態度に敬意を表します。」この言葉を聞いて、ようやく少し落ち着いてきました。スカンジナビア人も、悪い人ばかりじゃなさそうです。どこの国の人だって、嫌なヤツもいれば、いいヤツもいるんですよね。今回のことは、天災にでもあったと思って水に流すことにしよう。



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