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  ニュージーランド(April 2002)



雨のオークランド (2002/04/25)


 アンザック・デーという休日を利用して、ニュージーランド最大の都市オークランドにやって来ました。ブリスベンから3時間ちょっとのフライトでした。ニュージーランドの人口は380万人くらいですが、そのうちの約3分の1がここオークランドに集中しています。今日の最高気温は20℃で、晩秋の割には思ったほど寒くはないです。

オークランド  あいにく、着いてからすぐに雨が降り出し、今日は雨の中オークランドの中心街を散策していました。オークランドの街は、「何でこんなにアジア人がいるんだろう」と思うほどアジア人で溢れていて、かなりびっくりしました。それも、中国人、韓国人、日本人など東アジア系が多いですね。「どこかのアジアの都市にでも紛れ込んだんじゃないか」という錯覚におちいりました。マオリ族系と思しき人たちも結構見ましたが、今日のところは白人はあまり目に付きませんでした。実際の人口構成はどうなっているのか、ちょっと興味があります。



マオリ人はたったの7人!? (2002/04/26)


 今日はバスでオークランド市内の主要な観光スポットを回って来ました。オークランドは四方を海に囲まれているような感じで、至る所から海が見えます。それから、街のあちこちにラグビーのゴールポストを備えた練習場がありました。さすがは、オール・ブラックスの国です。

 運転手兼ガイドはフィルさんという方で、とても気さくなおじさんでした。オーストラリアでも大抵の場合そうですが、こちらでも運転手さんがガイドを兼ねていました。運転席にマイクが固定されており、運転しながら観光案内をしてくれるのです。

 そのフィルさんの説明の中から、いくつか覚えていることを書き留めておきます。

「純血のマオリ人というのは、ニュージーランド全体でもおそらく7人くらいでしょう。ヨーロッパ人、アジア人、ポリネシア人などの血が交じり合って、今のニュージーランドが構成されています」(ちなみに、オークランドでは5人に1人がアジア系だそうですが、このような『人種』という概念は意味がなくなりつつあるのかもしれません。)
「ニュージーランドの自動車は9割が日本からの輸入車で、そのうちの8割は中古車です。こういった中古車は、大体2千ドル(15万円)くらいです。」
「オークランドのスカイ・タワー(328メートル)は、シドニー・タワーより3メートル高くて南半球一です。」
「左手に見えますのがアメリカ大使館です。」「えっ、どこどこ?」「ほら、あの黄色いMのマークがあるところ。別名マクドナルド!!」(このジョークはオーストラリアでも聞いたことがあります。)



キーウィとキーウィ・フルーツ (2002/04/28)


 先ほどブリスベンに戻りました。束の間のオークランド滞在でしたが、ニュージーランドの雰囲気をちょっぴりだけ味わってきました。オークランドの街は、ブリスベンをもう少しお洒落にしたような感じでした。ニュージーランドには、是非またいつか家族でのんびりと行きたいですね。

 さて、ニュージーランドで絶対に見たかったのが、「KIWI(キーウィ)」という珍しい鳥です。ニュージーランドにしかいないため、国のシンボルとも言われています。オークランド動物園にいるというので、この鳥を見るためだけに動物園に行ってきました。愛しのキーウィは、特別のガラス張りの部屋に入れられ、しかも真っ暗だったために、シルエットしか見えませんでした。せっかく見に来たのによく見えずに、とてもがっかりしました。しかし、キーウィは夜行性で一日に20時間くらい眠るために、このように真っ暗にしているようです。「人間の都合より、キーウィの都合を優先させているんだ」と思い、自分を納得させました。起きて動き回っていたキーウィのシルエットを見られただけでも、ラッキーだったのかもしれません。

 このキーウィは、羽が退化して飛べない鳥です。大きさは、にわとりぐらいで、頭が小さくお尻が大きいとても愛嬌のある体型をしています。それにとても長いくちばしを持っています。聞くところによると、オーストラリアにいるエミュの親戚だとか。そして、エミュと同じくらいの大きな卵を産むのが特徴です。成鳥の大きさと卵の大きさの比率は世界一だそうです。

キウイの交通標識  僕なんかは、キーウィというと「キーウィ・フルーツ」の方を連想しますが、鳥の「キーウィ」とフルーツの「キーウィ」は何か関係があるのでしょうか。今までは、「果物のキーウィは、色が鳥のキーウィに似ているし、しかも形も丸っこいので、この鳥にちなんで名付けられたんだろう」と勝手に思っていました。そこで、ガイド兼運転手のフィルさんに聞いてみました。彼によると、キーウィ・フルーツは元々中国南部の州が原産で、「チャイニーズ・グースベリー」というのがオリジナルの英語名だったそうです。しかし、ニュージーランドの農民達が、この果物をニュージーランドの特産品として世界に売り出そうとして、「キーウィ・フルーツ」と名付けて輸出したところ、この名前が世界中で定着してしまったというのです。中国にしてみれば迷惑な話だったかもしれません。ニュージーランドの農民達がこの果物をキーウィと名付けたのは、色や形が似ているからというよりも、単にニュージーランドのシンボルである鳥の名前を使っただけだそうです。

 そう言えば、ニュージーランドの人たちは、ニュージーランドに関するものを何でもかんでも「キーウィ」と表現したがります。自分達のことも「New Zealander(ニュージーランダー)」と呼ぶよりも、「KIWI」と呼ぶことの方が多いみたいです。そのためか、英語ではニュージーランド人のことを「キーウィ」と称するのは当たり前になっています。国際金融市場では、ニュージーランド・ドルのこともキーウィと呼ぶそうです。このように、キーウィという鳥は、ニュージーランドのアイデンティティとなっているのです。「国のアイデンティティを絶滅させるな」ということで、ニュージーランドは国を挙げてこの鳥の保護に必死です。僕もこれからキーウィ・フルーツを食べる度に、その名前の由来となったニュージーランドの鳥のことを思い出すでしょう。



スチュワーデスがいない飛行機 (2002/04/29)


 今回のオークランド行きは、スター・アライアンスのマイレッジ特典でもらえるニュージーランド航空の無料航空券を利用しました。キャンペーン中だったので、ブリスベン〜オークランド間往復で、たったの1万5千マイルで行けました。スター・アライアンスのマイレッジがかなり貯まっているので、オーストラリアに来る前は、アンセット・オーストラリア航空を利用してオーストラリア国内をいろいろ見て回ろうと思っていました。しかし、去年9月のアンセット航空の倒産で、それも叶わぬ夢となりました。「そうだ。確かニュージーランド航空もスター・アライアンスのメンバーだった」と思い出し、今回の旅行となった訳です。

 そのニュージーランド航空ですが、「グルメですかい」のページでも触れましたが、ちょっと変わっていました。何が変わっていたかと言うと、往路のブリスベン発オークランド行きの便には、スチュワーデスさんが一人も乗っていなかったのです。もうちょっと正確に言うと、客室乗務員が全て男性で、女性は一人もいなかったのです。今までいろいろな飛行機に乗りましたが、こういうのは初めての体験でした。あのパキスタン航空だって、必ず女性の客室乗務員が乗っています。ちなみに復路のオークランド発ブリスベン行きには、女性の客室乗務員さんもちらほらいました。

 現在のニュージーランドの首相は、ヘレン・クラークさんという女性の方です。そしてこのクラーク首相の前も、ジェニー・シプリーさんという女性首相でした。ニュージーランドの国会では、現在女性議員が30.8%を占め、この女性議員の比率の高さは世界第8位です(日本は先進国中最下位で第86位)。僕は、このこととニュージーランド航空に女性客室乗務員がいなかったこととは、何か関係があるような気がするのです。「ニュージーランドでは、男性と女性の役割が日本とは逆だ」と言いたいのではありません。そうではなくて、「ニュージーランドでは、職業を選択する上で、あるいは誰かが担当者を任命する上で、性別はほとんど関係ないんだろう」と思ったのです。だから、おそらくあの日のニュージーランド航空のクルーは、たまたま男性のみだったというだけで、別に深い意味があった訳でもなく、それを不自然に感じた自分が少しバイアスがかかっていただけなのでしょう。

 英語では、「スチュワーデス」という言葉も今やほとんど死語です。「エア・ホステス」という言葉も昔はよく聞きましたが、これも死にました。最近では、「フライト・アテンダント」、「キャビン・アテンダント」、「キャビン・クルー」などと呼ばれているようです。いずれも、男性・女性両方に使える呼び方です。飛行機の客室乗務員が、女性だけの仕事ではなくなったひとつの証拠と言えるでしょう。



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